サーチュイン遺伝子を制するものは「老化」を制す
この記事を読むと分かること
- 長寿遺伝子「サーチュイン遺伝子」とは?
- 本当に寿命を伸ばすことができるのか?
- サーチュイン遺伝子を活性化する方法
巷で話題の「サーチュイン遺伝子」
人生100年時代と言われるいま、健康リテラシーの高い人は聞いたことあるワードだと思います。
あのホリエモンも使っているという「NMN」というサプリメントが流行ったと同時に、「サーチュイン遺伝子」という言葉もよく聞くようになりましたね。
この記事では、サーチュイン遺伝子を簡単に解説し、本当に寿命が伸びるのかということを知ることができます。
「健康で長生きしたい」という人は、読んで損はない記事です。
■巷で話題の長寿遺伝子「サーチュイン遺伝子」とは?
サーチュイン遺伝子は、長寿遺伝子とも言われ、抗老化遺伝子の1つです。
哺乳類には、SIRT1〜7まで7種類のサーチュイン遺伝子があると分かっています。
「サーチュイン遺伝子」というワードは、ここ最近流行った言葉ですが、研究自体は20年以上前からされています。
1999年マサチューセッツ工科大学の研究で「サーチュイン遺伝子と長寿は関係あるのでは?」ということでその後、盛んに研究が行われるようになりました。
◎あのホリエモンも愛用している「NMN」とは?
ネットで「NMN」と検索すると、たくさんの種類のサプリメントが出てきますが、その中には、あのホリエモンが宣伝しているサプリもあります。
皆さんが思うのは、「実際NMNを摂取すると寿命が伸びるのか?」ということだと思います。
現段階では「マウスの実験では、NMNを摂取するとサーチュイン遺伝子が活性化して若返りの効果がある」とされています。
しかし、人間に対する効果は、いまだ研究途中といったところです。
また、NMNのサプリメントは1本数万円はするので”お金持ち用のサプリ”といえます。
効果が懐疑的な現段階で、大金をはたいてまで購入する価値はないのでは?と思っています。
◎人間が老化する原因は生活習慣
人間が老化する原因は、遺伝的な要因が25%、生活習慣が75%と言われています。
睡眠リズム・栄養バランスが悪い、ストレスを感じまくっているとかなら、いくら遺伝子に良い物質を摂っても、全く意味がありません。
ですので、遺伝子に良い成分を摂取するよりも、生活習慣を整えるほうが寿命を伸ばすことに関してはよっぽど効果がありますね。
■サーチュイン遺伝子を活性化すると本当に寿命って伸びるの?
サーチュイン遺伝子は、長寿遺伝子と言われています。
しかし、サーチュイン遺伝子には、本当に寿命を延ばすような効果があるのでしょうか?
ここからは、サーチュイン遺伝子が、長寿遺伝子と云われる所以とその効果を解説していきます。
◎サーチュイン遺伝子が長寿遺伝子と言われる理由
遺伝子が格納されているところを「染色体」と言い、この染色体の末端部分には「テロメア」というものがあります。
人間の体は絶えず、細胞分裂が行われているが、細胞分裂のたびにこの「テロメア」が短くなり、完全に消滅すると細胞は死滅するのです。
そして、死滅した細胞が体内に増えると、老化を活性化してしまうというロジックになっています。
サーチュイン遺伝子には、『テロメアの消耗を抑える効果』があるので「寿命が伸びるかも?」と言われているのです。
◎サーチュイン遺伝子の活性化で得られる主な2つの効果
①ミトコンドリアの増加
ミトコンドリアは本来、年齢ともに減少していくものです。
ミトコンドリアが増加することにより、効率的にエネルギー(ATP)を合成できるようになります。
②オートファジーを活性化
オートファジーは、別名「自食作用」とも言われています。
人間の細胞は何兆個って数がありますが、ずっと同じ細胞(タンパク質)を使っているわけではありません。
壊れたもの、ボロボロになったタンパク質は、体内にずっと残っていると老化の原因になるからです。
なので、古くなったタンパク質は、入れ替える必要があります。
そこで、古くなった細胞を再合成して(自食)、「新しいタンパク質に作り変えますよ」というシステムがオートファジーです。
加齢で、オートファジーの作用は弱くなります。
老化を防ぐには、体内をクリーンにしておくこと、オートファジーを活性化することが重要になるのです。
◎その他の効果
サーチュイン遺伝子が活性化すると、上記の「抗老化」の効果を得られることができます。
また、抗老化の効果以外にもいくつかポジティブな効果があるので紹介しておきます。
☆サーチュイン遺伝子を活性化すると得られる効果
- 記憶力の向上・調整
- 動脈硬化、心不全、炎症などの病気を予防する
- 筋肉減少症(サルコペニア)を抑制する
◎本当に寿命が伸びるのか?
