日本食は「しょっぱい」
この記事を読むと分かること
- 高血圧の数値
- 高血圧診断チェックリスト
- 各原因への栄養学的アプローチ
「ちょっと血圧が高いですね」
健康診断で、このように言われたことがある人も多いんじゃないでしょうか?
日本人の60代以上の人は2分の1、40〜50代の人は3分の1が高血圧になると言われています。
どんな人でも、高血圧になる可能性はあるので、高血圧の知識・アプローチ方法を知っておいて損はないと思います。
■高血圧とは
高血圧は、日本人の生活習慣病での死亡に、最も大きく影響する要因です。
もし、高血圧を完全に予防することができれば、「年間10万人以上の人が死亡せずにすむ」とも言われています。
◎高血圧が招く病気
高血圧は、死亡率の高い病気につながります。
たとえば、脳卒中のリスクは、高血圧の男性であれば20%も上昇してしまうと言われています。
※女性は15%
☆リスクが高まる病気
- 脳出血
- くも膜下出血
- 脳梗塞
- 腎臓病
- 心臓病 など
◎2種類の高血圧
「高血圧」には大きく2種類あります。
- 本能性高血圧
- 二次性高血圧
①「本能性高血圧」
食塩の過剰摂取、肥満、飲酒、運動不足、ストレス、遺伝的体質など、様々な原因が組み合わさって起こる高血圧です。
そのため、真の原因を特定しにくい特徴があります。
また、日本人の、8〜9割がこの「本態性高血圧」です。
②「二次性高血圧」
甲状腺や副腎などの病気が原因で起こる高血圧です。
睡眠時無呼吸症候群でも、二次性高血圧を合併することがあります。
また、日本人の、1〜2割がこの「二次性高血圧」です。
◎「収縮期」と「拡張期」
血圧には「収縮期血圧」と「拡張期血圧」があります。
☆収縮期血圧
血圧が高い状態
心臓が縮んでいるとき(収縮期)の血圧
健康診断などの数値は、この収縮期血圧の数値
☆拡張期血圧
血圧が低い状態
心臓が弛緩しているとき(拡張期)の血圧
◎高血圧の指標
〜140 | 正常 |
140〜159 | ステージ1 |
160〜179 | ステージ2 |
180〜 | ステージ3 |
これは「収縮期血圧」の値です。
健康診断で見るのはほとんどが収縮期血圧の数値なので、この数値だけ覚えておけばいいでしょう。
■あなたは大丈夫?11個のチェックリスト
高血圧は、さまざまな原因が組み合わさっているので、原因を特定しにくいと言われています。
しかし、チェックリストを使えば、なんとなく原因に目星をつけることはできるので、試してみてください。
「高血圧」チェックリスト
- 塩分の摂りすぎ
- 加齢
- 肥満気味
- 暴飲暴食
- 生活リズムの不安定
- 精神的なストレス
- 自律神経がアンバランス
- 喫煙
- 過剰な飲酒
- 運動不足
- 過度なミネラル不足
チェックリストで分かった目星から、アプローチ方法を考えると良いでしょう。
■各原因へのアプローチ方法
上記のチェックリストで、なんとなく原因に目星がついたと思います。
ここからは、各原因ごとアプローチ方法を紹介します。
◎塩分の摂りすぎ
塩分を摂りすぎると、細胞内のナトリウム濃度(体液濃度)が高まり、それを薄めるために血液内に水分を送り込みます。
その結果、体液量が増えて心臓から送られる血液も多くなり、血圧が上がるというロジックになってます。
塩分の摂りすぎに対するアプローチ方法は「減塩食」です。
通常1日の平均塩分摂取量は10g程度ですが、減塩食の場合、半分の5g程度に制限します。
減塩にプラスして、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど、他のミネラルを摂ることも重要です。
これらのミネラルを摂ることで、無駄なナトリウムを排出してくれます。
◎加齢
加齢によって血管が硬化(動脈硬化)していき、血管の柔軟性が無くなってきます。
加齢に対するアプローチ方法は「運動習慣をつける」です。
運動することにより、血管の健康を若く保つことができます。
筋力トレーニングより、有酸素運動の方が効果的です。
◎肥満気味
肥満の人は内臓脂肪が多いので、必然的に血液中の脂質も多くなります。
この脂質が血管に付着することにより、血管が細くなって血圧が上がってしまうのです。
また、肥満の人は血糖値が高い事が多いので、インスリンが過剰に分泌します。
そうすると、腎臓のナトリウムを排出する機能が低下し、間接的にナトリウム濃度が高まってしまいます。
肥満気味に対するアプローチ方法は「食事管理」です。
脂質を抑えた食事、アンダーカロリーの食事をすることが必須です。
◎自律神経の乱れ
上記のチェックリストで、精神的なストレス、自律神経の乱れ、生活リズムの不安定に当てはまった人。
☆自律神経と血圧
- 交感神経が高い:血圧が高い
- 副交感神経が高い:血圧は安定
※「交感神経」:戦闘モード
※「副交感神経」:リラックスモード
何らかのストレスがかかると「コルチゾール」が分泌して、交感神経を高めてしまいます。
また、本来眠っているときは、副交感神経が優位になるので、血圧は安定します。
しかし、生活リズムが崩れると、これまた交感神経が優位になっていまいます。
アプローチ方法は「精神的なストレスを取り除くこと」「規則正しい生活」です。
◎その他の原因
適度な運動を取り入れて生活習慣を整える、適度な運動など、基本的なことが、高血圧を改善するためには大事です。
また、お酒やタバコも血圧を上げてしまう原因になるので、控えるようにしましょう。
■DASH食・効果的な栄養素
DASH食とは、「Dietary Approaches to Stop Hypertension」の略で、高血圧を防ぐ食事法という意味です。
もともと米国で、高血圧改善のために推奨されていた食事法になります。
P:肉、魚
F:オメガ3中心
C:野菜、フルーツ、穀物
ミネラルが豊富な食材・高タンパク・低GIの穀物類
このような食材をとり、整ったPFCバランスで、アンダーカロリーに抑えるという食事方法です。
「どのような食事をしたら良いのか分からない」という人は参考にしてみてください。
◎そのほか高血圧に効果的な栄養素
☆高血圧に効果的な栄養素
- ルチン(蕎麦などに含有)
- カテキン(緑茶:EGCg)
- タウリン(腎機能改善)
- アルギニン(1日:1,000〜2,000mg)
- シトルリン(1日:1,000〜2,000mg)
- アグマチン(1日:500〜750mg)
■まとめ【生活習慣×食事管理】
今回は、「高血圧」を予防・改善するための栄養学的アプローチを紹介しました。
高血圧を予防・改善する方法は、適度な運動、規則正しい睡眠、バランスの良い食事といった、当たり前のことです。
高血圧に効く「裏技」的なものはありません。
やはり、「生活習慣×食事管理」を整えることが大事になります。
高血圧は早いうちに改善したほうがいいので、健康診断で「ちょっと血圧高いですね」と言われた人は、上記の改善方法を試してみてください。
◎要点まとめ
最後に簡単にまとめておきます。
要点まとめ
- 高血圧を完全に予防することができれば「年間10万人以上の人が死亡せずにすむ」
- 健康診断での数値が「140以上」は高血圧
- 高血圧に効く「裏技」的なものはない
- 「生活習慣×食事管理」を整えることが大事
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事があなたのお役に立つことができたのなら幸いです。