栄養学

「解糖系」を徹底解説!エネルギー産生を最大化!

 

速い解糖」と「遅い解糖」

 

趣味筋肉
栄養学を学べる日本一の学校NNC・セミナー・書籍・論文などで「栄養学」を学んでいる、栄養オタクトレーニー、趣味筋肉(しゅみきん)です。

筋肉7年目、2019年JBBFメンズフィジーク”県2位”

 

この記事を読むと分かること

・解糖系とは?

・嫌気的代謝と好気的代謝

・解糖系に関与する「補酵素」

・乳酸と疲労の関係

・解糖系の抵抗因子

 

人間には、大きく3つのエネルギー供給機構が存在します。

 

①ホスファゲン機構

②解糖系

③酸化機構

 

この中でも、糖質を主なエネルギー源とする「解糖系」について徹底解説していきます。

 

解糖系を理解することで、エネルギー産生を最大化でき、スムーズな代謝を行うことができるようになります。

 

■解糖系とは?

 

解糖系を一言で説明すると、糖質(グルコース)からピルビン酸乳酸を生成する代謝経路のことです。

 

糖質を代謝することで、体を動かすエネルギー源の「ATP(アデノシン三リン酸)」が作られます。

 

また、解糖系には、「速くATPを作れる機構」と「ゆっくりATPを作る機構」に分けられます。

 

◎速い解糖と遅い解糖

 

速い解糖

乳酸を産生しながらATPを作る。別名「嫌気的代謝」と言う。酸素を使わない代謝。

→ 無酸素運動

 

遅い解糖

ピルビン酸からアセチルCoAに変換して、クエン酸回路に送りATPを作る。別名「好気的代謝」と言う。酸素を使ってエネルギーを作る代謝。

→ 有酸素運動

 

◎糖質の代謝経路

参考:https://www.nutri.co.jp/nutrition/keywords/ch2-2/keyword1/

 

グルコースからピルビン酸までの流れが「嫌気的代謝」と言われるものです。

①グルコース
 ↓
②グルコース−6−リン酸
 ↓
③フルクトース−6−リン酸
 ↓(ホスホフルクトキナーゼ)
④フルクトース−1−,6−ビスリン酸
 ↓
⑤グリセルアルデヒド−3−リン酸
 ↓
⑥1,3−ビスホスホグリセリン酸
 ↓
⑦3−ホスホグリセリン酸
 ↓
⑧2−ホスホグリセリン酸
 ↓
⑨ホスホエノールピルビン酸
 ↓
⑩ピルビン酸

 

ブドウ糖1つから、2molのATPが作られます。

 

そして、クエン酸回路の中で2molのATPが「好気的代謝」で作られます。

 

クエン酸回路で作られた電子は、電子伝達体に運ばれ、34molのATPが作られます。

 

◎速い解糖ほどエネルギーは少量しか作れない

 

糖質の代謝経路を見ると分かりますが、速い解糖(嫌気的代謝)で作られるエネルギーは、「速いけど少量しか作れない」という特徴があります。

 

クレアチンを材料にする「ホスファゲン機構」もそうですが、スピーディーな機構ほどATP合成の効率が悪くなります。

 

しかし、”数秒〜1分くらい”の運動で、爆発的なエネルギーが欲しい場面では、7〜8割が糖質からのエネルギーが使われます。

 

ですので、いかに解糖系のエネルギー供給をスムーズにできるかが、パフォーマンスの向上には重要なポイントになるのです。

 

»【関連記事】ホスファゲン機構を理解してエネルギー産生を最大化せよ

 

◎代謝には「補酵素」が必要

 

解糖系の代謝で、特に重要なのが、「③フルクトース−6−リン酸」から「④フルクトース−1−,6−ビスリン酸」に変わる過程です。

 

この過程での酵素反応では、「マグネシウム」を必要とします。

 

エネルギーを作るときは、「糖だけ摂っていればいい」と考えがちですが、ビタミン・ミネラルなどの「補酵素」も重要になるのです。

 

◎解糖系に関与する「補酵素」

 

繰り返しになりますが、エネルギーの材料の「糖」だけ摂っていても、効率良く代謝することはできません。

 

代謝をサポートする「補酵素」が必要です。

 

✓「代謝」に重要な補酵素

・NAD(ナイアシン)

・ビタミンB1

・ビタミンB6

・ビオチン

・パントテン酸 など

 

また、これら補酵素(ビタミン)が使われるためには「活性型」になる必要があります。

 

活性型になるために必要なのが「マグネシウム」「鉄」などのミネラルです。

 

ですので、運動パフォーマンスを高めたい人は、ビタミン・ミネラルは積極的に摂って欲しい栄養素です。

 

■乳酸と疲労の関係

 

「運動をすると乳酸が溜まって疲労の原因になる」

 

このようなことを聞いたことがあると思います。

 

しかし、乳酸は、疲労の直接的な原因ではありません。

 

◎乳酸は疲労の原因ではない?!

