この記事を読むと分かること
- 尿の「役割と成分」
- 尿が「黄色い理由」
- 尿の「匂いの原因」
- 健常者の「尿の量」
「手軽に自分の栄養・健康状態を知りたい!」
そんな方にオススメなのが「尿の状態を確認」です。
「血液データ」
「便の状態」
これらである程度の栄養・健康状態を把握することができます。
しかし、手間のかかる血液検査や「自分の便を見るのはちょっと…」と言う人は多いと思います。
この記事を読むと、自分の尿の状態からある程度の栄養・健康状態を把握することができます。
■尿の役割と成分分布
尿の役割
- 体内の水分量の調整
- 老廃物の排出
- 電解質の濃度の調整
尿は、便や発汗と同じように重要な”排泄機能”を担っています。
◎尿の成分
尿の成分
- 水分:95%
- 尿素:1.7%前後
- ナトリウム:1.5%
- 硫化:0.3〜0.4%
- クレアチニン:0.1〜0.2%
- 尿酸:0.1〜0.2%
- アミノ酸:0.07%
- アンモニア:0.05%
■尿から分かる栄養・健康状態
ここからは、尿から分かる栄養・健康状態を解説していきます。
「血液」や「便」ほど明確に栄養・健康状態が分かるわけではありませんが、手軽に”ある程度の状態”を把握することができます。
誰もが一度は考えたことのある「おしっこは何で黄色いの?」という疑問も解決できますよ。
◎尿の色
健康体の尿の色は「黄色(淡黄褐色)」です。
いわゆる、薄い黄色です。
なぜ、黄色いのか?
黄色い理由は「胆汁の色素」です。
胆汁は、肝臓から分泌される消化液で「ビリルビン」が含まれています。
「ビリルビン」→還元→「メソビリルビン」→「ウロビリノーゲン」→酸化→「ウロビリン」※黄色い色素を持つ
また、体調の悪化や病気などで、尿の色が変わることがあります。
尿の色が変わる理由
- 淡黄褐色:正常
- 黄色/琥珀色:ビタミンB群(B2)・ウロビリン体
- 赤色/茶褐色:血尿・脱水・ヘモグロビン尿・抗生剤など
- 白濁色:膀胱炎・ネフローゼ症候群・腎盂腎炎
- 青色/緑色:抗うつ剤・麻酔薬・緑膿菌
- 茶色/黒色:メラニン尿・パーキンソン病治療薬
尿は栄養・健康状態のバロメーターになります。
変化に気づくために、日頃から尿の観察をしておくと良いでしょう。
◎尿の匂い
尿の匂いの原因
- わずかな芳香衆:正常
- 強いアンモニア臭:膀胱炎・その他の尿路感染症
- メープルシロップ臭:メープルシロップ女性
→BCAAを代謝できない病(1人/50万人) - 甘酸っぱい臭い:重度な糖尿病
- 腐敗臭:トリメチルアミン症(魚臭症)
→トリメチルアミンを分解できない
◎健常者の尿量
1日の平均的な尿の量は「1.5L前後」
夏場に外で活動する人は「2.5L程」という報告もあります。
腎臓に機能不全が見られる場合は、乏尿(300〜500mL)・多尿(2L以上)になるケースもあります。
ちなみに、水に溶ける排泄物は、腎臓で濾過されて「尿」として排出。
水に溶けない排泄物は腸を経由して「便」として排出されます。
※尿として排出される排泄物の代表例:クレアチニン・尿素
■筋肉量が多い人はクレアチニン値が高くなる
クレアチニンは、クレアチンの代謝物で筋肉で作られます。
そのため、筋肉が大きければ大きいほどクレアチニン値は高くなります。
筋肉体積あたりのクレアチニン生産量が正常なら、多少クレアチニン値が高くても問題はありません。
このような場合は「血清シスタチンC」という値から、腎臓の糸球体濾過量を逆算して改善が必要か確かめる方法があります。
■まとめ
今回は「尿」から分かる栄養・健康状態について解説しました。
尿の状態が変化すると、疾病の可能性が出てきますが、単純に「水分摂取が足りていない」というケースもあります。
尿の状態が変化した場合は、1日に"1.5L〜2L"くらいの水分を摂取してみてください。
それでも正常な尿に戻らない場合は、お医者様に診てもらうと良いでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事が、あなたのお役に立つことができたのなら幸いです。