✔︎ この記事で解決できるお悩み
• 鉄ってどんな効果があるの?
• 鉄の摂取量や過剰摂取による副作用があるのか知りたい!
• 筋トレしてる人が”鉄なし”のマルチビタミンを選んでる理由が知りたい!
今回の記事は、筋肉博士”山本義徳”先生の書籍『アスリートのための最新栄養学(下)』と「高タンパク・低糖質食」で目覚ましい実績を上げている”藤川徳美”医師の書籍『うつ消しごはん』を参考にしています。
「鉄」のサプリメントを摂取している人は、効果や摂取量、副作用など理解していますか?
筋トレしてる人で「鉄」について理解している人は「マルチビタミンミネラル」を選ぶとき”鉄なし”を選んでます。
この記事では、『マルチビタミンは”鉄なし”を選ぶべき!』や『鉄の効果や摂取方法』など解説していきます!
最後まで読んで、サクッと「鉄」について理解しちゃいましょう!
そもそも「鉄」ってなに?
「鉄」は、人体に必要な”16種類ある必須ミネラル”のひとつです。
赤血球の”ヘモグロビン”に多く存在し、不足すると貧血を引き起こします。
体内には「3〜5g程度」存在しています。
そのうち「70%」は、赤血球の”ヘモグロビン”や筋肉中の”ミオグロビン”に存在します。
残りの「30%」は、肝臓や骨髄、筋肉などに”貯蔵鉄”として蓄えられています。
「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」
鉄には、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の”2種類”があります。
ヘム鉄
• 赤身肉や赤身魚に多く含まれる
• 吸収率が良い(10〜25%)
• 胃や腸を荒らしにくい
ヘム鉄を多く含む食材:レバー、牛肉、マグロ、カツオなど
非ヘム鉄
・野菜や穀物、海藻類、マメ類に多く含まれる
・吸収率が悪い(2〜5%)
• 必要量を摂る場合、ほうれん草ならバケツ4杯分必要
非ヘム鉄を多く含む食材:ほうれん草、小松菜、ひじき、プルーンなど
「ヘム鉄神話」から「キレート鉄」へ
「鉄を”効率よく摂取するため”にはどうしたら良いのか?」
”食材”から摂取する場合は、動物性の食材から摂れる「ヘム鉄」が効率的です。
ですが、”サプリメント”として「鉄」を摂取する場合は異なります。
サプリで摂るなら『”キレート鉄”一択』です。
なぜなら、「キレート鉄」は、ヘム鉄より”効果も大きく価格も安い”からです。
ヘム鉄は「1錠で6〜15mg」の鉄が摂れます。
ですが、キレート鉄なら「1錠で27〜50mg」の鉄を摂ることができます。
キレート鉄は、”鉄むき出しのヘム鉄”と違って『鉄イオンの周りをアミノ酸で加工している』ので、吸収率も上がり、胃への負担も少なくなります。
ですので、鉄を飲むと「胃がムカムカする」という人でも、大丈夫です。
ちなみに、「ヘム鉄」は今や、世界ではほとんど流通していない、日本だけのローカルサプリです。
鉄の「効果」や「働き」
•(1)赤血球をつくり酸素を運ぶ
•(2)筋肉に酸素を貯蔵する
•(3)エネルギーを作る
•(4)活性酸素の除去
•(5)神経伝達物質を作る
それでは、ひとつずつ解説していきますね。
(1)赤血球をつくり酸素を運ぶ
赤血球の中にある「ヘモグロビン」が、酸素を運んでくれています。
ヘモグロビンは、「ヘム」と「グロビン」から構成されており、「ヘム」は”鉄原子が中心”にある構造です。
ですので、鉄が足りなくなると、赤血球が作られなくなり、酸素がうまく運ばれなくなります。
赤血球がうまく作れなくなった状態を「鉄欠乏性貧血」といいます。
(2)筋肉内に酸素を貯蔵する
筋肉内には、酸素を溜め込むことのできる「ミオグロビン」というものが存在します。
「ミオグロビン」を作るには”鉄”が必要です。
そして、『ミオグロビン内の鉄が酸素に結合すること』により、酸素を貯蔵することができます。
ちなみに、イルカやクジラが『哺乳類なのに、水中に長くいられる理由は』、体内に「ミオグロビン」が大量にあるからです。
(3)エネルギーの産生に使われる
身体の主なエネルギーの「ATP」を産生しているのは、ミトコンドリアにおける「電子伝達系」です。
この電子伝達系に鉄が必要になります。
ですので、鉄が足りなくなると、エネルギーがうまく作られなくなるということです。
(4)活性酸素を除去してくれる
体内には、『血管を傷つけたり、老化や疲労の原因』になる”活性酸素”というものが存在します。
鉄は、活性酸素を除去してくれる酵素の「カタラーゼ」をつくる材料になります。
(5)神経伝達物質をつくる
心を落ち着かせる「セロトニン」、快楽をつくる「ドーパミン」、やる気をつくる「ノルアドレナリン」など、これらの神経伝達物質をつくる際に、鉄が必要になります。
これらは「モノアミン系の神経伝達物質」と呼ばれ、人間にとって非常に重要なものです。
神経伝達物質が不足すると、イライラや鬱、パニック症状を起こします。
筋トレしてる人に『鉄』は必要ない?!マルチビタミンは”鉄なし”を選ぼう!