 

運動をすると乳酸が溜まる、ということは事実です。

 

しかし、今の科学では「乳酸は直接的な疲労の原因ではない」とされています。

 

ですが、「乳酸は直接的な原因にはならないものの、間接的には関係している」としています。

 

◎疲労の原因は「水素イオン」

 

乳酸が直接的な疲労の原因ではないなら、何が疲労の原因なのか?

 

疲労の原因は、「水素イオン」です。

 

運動をすると、乳酸が発生します。

 

この乳酸は、乳酸イオンと水素イオンの総称のことを言います。

 

つまり、「乳酸が増える=水素イオンも増える」ということです。

 

◎水素イオンが増えると体が酸性に傾く

 

水素イオンが増えると疲労を感じる理由は、体内のpHが酸性に傾くためです。

 

体内のpHが酸性に傾くことにより、筋出力が下がっていきます。

 

※pH:酸性かアルカリ性かを示す数値

 

◎pHが下がると筋出力が下がる理由

 

水素イオンが増えて、体内のpHが酸性に傾くと、筋出力は下がります。

 

なぜなら、筋肉が収縮するときは、「カルシウムイオンとトロポニンが結びついて、最終的に筋繊維が収縮しているから」です。

 

pHが酸性に傾いているときは、カルシウムイオントロポニンの結びつきが弱くなります。

 

つまり、乳酸が溜まって水素イオンが増え、pHが酸性に傾くと、筋出力が落ちて疲労の原因になるということです。

 

◎pHが酸性に傾くことにより酵素反応が悪くなる

 

体内のpHが酸性に傾くと、筋出力が落ちるだけでなく「酵素反応」も悪くなります。

 

代謝酵素、補酵素の反応が悪くなると、もちろん代謝が悪くなります。

 

つまり、ATPの供給スピードが落ち、ATPが足りない状態になり、疲労につながるのです。

 

■解糖系の抵抗因子

 

下記で紹介するものは、解糖系の働きを悪くしてしまう要因になるものです。

 

「運動パフォーマンスを上げたい」という人は、要チェックです。

 

◎抵抗因子と栄養学的アプローチ

 

✓グリコーゲンの枯渇

→ 筋グリコーゲン(400g)、肝グリコーゲン(100g)、血液中(10〜20g)を充足させる

 

✓インスリンの減少

→ アミノ酸、ビタミンC(1,000〜2,000mg)、亜鉛(12〜18mg)

これら”インスリンの材料”を充足させる

 

✓インスリン抵抗性(GLUT4の非活性)

→ マグネシウム(340〜370mg)、ビタミンD(5,000IU程度)、αリポ酸(200mg程度)、アルギニン(1,000〜2,000mg)、EGCg(400〜800mg)、EPA(1,000〜2,000mg)、亜鉛(12〜18mg)、βコングリシニン(2,000mg)

これら、”インスリン抵抗性を改善”する栄養素を摂取する

 

✓補酵素/タンパク質の不足

→ ビタミンやミネラル、酵素、インスリンの材料になるタンパク質(最低1〜1.2g/体重)の摂取

 

»【関連記事】インスリン抵抗性を改善する栄養学的アプローチ

 

■まとめ

 

今回は、3つあるエネルギー供給機構のうち「解糖系」を解説しました。

 

「エネルギーを作るためには糖質だけ摂っていればいい」

 

このように思っていた人は、ビタミン・ミネラルも意識的に摂取してみてください。

 

ビタミン・ミネラルを充足させることで、エネルギー産生が最大化でき、運動パフォーマンスを上げることが可能できるかもしれません。

 

ぜひ、今回の内容を参考にしてください!

 

◎要点まとめ

要点まとめ

・解糖系には「嫌気的代謝」と「好気的代謝」がある

・解糖系をスムーズにするためには「補酵素」が必要

・疲労の原因は乳酸ではなく「水素イオン」

✓解糖系の抵抗因子

・グリコーゲンの不足

・インスリンの減少

・インスリン抵抗性(GLUT4の非活性)

・補酵素/タンパク質の不足

最後まで読んでいただきありがとうございます。

この記事が、あなたのお役に立つことができたのなら幸いです。

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筋肉・栄養オタク|2019年JBBFフィジーク県2位|フィットネスライター|筋トレ初心者でも”即実践可能な栄養学”を発信|健康的にバルクアップ・ダイエットしたい人向けの栄養記事を書いてます!|月間1万PV以上

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