ハッキリ言って「ただの水」
この記事を読むと分かること
- 炭酸水が体に悪いと言われる理由
- 炭酸水の生理学的メリット
- こんな人は避けたほうがいい
筋トレ歴6年、2019年JBBFメンズフィジーク”県2位”
栄養の学校NNCやセミナー、書籍、論文などで「栄養学」を学んでいる、栄養オタクトレーニーです。
「炭酸水」 = 二酸化炭素 + 水
「炭酸水は”二酸化炭素を含んでる”から体に悪そう」
「炭酸水は”腸の働きを活発”にするから健康に良い!」
結局、どっちなんだい!!?
このように思う人が多いと思います。
炭酸水を飲む習慣のある人も飲んだことない人も、読んで損は無い内容になってますので、ぜひ最後まで読んでみたください!
■炭酸水が体に悪いってホント?
炭酸水は「水」に「二酸化炭素」が溶けた、弱酸性の飲料です。
- 「炭酸水」のpH:4.0〜5.0程度(弱酸性)
- 「水道水」のpH:6.8〜8.1程度(水道局が発表している)
- 「人間の体内」のpH:7.4程度
※ pH:体内が「アルカリ性」に傾いているのか「酸性」に傾いているのかを表す指標のこと
結論から言うと、炭酸水は「水よりは体に良い可能性がある」です。
炭酸水は「酸性だから体に悪い」と思われていますが、そんなことありません。
なぜなら、人間の体は炭酸水の弱酸性くらい、唾液と胃液で中和できるからです。
ですので、「酸性だから」というデメリットは、ほとんど無いと言っていいでしょう。
◎「骨」を減らしてしまう?
「炭酸禁止!!」
「骨が溶けてもろくなるぞ」
運動部だった人は、このようなことを言われた経験があるかと思います。
ですが、実際のところ「炭酸で骨が溶ける可能性はほとんど無い」と言っていいでしょう。
2006年に発表された研究では、「炭酸水」と「骨が溶ける」のには相関関係がなかったと結論づけています。
ただ、糖を含んだ炭酸水の場合は「骨密度が少し減った」という結果になっています。
要するに、糖の含まれない純粋な炭酸水なら、骨を減らす心配は無いということです。
◎「胃」を刺激してしまう?
インドの古典医学「アーユルヴェーダ」では、炭酸水は「少なからず胃に影響がある」とされています。
しかし、世界的には「健康に害を及ぼすまでには至らない」ということが、研究や論文、レビューでの総評です。
◎「歯のエナメル色素」を溶かす?
炭酸水は弱酸性なので、少なからず影響はあると思います。
炭酸を含まない清涼飲料水と比べると、歯のエナメル色素は溶けやすいと言えるでしょう。
しかし、イギリスの研究では、炭酸水程度の「酸」で歯のエナメル色素を溶かすのかは懐疑的だとしています。
◎「ナトリウム濃度」が高い?
炭酸水はナトリウム濃度は高くありません。
「水」を比べると、炭酸水のナトリウム濃度は高いと言えます。
しかし実際は、炭酸水には100mlあたり1.18mg程度しかナトリウムは含まれていません。
ナトリウム(塩)の1日の推奨摂取量は3,000mg前後(7〜8g)です。
どう見ても、誰が見ても、ナトリウム濃度は高くないと言えますよね。
■炭酸水の生理学的メリットとは?
炭酸水の悪いところは「歯のエナメル色素を溶かすかも」くらいでした。
ここからは、炭酸水の生理学的メリットを紹介していきます。
炭酸水には、生理学的メリットはあるものの「避けたほうがいい」という人もいるので、それも紹介します。
◎3つの生理学的メリット
①「嚥下運動」の活性化
嚥下(えんげ)運動とは、食べ物を飲み込むときに発生する運動のことです。
お年寄りに多く見られますが、この嚥下運動が弱くなる人を「嚥下障害」といいます。
この嚥下障害の人や食事中にむせる人は、食事の前に炭酸水を飲むことにより、嚥下運動を活性化し、食べ物を飲み込みやすくすることが期待できます。
②「便秘」を改善する
炭酸水を飲むと、蠕動運動が活発になります。
「蠕動運動(ぜんどううんどう)」とは、食べ物が胃から腸に送られるとき、腸が収縮・拡張を繰り返す運動のことです。
炭酸水を飲むと、蠕動運動が活発になるので、便秘の改善になります。
③「膨満感」を得ることができる
特にダイエット中の人に効果的ですが、膨満感を得ることができます。
膨満感を得ることにより、満腹感も満たされ、ストレスなくダイエットが行えるということです。
◎消化を促進?抑制?
人間での研究ではありませんが、抑制よりは促進する可能性のほうが高いとのことです。
「炭酸水は消化を促進するかも」くらいですかね。
ただ、糖や人工甘味料が添加された炭酸水は、腸内環境を悪くする可能性があるので、消化に良いとは言えません。
消化の促進が目的なら、味のない純粋な炭酸水にすると良いでしょう。
◎こんな人は炭酸水を避けたほうがいい
炭酸水にはほとんどデメリットがありませんが、避けたほうがいいという人もいます。
炭酸水を飲むと、発生したガスが胃に溜まります。
このガスは膨満感を得ることができるので、ダイエット中の人にはメリットに働くものの、逆にデメリットになってしまう人もいます。
- 運動中の水分摂取
- 胃潰瘍をもっている
- 胃酸が逆流しやすい
- 過敏性腸症候群をもっている
上記に当てはまる人は、ガスの影響を受けてしまうので、炭酸水はなるべく避けるのが無難でしょう。
■まとめ【純粋な炭酸水なら水と大差ない】
今回は、炭酸水が体に悪いと言われる理由と生理学的メリットを解説しました。
結論は、ほとんどの人にとって「炭酸水」と「水」は大差が無いですね。
ですので、炭酸水が好きだから飲む、メリットを狙って飲む、こんな感じで取り入れてもらえばいいと思います!
ただし、糖や人工甘味料を含んだ炭酸水は別物なので注意が必要です。
◎要点まとめ
最後に簡単にまとめておきます。
要点まとめ
- 炭酸水の「酸性」は体内で中和させるので悪影響はない
- 「骨」には悪影響なし
- 「胃」には、多少の刺激を与える
- 「歯」のエナメル色素が溶けるかは懐疑的
- 「ナトリウム濃度」は高くない
- メリットは、嚥下運動の活性化、便秘の改善、膨満感
- 運動中や「胃」に何かしら問題のある人は避けるのが無難
- 「炭酸水」と「水」は大差ない
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事があなたのお役に立つことができたのなら幸いです。