「水」でも、飲みすぎれば死に至る
この記事を読むと分かること
- アセスルファムKが危険ってホント?
- 人工甘味料が悪だと言われる理由
- 人工甘味料は腎臓・肝臓に悪影響がある⁉
人生100年時代と言われれる昨今、健康志向の人が増えてきました。
その影響で世の中には様々な「健康食品」が増えています。
その中でも「人工甘味料は体に害を及ぼすのか?」
このような疑問を抱えている人も多いのではないでしょうか?
今回は、人工甘味料の中でも、問題視されている「アセスルファムK」について解説していきます。
■アセスルファムKってどんな甘味料
多くの食品・ドリンクに含まれる、人工甘味料の「アセスルファムK」は危険性があるのか?
結論から言うと、適量なら全く問題ありません。
しかし、ネットで検索すると多くのネガティブの意見が出てきます。
- うつ病のリスク
- 吐き気
- 頭痛
- 腎臓・肝臓疾患
- 発ガン性 など
これは、人工甘味料=「悪」だと、思いこんでいる人が多いためです。
多くの人が、「人工」というだけで、研究や論文を全く調べず、体に悪影響があると憶測で決めつけているのです。
◎アセスルファムKとは?
アセスルファムKは、甘さがショ糖の200倍ある人工甘味料の一種です。
多くのダイエット食品に使われていますね。
あの「ダイエットコーラ(ゼロコーラ)」にも使われている甘味料です。
アセスルファムKは、熱や酸に強いという特性があるため、多くの食品や飲料に使われています。
この熱や酸に強いという特性は、アスパルテームにはありません。
また、高濃度のアセスルファムKは、多少苦味があるので、アスパルテームやスクラロースといった、他の人工甘味料と組み合わせて使われることが多いです。
◎アセスルファムKの適量
アセスルファムKの適量は、体重1kgに対して「15mg」です。
※体重50kg:750mg
清涼飲料水1.5リットルに、アセスルファムKは約750mg含んでいます。
ですので、これくらいを目安にすると良いでしょう。
◎アセスルファムKが使われるようになった理由
アセスルファムKは、1967年にドイツの製薬会社で研究・発見され、JECFA(WHOとFAOの合同機関)が安全性を確認しました。
日本では、2000年から使われるようになりました。
ですので、日本での歴史はまだ20年ほどです。
また、2008年には「医薬品添加物」としても認定されています。
日本で食品添加物の使用が許可されるには、様々なエビデンスを提出する必要があります。
日本:厚生労働省
アメリカ:FDA(食品医薬品局)
☆厚生労働省の声明
- 発ガン性なし
- 毒性なし
- 副作用なし
- 肥満をきたさない
- インスリン分泌に影響なし
- 安全性が高い
この条件を満たさないものは、日本で食品添加物として使用することはできません。
■実際に体への悪影響はあるのか?
アセスルファムKは、適量なら体に害はありません。
しかし、完全に安全というわけではないので、積極的に勧めることはできないというのが現実です。
◎塩化メチレンに発ガン性がある⁉
アセスルファムKが「発ガン性や体に悪い」と言われるのには理由があります。
それは、アセスルファムKの製造過程で「塩化メチレンを使うから」です。
アセスルファムKは酢酸から作られますが、塩化メチレンを溶媒に使っています。
この塩化メチレンは、毒性が強く発ガン性があると認定されているのです。
「アセスルファムKは、作る過程で使う塩化メチレンが残留している可能性がある」
これが、発ガン性がある、体に悪いと言われている原因です。
しかし、実際は、「アセスルファムKは悪影響はない」と結論付けられています。
◎腎臓・肝臓に悪影響がある
アセスルファムKは難消化性なので、口から入れてもほとんど代謝されません。
ですので、摂取したほとんどが尿と一生に排出されます。
このことから「肝臓・腎臓に負担をかけるのでは?」とも言われています。
アセスルファムKの摂取量は、多くても1日に500mg〜1,000mg程度です。
そう考えると、単純にタンパク質のほうが肝臓・腎臓に負担をかけていることが分かります。
人工甘味料は肝臓・腎臓を経由するので、影響はゼロではない。
しかし、人工甘味料の摂取量はごく少量。
アセスルファムKは、他の栄養素に比べるとそこまで大きな影響はありません。
◎アセスルファムKは悪影響なし
アセスルファムKをマウスに投与して、腸内細菌のバランス、体重の変化を調べた研究があります。
結果は、腸内常在菌のバランスは、アセスルファムKの投与で変化があるとのことでした。
しかし、食品添加物や人工甘味料の研究は、投与量が多いものがほとんどです。
また、95%以上の研究の対象は「マウス」であり「人間」ではありません。
数少ない、人間を対象としたコホート研究では、アセスルファムKの摂取で体重やインスリン感受性に影響のないという結果が多いです。
◎人工甘味料が悪だと言われ始めた理由
世界的に権威のある雑誌「Nature誌」で、人工甘味料の摂取で糖尿病の発症リスクが増えるということが発表されました。
このことから、一時期「人工甘味料は危険なんじゃないの?」と言われていました。
しかし、このNature誌では”人工甘味料”と一括りに記載されていましたが、対象は”サッカリンのみ”というのが事実です。
サッカリンは害があると結論付けられていますが、サッカリン以外の甘味料は、悪影響がないという発表がされています。
適量の人工甘味料を摂取させて、害が出たという研究はほとんどありません。
◎完全に安全というわけではない
人工甘味料・食品添加物に対する厚生労働省の記載は「”直ちに”健康への害はない」とされています。
”直ちに”という理由は、食品添加物の歴史は浅いからです。
30〜40年間使い続けた体への影響は、検証されていません。
■まとめ【どんなものでも適量がある】
今回は、人工甘味料「アセスルファムK」は体に悪影響を及ぼすのか?を解説しました。
結論は、アセスルファムKは適量なら全く問題なく摂取できるということでした。
しかし、どんなものでも摂りすぎれば体に悪影響を及ぼします。
「水」でさえ、飲みすぎれば「水中毒」になり最悪の場合死に至ります。
ですので、人工甘味料は悪だと決めつけず、正しい知識を身につけ、健康に甘みを楽しみましょう!
◎要点まとめ
最後に簡単にまとめておきます。
要点まとめ
- アセスルファムKは適量なら問題ない
- アセスルファムKの適量は、体重1kgに対して「15mg」
- ”直ちに”健康への害はないだけで、完全に安全ということはではない
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事があなたのお役に立つことができたのなら幸いです。