この記事で解決できるお悩み
✔︎ 「アミノ酸」と「ペプチド」ってなにが違うの?
✔︎ ペプチドの種類にはどんなものがあるの?
✔︎ 「ホエイペプチド」のプロテインって必要ないの?
『筋トレは、人生を豊かにするための1つのツール』をテーマに、筋肉リテラシーを上げるためのブログを毎日更新しています!
この記事は筋肉博士”山本義徳”先生の書籍『アスリートのための最新栄養学(上)』を参考にしています。
アミノ酸は「バイク」、ペプチドは「自動車」
プロテインのパッケージに書かれている『ペプチド配合』
ペプチド配合って書かれていると、筋肉に良さそうな感じがしますよね?
この記事を読めば、『ペプチド配合なんて必要ないじゃん』となり、適切なサプリメントを選ぶことができるようになります。
「ペプチド」について分かりやすく解説しますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
「タンパク質」を分解すると「アミノ酸」や「ペプチド」になる
3大栄養素の1つである、「タンパク質」は、『アミノ酸のおにぎり』だと思ってください。
アミノ酸は「米粒」で、ペプチドは「米粒がいくつか集まったもの」で
そして、米粒が大量に集まった「おにぎり」が、タンパク質という感じです。
「アミノ酸」が2個以上になると「ペプチド」
「アミノ酸」が20個以上になると「タンパク質」
「アミノ酸」と「ペプチド」の違いとは?
「アミノ酸」と「ペプチド」の1番の違いは、『吸収効率の違い』です。
小腸や腎臓で栄養素を吸収するときは、
「アミノ酸トランスポーター」が、アミノ酸を目的地まで運びます。
そして、「ペプチドトランスポーター」が、ペプチドを目的地まで運びます。
では、アミノ酸とペプチドでは、どちらが吸収が早いのでしょうか?
エレベーターに1人で乗る場合(アミノ酸)と、複数人で乗る場合(ペプチド)はどちらが早いですか?
明らかにまとめて乗るほうが、1度に多くの人数を運ぶことができます。
このように、「アミノ酸」よりも「ペプチド」のほうが吸収速度が早くなります。
アミノ酸は、一人乗りの「バイク」
ペプチドは、複数人が乗れる「自動車」
「アミノ酸」とは
自然界には、500種類ほどのアミノ酸が存在しているといわれています。
その中でも人間に必要な、タンパク質を構成しているのは20種類のアミノ酸です。
アミノ酸は、分子内にアミノ基「-NH2」とカルボキシル基「-COOH」をもつ化合物の総称です。
グリシン以外のアミノ酸は、「L体」、「D体」という光学異性体を持ちます。
『タンパク質を構成しているのは、すべてL体』であるため、アミノ酸を表記するときにL-を省略することもあります。
「ペプチド」とは
ペプチドは、『2個〜20個のアミノ酸が集まってできたもの』です。
2個のアミノ酸が結合したものを「ジペプチド」
3個では「トリペプチド」
2~20個程度のものを「オリゴペプチド」
もっと多くのアミノ酸が結合すると「ポリペプチド」と呼ばれます。
ペプチドの「種類」
天然由来のペプチドには、大きく分けて動物由来と植物由来があります。
動物由来の原料には、ホエイ(乳清)、魚肉、ミルク、イワシなどが利用され、植物由来の原料には、海苔、大豆などがあります。
アミノ酸の種類は、数百種類以上あります。
ですので、2つ以上のアミノ酸が結合した、ペプチドは数えきれないほどあります。
一言にペプチドといっても、すべてが筋肉に良いとは限らないということです。
今回は、下記の3種類を簡単に解説します。
•(1)イミダペプチド
•(2)大豆ペプチド
•(3)魚ペプチド
それでは、一つずつ解説していきます。
•(1)イミダペプチド
イミダゾール基を含むアミノ酸が結合した、ジペプチドを「イミダペプチド」といいます。
有名なものには、ベータアラニンとヒスチジンが結合した「カルノシン」があります。
ベータアラニンとメチルヒスチジンが結合した「アンセリン」
ベータアラニンとトリメチルヒスチジンが結合したものを「バレニン」などもあります。
カルノシンやアンセリンにはリラックス効果があり、エクササイズ後の『アドレナリンやノルアドレナリンレベルを下げる作用』があります。
また、運動中の乳酸を除去したり、活性酸素の発生を抑えることにより持久力のアップ、糖化を抑える、寿命を延長するなどの効果があります。
特にアンセリンには、尿酸値をコントロールする作用もあります。
鶏胸肉やマグロ、カツオには大量のカルノシンとアンセリンが含まれます。
•(2)大豆ペプチド
大豆ペプチドは、同じ量の大豆プロテインよりも筋損傷の回復を促進します。
そのほかにも、コラーゲンの産生や抗酸化作用による紫外線からの肌のダメージ緩和、ドーパミンをふやして記憶力の向上など、脳機能改善への効果も期待できます。
•(3)魚ペプチド
魚のタンパク質を、加水分解してペプチドにしたものです。
魚ペプチドを摂取すると、血中中性脂肪が減っただけでなく、腹部や肝臓の脂肪が減少したという結果があります。
カゼイン群と比較して、アセチルカルニチンのレベル増加と脂肪合成の低下も見られました。
ほかにも、食欲を抑制する効果や血圧を低下させる効果も期待できます。
「ホエイペプチド」のプロテインは必要ない!
「WPC」に酵素を働かせて、アミノ酸の細かい繋がりまでに分解したものが「WPH」です。
別名「ホエイペプチド」とも呼びます。
タンパク質含有量としては、WPIよりも低くなります。
「WPH」は、すでに消化されている状態のため、胃腸への負担は少なくなります。
WPHは、ペプチドまで分解されていますが、ペプチドといっても大きさはいろいろです。
2つのアミノ酸からなる「ジペプチド」や3つの「トリペプチド」にまで分解されていれば、非常に消化吸収が早くなります。
ですが、それ以上大きいペプチドだと『WPIと比べてもそれほど違いはありません。』
ほとんどの「WPH(ホエイペプチド)」は、大きいペプチドが使われています。
WPHは、『タンパク質含有量も低く、価格も高い、精製されているので免疫向上物質も含まれない、吸収速度もそこまで大差ない』
特にメリットはないので、「WPH」や「ペプチド配合」というプロテインは選ぶ必要はありません。
自作できる「ホエイペプチドプロテイン」
ふつうのホエイプロテインに、消化酵素を働かせると、ペプチドに近い状態にすることができます。
「ブロメライン」という、タンパク分解酵素のサプリのカプセルを割って、プロテインに入れます。
そして、30分ほど待つと「お手軽WPH」をつくることができます。
なお、パイナップルジュースにもタンパク分解酵素が含まれるため、パイナップルジュースでプロテインを割り30分ほど待つと「WPH」が出来上がります。
ですが、上記でも説明しましたが、WPHとWPIはそこまで違いはありません。
まとめ
最後に、簡単にまとめておきましょう!
まとめ
•「アミノ酸」と「ペプチド」の1番の違いは、吸収速度の違い
•「アミノ酸」よりも「ペプチド」のほうが、吸収速度が早い
• 特にメリットはないので「WPH」や「ペプチド配合」というプロテインは選ぶ必要はない
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
この記事があなたのお役に立てたのなら幸いです