この記事を読むと分かること
・1Dayカーボサイクルとは?
・3種類のカーボサイクルの方法
・本当に日中にエネルギーが必要なのか?
・夜に炭水化物を摂ってもよい理由【参考論文あり】
ダイエット・減量中の”よくある悩み”に「炭水化物の摂取方法」があると思います。
「夜は炭水化物を摂らないほうがいいのかな?…」
このような悩みを、誰もが1度は経験したことがあるのではないでしょうか?
この記事では、減量を効率よく進めるために1日の中で「どのように炭水化物を摂取すべきなのか?」を”3つのパターン”に分けて紹介しています。
記事を読み終えると、炭水化物の摂取方法で悩むことがなくなり、減量を加速させることができます。
■1Dayカーボサイクルとは?
1Dayカーボサイクルを一言で説明すると、「1日の中で摂取する炭水化物の割合を”目的別で変える”こと」です。
ダイエット・減量している人の「現在の体型・目的・環境」で、摂取する炭水化物の「ベストな量・割合・タイミング」は異なります。
また、トレーニングを1日のどのタイミングで行うのかも重要なポイントです。
上記のポイントを考えて”3種類の1Dayカーボサイクル”を紹介します。
※1日に「”300g”の炭水化物を”4回”に分けて摂取する」と仮定して解説します。
■①「均等型」カーボサイクル
(初心者向け)
「均等型」:全ての食事において、同じ量の炭水化物を摂取する方法
1日に300gの炭水化物を摂る場合、「1食75gを4回」摂る計算になります。
◎メリット・デメリット
✓「均等型」のメリット
・自炊や外食に関わらず、炭水化物を選ぶのが簡単
・夜でも炭水化物を摂取できるので睡眠時に血糖値が低くなりづらく、入眠がスムーズかつ睡眠の質も良い状態をキープできる
✓「均等型」のデメリット
・炭水化物が「必要なタイミング」と「不要なタイミング」を加味した栄養摂取ができない
■②「ピラミッド型」カーボサイクル
(中級者向け)
「ピラミッド型」:朝から夜にかけて、徐々に炭水化物の量を減らしていく方法
よくあるパターンは、活動量の多い午前中に炭水化物を多めに摂取して、午後にかけて減らしていくという方法です。
✓1日の炭水化物の摂取量の「例」
例1)1食目:100g、2食目:80g、3食目:80g、4食目:40g
例2)1食目:90g、2食目:80g、3食目:70g、4食目:60g
例3)1食目:90g、2食目:90g、3食目:90g、4食目:30g
◎メリット・デメリット
✓「ピラミッド型」のメリット
・エネルギー消費が多い日中に、たくさんのエネルギーを摂取できる
・朝の血糖値が低い状態になるので「※ファストカーディオ」を効率的に行える
※ファストカーディオ:早朝に行う有酸素運動
✓「ピラミッド型」のデメリット
・夜の炭水化物の摂取量が少ないため、血糖値が下がり睡眠の質が落ちやすい
・摂取量を細かく計る必要がある
■③「需給バランス型」カーボサイクル
(上級者向け)
「需給バランス型」:トレーニングのタイミングを加味して炭水化物量を変える方法
1日の流れ
①1食目は、1日の活動量を担保するために多くのカーボを摂取
②トレーニング前は、多くの炭水化物は必要ないため、朝に上げた血糖値を維持するくらいでいい
→ むしろ、トレーニング中は、胃に物があると消化不良を起こしてしまう可能性がある
③トレーニング後は、”筋肉量を維持”するために筋グリコーゲンを補充する必要がある
→ 筋グリコーゲンが枯渇している時間は、筋分解が起こりやすい状態といえるので、トレ後は多めに炭水化物を摂取した方がよい
✓1日の炭水化物の摂取量の「例」
例1)1食目:90g、2食目:60g、トレーニング、3食目:75g、4食目:75g
例2)1食目:90g、2食目:60g、トレーニング、3食目:90g、4食目:60g
◎メリット・デメリット
✓「需給バランス型」のメリット
・目的に応じて、ピンポイントでカーボ量を調節できる
✓「需給バランス型」のデメリット
・自分に合った炭水化物の量を1食ごと把握する必要がある
・経験とテクニックが必要
・炭水化物を計算して準備するのが大変
・トレーニングのタイミング・部位で摂取量を変える必要がある
■日中にエネルギー消費が高いって本当なのか?
安静時や歩くレベルの運動のメインのエネルギー源は、基礎代謝で代謝する物質の中性脂肪、いわゆる「脂質」です。
ですので、午前中の炭水化物量が少なかったとしても問題ありません。
特に、体脂肪率が高い人(15%以上)は、午前中に大量の炭水化物を摂取する必要はないです。
しかし、減量末期で体脂肪率が6〜8%くらいになってきた人は、体のエネルギーが枯渇している状態なので上記で紹介した「ピラミッド型」は有効な方法になります。
■夜に炭水化物を摂取しても脂肪にならない?!
「BMAL1」というタンパク質が、夜中の1〜2時に増加して「体脂肪の増加に寄与する」と言われています。
しかし、BMAL1は、”脂肪”を使って体脂肪を合成して蓄えるという働きをします。
つまり、「夜に摂った糖質が全て体脂肪になるわけではない」ということです。
ただ、筋グリコーゲンのタンクから大幅に溢れる炭水化物を摂取した場合、体脂肪として貯蔵されるリスクはあります。
◎トレ後の筋グリコーゲンの上限【参考論文あり】
参考論文:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/60/5/60_5_493/_pdf
✓研究内容
自転車エルゴメーターを「4分×4回=16分間」全力で漕いだあとの、筋グリコーゲンの消費量を測定
✓結果
19名の被験者のうち、平均で”約60%”の筋グリコーゲンが消費された
✓グリコーゲン貯蔵量の目安
・体重:60kg
・体脂肪率:18%
・肝グリコーゲン:85〜100g
・筋グリコーゲン:230〜250g
これらを加味すると、トレーニングで失われるグリコーゲン量は「約144g(60%)」になります。
つまり、トレーニング後は、筋グリコーゲンを満たすために「144gの糖質を摂取する必要がある」ということです。
実際には、口から糖質を摂取しても、消化の際に発生するロスやグリコーゲンにならなかった糖質もあります。
ですので、ダイエット・減量のフェーズによりますが、ほとんどの場合は「夜に炭水化物を摂取しても問題ない」と言えます。
■まとめ
今回は、減量を加速させる「1Dayカーボサイクル」を解説しました。
ダイエット・減量中は、炭水化物の摂取方法に悩む人は多いと思います。
現在の体型・目的・環境で摂取方法を異なりますので、今回の内容をぜひ参考にしてください。
要点まとめ
✓3種類の1Dayカーボサイクル
①「均等型」
→ 全ての食事において、同じ量の炭水化物を摂取する方法
②「ピラミッド型」
→ 朝から夜にかけて、徐々に炭水化物の量を減らしていく方法
③「需給バランス型」
→ トレーニングのタイミングを加味して炭水化物量を変える方法
✓カーボサイクルのポイント
・日中の活動の主なエネルギー源は「脂質」
・トレーニング後なら夜に炭水化物を摂取しても問題ない
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事が、あなたのお役に立つことができたのなら幸いです。