栄養学 栄養素解説

「果糖(フルクトース)」の代謝を徹底解説!!

 

この記事を読むと分かること

・糖質の種類

・フルーツ=果糖ではない?!

・小腸からの吸収経路

・果糖(フルクトース)の代謝経路

・果糖では血糖値は上がらない?

 

趣味筋肉
栄養学を学べる日本一の学校NNC・セミナー・書籍・論文などで「栄養学」を学んでいる、栄養オタクトレーニー、趣味筋肉(しゅみきん)です。

筋肉7年目、2019年JBBFメンズフィジーク”県2位”

 

「果糖はエネルギーにならない」

「血糖値を上げないからインスリン抵抗性に繋がる」

 

このように『果糖は悪者扱い』されることが多いです。

 

実際、果糖は「積極的に摂取する必要はない」栄養素だと思います。

 

この記事では、果糖の基礎知識+代謝経路を解説しています。

記事を読むことで、果糖が吸収される過程を知ることができ、メリットを生かした果糖の摂取ができるようになるでしょう。

 

■糖質の種類

 

✓単糖類

→ 糖が1個で存在しているもの

 

・グルコース(ブドウ糖)

・フルクトース(果糖)

・ガラクトース

 

✓少糖類

→ 糖が2〜10個程度結合して存在しているもの

 

・スクロース(ショ糖)

・ラクトース

・マルトース

 

✓多糖類

→ 糖が10個以上結合して存在しているもの

 

・デンプン

・グリコーゲン

 

»【関連記事】「炭水化物」と「糖質:の違いって何?

 

◎果物(フルーツ)= 果糖ではない?!

 

よくある勘違いで「果糖=フルーツに含まれる糖質」というものがあります。

 

しかし、実際はフルーツに含まれる糖質の全てが果糖ということではありません。

 

フルーツによって「ショ糖」「グルコース」「フルクトース」の3種類の糖質のバランスが異なります。

※ショ糖:グルコースとフルクトースが1:1

 

↓↓「フルーツ100gあたりに含まれる糖質の種類」

 

ショ糖

グルコース

フルクトース

ブドウ

0

7.3

7.1

さくらんぼ

0.2

7.0

5.7

りんご

5.0

1.4

6.3

マンゴー

9.8

0.7

3.1

スイカ

1.5

1.9

4.1

洋ナシ

0.7

2.4

6.0

 

このようにフルーツの種類によって、各糖質の含有量は異なります。

 

たとえば、「りんご」の可食部は250g程度ですので、1個食べてもフルクトースの量は10〜15g程です。

 

よく言われている、インスリン抵抗性を上げる・脂肪肝の原因になる量として言われているのは「30〜40gの果糖を1度に摂取した場合」が挙げられます。

 

ですので、1回15g程度であれば全く問題ないと考えられます。

 

■小腸からの吸収経路

 

小腸から栄養が吸収されるときは「小腸粘膜上皮細胞」から体内に取り込まれます。

この小腸粘膜上皮細胞に入るためには、”輸送体が必要”になります。

 

✓グルコース・ガラクトース:「SGLT(ナトリウム依存性グルコース輸送体)」

→ ナトリウムがあることで輸送体が働く

 

✓フルクトース:GLUT5(グルコース輸送体タイプ5)」

→ 小腸粘膜上皮細胞から血管にはいるのは「GLUT2」

→血管から各細胞への輸送は「GLUT4」

 

小腸からの吸収スピードは、ナトリウム依存性のものの方が早く、GLUT5の働きはSGLTよりかなり遅い。

※フルクトースはグルコースの43%程度の速さで吸収される

 

フルクトースは吸収が速いと言われるが、小腸からの吸収で見ると、圧倒的にグルコースの方が速い。

 

◎フルクトースは吸収が速いと言われる理由

 

グルコースは小腸から吸収されて血管を通り、各細胞に運ばれます。

このとき「GLUT4」が必要です。

 

そして、このGLUT4は、”インスリン依存”です。

つまり、グルコースは、血糖値が上がることでインスリンが分泌され、はじめて、血液内の栄養を細胞に運ばれます。

 

しかし、フルクトースは違います。

 

フルクトースは、小腸から吸収されると直接、肝臓に繋がっている”門脈”という血管を通ることができます。

肝臓には、多くの代謝酵素があるため、すぐに代謝が始まります。

 

要するに、代謝が速いのは「フルクトース」、小腸からの吸収が速いのは「グルコース」ということです。

 

■ブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)の代謝経路

 

「フルクトースはエネルギーにならない」と言われますが、そんなことはありません。

 

しかし、グルコースの方が”吸収の効率が良い”というのは確かです。

 

◎ブドウ糖(グルコース)の代謝経路

 

