栄養学 栄養素解説

【脂肪の基礎知識】「良い脂肪」と「悪い脂肪」の違いってなに?

✔︎ この記事で解決できるお悩み

• 「脂肪」と「脂質」の違いってなに?

• 「脂肪」には、どんな種類があるの?

• 「良い脂肪」と「悪い脂肪」の違いを教えて!

趣味筋肉
こんな悩みを解決できる記事を書きました。

今回の記事は、筋肉博士”山本義徳”先生の書籍『アスリートのための最新栄養学(上)』を参考にしています。

 

常温で、固体の脂肪は「悪い脂肪」

常温で、液体の脂肪が「良い脂肪」

 

上記の考え方で、脂肪を摂っている人は危険ですね。

 

この記事では『良い脂肪と悪い脂肪の違い』を、誰でも簡単に理解できるように解説していきます。

最後まで読んで、サクッと理解しちゃいましょう!

 

まずは、知っておいて損はない『脂肪の基礎知識』から解説していきますね。

 

三大栄養素のひとつ「脂肪」の基礎知識

 ボクたち人間は、生きていくうえで「食事」は、欠かすことができません。

その「食事」には、いろいろな栄養素が含まれています。

 

タンパク質』『糖質』『脂質

これら3つは「三大栄養素」と呼ばれ、ボクたち人間の生命維持や身体活動などに、欠かせないエネルギー源です。

 

今回は、三大栄養素の中の「脂質」について解説していきます。

まずは、「脂質」と「脂肪」の違いから解説しますね。

 

脂肪の「構造」

「脂質」と「脂肪」の違いを解説する前に『脂肪の構造』を理解しておきましょう。

 

脂肪の構造ですが、一言で言うと『脂肪酸が集まってできたもの』です。

「タンパク質」が『アミノ酸が集まってできたもの』と、同じようなものです。

 

アミノ酸には「酸性」「中性」「アルカリ性」のものがあります

ですが、『脂肪はすべて”中性”』です。

 

脂肪酸の「酸」に、『アルカリが結合すること』によって、脂肪は中性になります。

このアルカリのことを「グリセロール(グリセリン)」といいます。

 

脂肪」=『グリセロール”1分子”+脂肪酸”3分子”』になります。

 

「脂肪」と「脂質」の違い

繰り返しになりますが、「脂肪」=「脂肪酸+グリセロール」です。

 

では、「脂質」とは何なのか?

「脂質」とは、脂肪に「リン酸」や「糖質」、「タンパク質」などが結合したものです。

 

脂肪にリン酸が結合すれば「リン脂質」となります。

そして、糖質が結合すれば「糖脂質」、タンパク質が結合すれば「リポたんぱく」というコレステロールになります。

このようなもの、すべてを含めて「脂質」といいます。

 

脂肪は大きく分けて”2種類”に分類される

「脂肪」は、大きく分けると”2種類”に分類することができます。

•(1)飽和脂肪酸

•(2)不飽和脂肪酸

それでは、ひとつずつ解説していきますね。

 

(1)飽和脂肪酸

動物性の油に多く、基本的には『常温で固体』です。

”酸化しにくい”のが特徴です。

 

少し前までは、飽和脂肪酸は「心臓に悪い」「病気になる」といわれていました。

ですが、最近の研究では『飽和脂肪酸は、病気の原因にはならない』といわれています。

 

精神科医の”藤川徳美”医師の書籍『うつ消しごはん』でも「飽和脂肪酸は積極的に摂取したほうがよい」と語っています。

ですので、バターやラード、MCTオイルなども、ムリに避ける必要はないでしょう。

 

(2)不飽和脂肪酸

植物性の油に多く、基本的には『常温で液体』です。

”酸化しやすい”のが特徴です。

 

オメガ6(n-6系)」と、「オメガ3(n-3系)」は、体にとって重要な役割をしますが、体内で作れないので「必須脂肪酸」となります

 

細かく言えば、オメガ6の「アラキドン酸」は『リノール酸から合成』できます。

そして、オメガ3の「EPA」と「DHA」は『αリノレン酸から合成』できます。

ですから、「リノール酸」と「αリノレン酸」だけを「必須脂肪酸」とすることも可能です。

 

しかし、アラキドン酸やEPA、DHAを合成する、代謝の流れはスムーズではありません。

ですので、「オメガ6」と「オメガ3」が、必須脂肪酸と呼ばれています。

 

「良い脂肪」と「悪い脂肪」の違いってなに?

