この記事で解決できるお悩み
✔︎ 「タンパク質の摂取量は50gで十分」と言われている理由が知りたい!
✔︎「アミノ酸プール」ってなに?
『筋トレは、人生を豊かにするための1つのツール』をテーマに、筋肉リテラシーを上げるためのブログを毎日更新しています!
この記事は筋肉博士”山本義徳”先生の書籍『アスリートのための最新栄養学(上)』を参考にしています。
細胞は、常に「破壊」と「建設」が行われている
この記事では、厚生労働省が『なぜ、タンパク質の摂取基準を50gに設定しているのか?』簡単に解説しています。
分かりやすく解説しますので、サクッと理解してください!
厚生労働省が定める1日に必要な「タンパク質の摂取基準」が「50g」の理由とは?
1日に必要なタンパク質の量を、厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」で見てみましょう。
『日本人の食事摂取基準(タンパク質)』(2020年版)
※年齢や性別、妊婦、授乳中で必要量は多少の違いがあります。
厚生労働省は、17の研究を平均して、タンパク質の維持必要量は『1日に、体重1kgあたり0.65g』と定めています。
これを、体重70kgで計算すると「45.5g」になります。
ですので、タンパク質の「1日の摂取量は50gで十分だ」といわれています。
それでは、どのようにして「50g」という数字が出されたのか、解説していきます。
「異化(カタボリック)」と「同化(アナボリック)
わたしたちの細胞は、常に入れ替わっています。
筋肉だけでなく、皮膚や爪、髪、脂肪など、すべての細胞は『破壊と建設が不断に行われている』のです。
これを「代謝回転」と呼びます。
細胞を破壊する作業を「カタボリック(異化)」といい、
そして、新しく細胞をつくる作業を「アナボリック(同化)」といいます。
身体が大きくなる場合は、「アナボリック」が「カタボリック」を上回っている状態です。
ダイエットをして脂肪が減っている場合は、「脂肪細胞」の「カタボリック」が「アナボリック」を上回っているということです。
アミノ酸を蓄える「アミノ酸プール」
なにもしない場合は、『アナボリックとカタボリックは同じ量』になり、体重は維持されます。
✔︎ 成人男性の「アナボリックとカタボリックの量」
• 筋肉と皮膚で「32g」
• 肝臓で「23g」
• 血清で「22g」
• ヘモグロビンで「8g」
• 骨や心臓、腎臓などで「165g」
つまり、「250g」近くのタンパク質が、体内で毎日分解されているということです。
血液や肝臓には、カタボリックで分解されたアミノ酸をプール(貯める)されています。
これを「アミノ酸プール」と呼びます。
この「アミノ酸プール」がアナボリックで再利用され、その割合は、だいたい「70〜80%」とされています。
体内の再利用で足りない分が「50g」
分解されたタンパク質の『80%が再利用される』と仮定します。
そうすると、250gの80%ですので「200g」は、アナボリックで再利用されるということになります。
つまり、残りの「50g」を食事から補えば良いということになります。
これを、体重別で平均的に計算すると、最初に説明した『1日に、体重1kgあたり0.65g』となるのです。
ちなみに、「タンパク質の耐容上限量」は、『設定し得る明確な根拠となる報告が十分ではない』とのことで、設定されていません。
つまり、現時点では、タンパク質の過剰摂取となる根拠は存在しないということです。
まとめ
「タンパク質の摂取基準」が「50g」と言われている理由は、理解できましたか?
今回解説した、1日に必要なタンパク質「50g」というのは、筋トレや運動をしていない人の最低限の量です。
筋トレや運動をしている人は最低でも、「体重×2g」摂りたいですね。
下記の記事で、科学的根拠に基づいたタンパク質の摂取量を解説しています。
最後に、簡単にまとめておきましょう!
まとめ
• 厚労省が定める、タンパク質の維持必要量は『1日に、体重1kgあたり0.65g』
• 体内では、常に破壊と建設「カタボリック」と「アナボリック」が行われている
• 「アミノ酸プール」により、破壊されたタンパク質のうち「200g」は再利用されている
• 筋トレや運動をしている人は、最低でも「体重×2g」のタンパク質は摂取したい
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
この記事が、あなたのお役に立てたのなら幸いです。