(グルコース)

  ↓

①グルコース-6-リン酸

  ↓

②フルクトース-6-リン酸

  ↓

③フルクトース-1-6-ビスリン酸

  ↓

④ジヒドロキシアセトンリン酸

  ↓

⑤グリセルアルデヒド-3-リン酸

  ↓

⑥ホスホエノールピルビン酸

  ↓

⑦ピルビン酸

  ↓

⑧アセチルCoA

  ↓

TCA回路へ→ATP合成

 

フルクトースがエネルギーになるときは、グルコースに変わって解糖系に入り代謝が起こります。

 

◎果糖(フルクトース)の代謝経路

 

(フルクトース)

肝臓 ↓ → ①グルコース-6-リン酸

フルクトース-1-リン酸

肝臓 ↓ → ③フルクトース-1-6-ビスリン酸

     → ④ジヒドロキシアセトンリン酸

グリセルアルデヒド

肝臓 ↓ → ⑤グリセルアルデヒド-3-リン酸

グリセロール(脂質)

肝臓 ↓

トリグリセリド(中性脂肪)

 

果糖は、大きくこの4つから解糖系に入ってエネルギーを生産します。

 

そして、一部は肝臓に「肝グリコーゲン」として蓄えられます。

 

糖が足りなくなって血糖値が下がってきたときに、肝臓にある果糖を糖に変化させることができるので「糖新生が起こっているときにフルクトースは働きやすい」と言えます。

 

また、解糖系に行かなかったものは、肝臓でグリセロール(脂質)になり、最終的にトリグリセリド(中性脂肪)に変わります。

 

そのため、「脂肪肝になりやすい」、肝臓中の中性脂肪が増えることにより「インスリン抵抗性が上がる」という原因と言われています。

 

これらは、1回に果糖を30〜40g以上、1日に何回も摂るなど、継続的に摂取すると健康上に悪影響が出ると言われています。

 

◎フルクトースは血糖値を上げない?!

 

結論、フルクトースを摂っても血糖値は上がりません。

なぜなら、血糖値は「ブドウ糖(グルコース)の値」を指しているからです。

 

ですので、ブドウ糖の比率が低いフルーツは、必然的にGI値は低くなります。

※フルーツのGi値は大体20〜30程(白米のGI値:88)

 

血糖値が上がらないということは「インスリンも分泌されない」ということです。

 

なので、プロテインをGLUT4と共に運びたいときに摂取する糖として、果糖は適していないということになります。

 

■フルーツは必ずしも「悪」ではない?!

 

「みかんの摂取量「と「疾病のリスク」の研究

 

研究:6,000名を対象にしたコホート研究

 

内容:みかんを食べる量が、①週に2〜3回、②毎日1〜3個、③毎日3個以上

 

結果:みかんを食べる量が増えるほど、糖尿病・高血圧・心臓病・痛風のリスクが低下した

 

考察:柑橘系に含まれるカロテノイド「βクリプトキサンチン」の抗酸化作用・抗糖化作用などの働きにより、生理的バロメータを改善させたのでは?

 

結論:フルーツにはカロテノイドやポリフェノール、ビタミン・ミネラルを豊富に含むため、フルクトースの含有率によっては、デメリットよりも微量栄養素のメリットが上回るケースもある

 

»【関連記事】高齢者・筋肥大した人にオススメ!!「βクリプトキサンチン」

 

■まとめ

 

今回は「果糖」の吸収・代謝経路を解説しました。

 

エネルギー効率の悪さ・肝脂肪・インスリン抵抗性などのデメリットを考えると、果糖は必要ないかと思います。

 

しかし、”フルーツ”としての果糖の摂取は微量栄養素のメリットがあるので「果糖が絶対にダメ」ということではありません。

 

「1回30〜40gの果糖を毎日摂取」

 

このようなことがなければ健康上問題ありませんので、上手に果糖と付き合っていくと良いでしょう。

 

要点まとめ

・フルーツは「ショ糖」「グルコース」「フルクトース」の3種類の糖質を含む

・30〜40gの果糖を1度に摂取した場合、これを継続的に行うと疾病に繋がる

・代謝が速いのは「フルクトース」、小腸からの吸収が速いのは「グルコース」

・果糖は血糖値を上げない

・フルーツとしての摂取はデメリットを上回るメリットがある

最後まで読んでいただきありがとうございます。

この記事が、あなたのお役に立つことができたのなら幸いです。

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筋肉・栄養オタク|2019年JBBFフィジーク県2位|フィットネスライター|筋トレ初心者でも”即実践可能な栄養学”を発信|健康的にバルクアップ・ダイエットしたい人向けの栄養記事を書いてます!|月間1万PV以上

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