この記事を読むと分かること
- 味覚障害とは?
- 味覚が働かなくなる5つの原因
- 味覚障害に対する栄養学的アプローチ
「全然、味がしない…」
「なんか味がおかしいなぁ…」
このような『味覚障害』を経験したことありませんか?
味覚障害は、何かしらの疾病(風邪、インフルエンザなど)と併発して感じる場合がほとんどです。
これらは、ほとんどの場合、時間とともに改善されます。
しかし、1〜2週間継続して味覚が鈍くなることも…
この記事では、味覚が上手く働かなくなるの”5つの原因”を紹介しています。
味覚障害の原因を知ることで、栄養学的アプローチが可能になり、食事をおもいっきり楽しむことができるようになります。
この記事は、下記の論文を参考に解説しています。
参考論文:https://www.mdpi.com/2072-6643/12/11/3284/htm
■味覚障害とは?
味覚障害とは、味に対する感度が低下したり、感じなくなったりする症状のことです。
何を食べても不味い、何も食べていないのに苦味や塩味を感じる「味覚異常」も、味覚障害の1つです。
人間の三大欲求「食欲」「睡眠欲」「性欲」
三大欲求の中でも”食欲”は、QOLを支えるのに非常に重要です。
そのため、味覚障害を抱えている人は、なるべく早く改善した方がいいでしょう。
◎味覚障害の症例数は意外に多い?!
✓味覚障害の症例数
- 2003年:日本人の24万人が発症
- 2019年:日本人の27万人が発症
味覚障害の症例数が増えている理由は、高齢者が増えているためです。
■味覚を感じるメカニズム
✓味覚を感じるメカニズム
「食物」を摂取
↓
水分に溶けた一部が舌の上皮細胞の「味孔」に入る
↓
味孔の先にある「※味蕾」に到達する
↓
味蕾のあとに「味神経」に到達
↓
どんな味のものを食べているのか「脳」が判断する
※「味蕾」で、甘味・塩味・苦味・酸味・旨味のどれに当てはまるのか判断しています。
◎味蕾の数は年齢で変化する
✓味蕾の数
- 乳幼児:8,000〜12,000個
- 成人:5,000〜8,000個
- 高齢者:3,000個前後
味蕾の数は、年齢とともにに減少していきます。
そのため、高齢になると味覚を感じにくくなるのは「しょうがない」とも言えます。
子供から大人になると”味覚が変わる”ことがありますが、味蕾の減少も1つの要因です。
◎味蕾が上手く働かなくなる”5つ”の原因
①「水分」の不足
口の中の水分量が少ないと、味孔から味の成分が入りにくくなり、味蕾が上手く働きにくくなります。
しかし、口の中の水分量が急激に少なくなることは、「突発的な状況以外では起こりにくい」と考えられます。
②「亜鉛」の不足
味蕾が働かなくなる一番の原因は、”亜鉛の不足”です。
亜鉛が不足すると、味蕾の代謝が行えなくなるためです。
- 亜鉛の1日の推奨摂取量:男性11mg、女性8mg
- 亜鉛を多く含む食材の代表例:牡蠣
※牡蠣1個分:2.8mgを含む(男性なら4個、女性なら3個)
③「ビタミンB12」の不足
ビタミンB12が不足すると、舌が赤くなり味覚を感じにくくなります。
また、関連症として”舌の粘膜萎縮”が起こる可能性もあります。
④「ビタミンB2」の不足
ビタミンB2が不足すると、”口内炎”の原因になります。
口内炎を起こすと、痛みで味を感じにくくなります。
⑤「鉄」の不足
鉄が不足することで味蕾の反応が悪くなるケースもあります。
◎抗がん剤を投与している方
抗がん剤治療をしている方は、味覚を感じにくくなると言われています。
理由は、抗がん剤が亜鉛の吸収を阻害するためです。
医者によっては、抗がん剤治療している方に亜鉛を投与することもあります。
まとめ
味覚障害になったとき、最初に疑うべき要因は
- 亜鉛の不足
- 亜鉛の吸収障害
これら2つです。
年齢とともに、ある程度の味覚障害はしょうがないと言えます。
しかし、「明らかに味覚がおかしい」と感じた場合は、上記の2つを確認してみてください。
要点まとめ
要点まとめ
味覚障害の原因
- 味蕾の減少
- 水分不足
- 特定の栄養素の不足
味覚障害を改善する栄養摂取
- 亜鉛
- ビタミンB12
- ビタミンB2
- 鉄
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事が、あなたのお役に立つことができたのなら幸いです。