この記事を読むと分かること
・記憶力を上げる栄養素
・記憶力を上げる可能性のある栄養素
学生の方なら「試験勉強」
社会人の方なら「昇進試験」など
「短期的に記憶力を上げたい!」
このように考えている人は多いことでしょう。
実は、短期的に”記憶力を向上”させる栄養素は存在します。
この記事では、科学的根拠をもとに“記憶力を向上させる栄養素“を3つ紹介します。
「直近で記憶力を必要とするイベントがある」「日頃の勉強の効率を上げたい」という人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
■記憶力と論理的思考力
前提として、物事を暗記する「記憶力」と、記憶している情報から理論的に物事を組み立てる「論理的思考力」は、”別物”と考えてください。
また、「脳の容量が大きい」=「記憶力や論理的思考力が高い」
このように言われることがありますが、これらにも”相関関係”はありません。
✓2018年の研究
→ 45歳以上の男女4,213人の食事の質をガイドラインに基づき0〜14点で評価
結果:0点と14点の人を比べると脳の容量に2mlの違いがあったが、記憶力・論理的思考力に差はなかった。
■記憶力を向上させる栄養素”3選”
「栄養摂取で記憶力を向上させることは可能なのか?」
結論:エビデンスベースで見て、「短期的に記憶力を向上させる栄養素は存在する」と言えます。
記憶力を向上させる栄養素3選
①糖
②カフェイン
③DHA
①糖
糖の摂取によって「記憶力・論理的思考力の両方が向上する」と言われています。
✓1996年の研究
→ 20歳の女性186人に対して、物語を聞かせてどれだけ覚えているか“血糖値ベース“でテストした
結果:血糖値が65mg /dlの方は、130mg /dlの方に対して記憶力が低かった
→ 60〜80歳代の女性に対して「サッカリン」と「サッカリン+ブドウ糖」の摂取で比較
結果:「サッカリン+ブドウ糖」のグループは、記憶力と文章作成能力(論理的思考力)が向上した
※サッカリン=血糖値を向上させない人工甘味料の一種
「甘味料の甘味が、”ブドウ糖と錯覚”して脳機能が向上するのか?」
この疑問に関しても「ブドウ糖を摂取しないと脳機能は上がらない」ということが分かっています。
↓↓参考論文
https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_000860.html
②カフェイン
特に、”早朝のカフェイン”が「記憶力の向上に効果がある」と言われています。
✓カフェインの摂取によって、脳内の海馬が活性化される
→ 活性化までに”24時間かかる”ので、すぐに脳機能を向上させない
→ カフェインを摂って5〜10分でテストをしても効果はない
✓複数の絵を覚えさせて、カフェインを摂取してから24時間後に類似した絵を見せて覚えているか確認
→ カフェインを摂取することで同じ絵を選択する人(正解者)が多かった
※カフェインは論理的思考力が上がるというデータはなく「記憶力のみ向上させる」ということが分かっています。
③DHA
✓2015年の研究
→ 18歳以上の方を対象にDHAを摂取させ脳機能を研究
結果:DHAは「元々の記憶力に関わらず改善される」と報告されている
※上記で紹介した①糖、②カフェインは「記憶力が下落している方に恩恵が大きい」と報告されている
✓摂取方法
→ DHAを摂取するときは「EPAを一緒に摂る + オメガ6に対してのDHA・EPA比を上げる」ことが大事
つまり、DHAを摂っていても、他の脂質の割合が多すぎると作用しにくいと考察される
※DHAに関しても論理的思考力は向上せず「記憶力のみが上がる」ということが分かっています。
◎その他
・鉄分
→ 酸素の供給ができて脳機能が向上する
・ビタミンB群
→ 代謝機能が上がることで脳機能が上がる
・ホスファチジルコリン
→ 神経伝達物質を活性させて脳機能が上がる
これらは、記憶力の向上に効果があると言われているものです。
しかし、上記で紹介した①糖、②カフェイン、③DHAと比べると「エビデンス的に弱い」と言えます。
■まとめ
今回は、記憶力を向上させる栄養学的アプローチを紹介しました。
糖・カフェイン・DHAは、エビデンスベースで見ても「記憶力の向上に効果的」と言えます。
「短期的に記憶力を向上させたい!」
このような人は、ぜひ参考にしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事が、あなたのお役に立つことができたのなら幸いです。