結論からいうと、「サーチュイン遺伝子を活性化すると寿命が伸びる、と決定づける根拠はまだない」です。
しかし、酵母(単細胞生物)、線虫(ハリガネムシ)、ショウジョウバエでは、寿命延命効果が報告されています。
長期間に渡って行う、人間に対する研究はまだ行われていません。
ですので、現時点では、「もしかしたら人間でも寿命延命効果があるかも」くらいですかね。
◎サーチュイン遺伝子を活性化させる3つの方法
上記で紹介した「NMN」は、高価過ぎるので、それ以外の3つの方法を紹介します。
①絶食(飢餓状態)する
少し前に流行った「空腹こそ最高のクスリ」という本でも紹介されていますが、飢餓状態をつくることで抗老化作用のある「オートファジーが活性化」します。
最近、デキるビジネスマンや社長・経営者の中で、「オートファジー」はめちゃめちゃ流行ってますよね。
②カロリー制限をする
「どれくらいカロリー制限したら良いのか」は、人によります。
「消費カロリー」と「摂取カロリー」が一致するカロリー(メンテナンスカロリー)の、20%〜30%くらいの制限を目安にしましょう。
③レスベラトロールを摂取する
レスベラトロールは、赤ワインに多く含んでいる、ポリフェノールの一種です。
しかし、ここで注意してほしいのが「抗老化のために毎日赤ワインを飲もう」となることです。
赤ワインに多く含むと言っても、1杯で摂取できるレスベラトロールの量は「抗老化に必要な量の0.3%(300分の1)くらい」しかありません。
赤ワインで必要な量を摂ろうと思ったら、120杯くらい必要になります。
これは非現実的なので、レスベラトロールを摂るとしたらサプリメントから摂ることになるでしょう。
■まとめ【クリニックで調べることも可能】
今回は、巷で話題の長寿遺伝子「サーチュイン遺伝子」について解説しました。
- 「サーチュイン遺伝子は寿命延命効果はあるかも?」
- 「サーチュイン遺伝子を活性化させることを考えるよりも、『生活習慣を整える』ほうが、よっぽど抗老化の効果がある」
これが結論になります。
効果があるのかも分からない、高価な「NMN」を買うのは、少し待つのが無難かと思います。
また、自分のサーチュイン遺伝子がどれくらい活性しているのか知りたい場合、検査することも可能です。
「サーチュイン クリニック」で検索すれば、何件かヒットします。
相場は、40,000〜70,000円ってとこですかね。
気になる人は検査してみるのもアリかもしれません。
◎要点まとめ
最後に簡単にまとめておきます。
要点まとめ
- マウスの実験ではサーチュイン遺伝子と寿命延命効果は相関関係あり
- サーチュインを活性化しても現時点では「もしかしたら人間でも寿命延命効果があるかも?」くらい
- サーチュイン遺伝子を活性化するより生活習慣を整えるほうが「抗老化の効果」がある
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事があなたのお役に立つことができたのなら幸いです。