上記でも少し触れましたが、「脂質」の成分である「脂肪酸」には、体内で合成できるものと、合成できないものがあります。

 

体にとって重要な役割を持つものの、体内では作ることができないため、食事から摂取する必要があるものを「必須脂肪酸」といいます。

必須脂肪酸には、リノール酸、αリノレン酸、アラキドン酸、そしてDHA、EPAがあります。

 

ここで注意が必要なのが、必須脂肪酸だからといって『良い脂肪であるとは限らない』ということです。

 

下記で、詳しく解説しますね。

 

積極的に摂ったほうがよい「良い脂肪」

・『オメガ9(オレイン酸)』

オリーブオイルやアボカドなどに多く含まれます。

 

オリーブオイルは、熱に強く、酸化しにくいです。

『オリーブオイルは健康に良い』というのは、常識的になっています。

 

米国の男性消防士「780名」を対象に、「オリーブオイルをふんだんに使う、地中海式料理でダイエット」という研究を行いました。

結果は、コレステロール値や血圧、血糖値などのリスクが35%低下し、体重増加のリスクも43%低下しました。

ほかにも、脳に良い影響を与える、腎臓疾患のリスクを低下させるなど、多くの病気のリスクを低下させることがわかっています。

そして、「GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)」という、『インスリンの働きを高めてくれるホルモンを分泌する作用』もあります。

 

・『オメガ3(αリノレン酸、EPA、DHA)』

アマニ油や青魚などに多く含まれます。

 

炎症を緩和したり、悪玉コレステロール値を下げたりしてくれます。

「EPA」や「DHA」には、体脂肪を減らし、筋肉の分解を抑制し、さらには筋肉を増やす作用もあります。

 

なるべく避けた方がよい「悪い脂肪」

・『トランス脂肪酸

人工的に、無理矢理『固体化させたもの』なので、体内での消化や分解がしにくいです。

 

そして、動脈硬化や心臓疾患などの、病気になるリスクが上昇します。

 

マーガリンやショートニングを多く含んでいる、菓子パンやスナック菓子、アイスクリーム、ファーストフードなどは、避けたほうがいいでしょう。

 

・『オメガ6(リノール酸、アラキドン酸)』

オメガ6は、酸化しやすいので、悪いエイコサノイドを作ってしまいます。

そうすると、免疫が落ちたり、血液が固まったり、炎症が起こりやすくなったりします。

 

さらには、疲労や老化の原因にもなる、過酸化脂質も増やしてしまいます。

 

「脂肪」の1日の摂取量の目安

 

脂質の目安摂取量:「総摂取カロリーの20〜30%

飽和脂肪酸:「7%以下」

オメガ3:「1.5〜2g」

オメガ6:「8〜11g」

日本人の食事摂取基準はこちら

 

ジャンクフードや揚げ物は避けましょう!

今回は『良い脂肪と悪い脂肪の違い』について、解説しました!

 

最後に簡単にまとめておきましょう!

まとめ

• オリーブオイルなどの「オメガ9」、青魚などの「オメガ3」は、『積極的に摂る』ようにする

• マーガリンやショートニングなどの「トランス脂肪酸」、サラダ油などの「オメガ6」は、『なるべく避ける』ようにする

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

この記事が、あなたの役に立つことができたなら幸いです。

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趣味筋肉(しゅみきん)

筋肉・栄養オタク|2019年JBBFメンズフィジーク県2位|フィットネスライター|筋トレ初心者でも”即実践可能な栄養学”を発信|健康的にバルクアップ・ダイエットしたい人向けの栄養記事を書いてます!|月間5万PV以上

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