この記事を読んでくれてる方は、筋トレをしている人がほとんどだと思います。
筋トレをしている人は、『普段から「鉄」を多く含む、肉や魚、卵を十分に摂っている』ので、サプリで「鉄」を摂る必要はありません。
それでは、「鉄」の過剰摂取や副作用について解説していきます。
鉄の過剰摂取による「副作用」
『うつ消しごはん』の著者である”藤川徳美”医師によると『サプリなどの経口摂取では、過剰摂取にならない』と言っています。
「キレート鉄」を、3,000例以上で使用しているが、「鉄過剰症は1人も出ていない」とのことです。
ですが「鉄」の過剰摂取で、脳卒中や心臓血管系疾患を引き起こす可能性がある、という研究結果もあります。
長期的な”ヘム鉄”の過剰摂取は、発がん性のある「ニトロソ化合物」の生成を促進し、”がん”などの重大な病の原因になるともいわれています。
赤身肉には大量の“ヘム鉄“が含まれています。
赤身肉を大量に食べると”がん”になるというのはこの「ニトロソ化合物」が原因でもあります。
病気の原因になるのは、過剰摂取を長期間つづけた場合です。
つまり、定められた量であれば『過剰摂取や副作用の心配はない』ということです。
女性は積極的に「鉄」を摂取しよう!
女性の場合は「鉄」を大量に排出してしまう月経、妊娠、出産があります。
ですので、日頃から「鉄」を積極的に摂取しましょう。
日本人の女性は全体的に「鉄」が足りていない、というデータがあります。
「鉄不足」を判断するときは、血液中の「ヘモグロビン値」ではなく「フェリチン値」を参考します。
フェリチン値とは、細胞質に存在している、鉄と結合しているタンパク質で、『その人が維持する鉄の量』を表すものです。
「フェリチン値」をわかりやすく説明すると、
「ヘモグロビン値」が『日々の生活で使う、財布の中のお金』で、
「フェリチン値」が『すぐには使えない、銀行に預けてあるお金』という感じです。
”藤川徳美”医師の書籍『うつ消しごはん』によると、『日本人女性の8割は鉄不足である』と言っています。
鉄の「摂取量」と「摂取方法」
厚生労働省が定める推奨摂取量
男性:「7,0〜7,5mg」
女性:「10,5〜11,0mg」
厚生労働省の調査によると、1日の「鉄」の平均摂取量は、男性で「7,9mg」、女性で「7,0mg」を摂取しています。
男性は、『必要な量を摂れている』ので問題ありません。
ですが女性は、月経や妊娠、出産で大量に「鉄」を消費するにも関わらず、まったく足りていません。
肉や魚、卵などを多めに食べるようにして、足りない分をサプリメントで補うのが良いでしょう。
『鉄は吸収率が悪い』ので、サプリメントとして摂取するときは、アミノ酸でキレート加工してある「フェロケル」というものがオススメです。
『メガビタミン健康法』で紹介されてる”藤川徳美”医師のオススメの『鉄』
女性の1日の摂取量:「100mg」
「ビタミンC」や、海藻類、緑色の野菜に含まれる「クロロフィル」を一緒に摂取すると吸収率が上がります。
→ 女性の方はこちらの『メガビタミンのやり方』という記事もオススメです。
男性は「鉄なし」女性は「鉄あり」のマルチビタミンを選ぼう!
ここまで読んでくれた方は、男性は「鉄なし」女性は「鉄あり」のマルチビタミンを選ぶ理由がわかったと思います。
最後にもう一度確認しましょう。
まとめ
• 男性は、食材から必要量が足りているので「鉄」のサプリは必要ない
• 日本人女性の8割は「鉄不足」なので、食材とサプリから「鉄」を積極的に摂取する必要がある
「鉄」は、体内で重要な働きをしているので、適切な量を摂るようにしましょう!