この記事を読むと分かること
・IBS(過敏性腸症候群)とは?
・IBSと診断される基準
・IBSの予防・改善方法
「緊張したり、ストレスがかかったりすると、下痢や便秘になってしまう」
このようなお悩みを抱えていませんか?
その症状は「IBS(過敏性腸症候群)」と呼ばれるものかもしれません。
この記事では、過敏性腸症候群の正体と『改善するためのアプローチ方法』を解説しています。
記事を読み終えると、今後ツライ下痢や便秘の症状に悩まされることがなくなり、毎日をアクティブに過ごすことができます。
■過敏性腸症候群とは?
過敏性腸症候群とは、痛みを伴った下痢・便秘などのお通じのトラブルのことです。
「Irritable Bowel Syndrome」の頭文字をとって「IBS」とも言われてます。
◎IBSの特徴
「IBS」の特徴として、症状が突発性ではなく、数ヶ月以上慢性的に症状が継続することが挙げられます。
ですので、「寒い環境でお腹を下す」「突発的なストレスでお腹の調子が悪い」という場合は、IBSに当てはまりません。
◎お通じの4種類のトラブル
✓お通じの4種類のトラブル
①便秘型
②下痢型
③混合型
④分類不能型
これら全ての型を含めた、痛みを伴う症状をIBSと言われることが多いです。
また、IBSを抱えた状態だと、上手く栄養を摂取することができません。
ですので、日常生活をアクティブに過ごすためにも、IBSは克服した方がいいでしょう。
◎腹痛とIBSの境目ってどこ?
最近3ヶ月の間に、月に3日以上、お腹の痛み・不快感が続くことを前提に、
下記の項目で”2つ以上”当てはまる人を、IBSと診断します。
①排便で症状が緩和される
②排便が増えたり、減ったりする
③便が柔らかくなったり、硬くなったりする
「日本消化器病学会のガイドライン」による診断基準
◎IBSを発症するメカニズム
腸は、食物を吸収したり、余ったものを排泄したりするために「蠕動(ぜんどう)運動」が行われます。
これは、脳からの指令(腸脳相関が関係している)で行われます。
※腸脳相関:腸と脳は繋がっているということ
✓「蠕動運動」が起こるメカニズム
腸の嵩が増える
↓
消化物を排出するために”脳に信号”を発信する
↓
脳からの指令で「蠕動運動」が起こり消化物を排出する
このときに、腸と脳の反応が”過剰”になったり、”反応”が起きなかったりすることが原因で発症するのがIBSです。
■IBSを改善するためのアプローチ方法
IBSを改善するために一番大事なことは「生活習慣の改善」です。
生活習慣の中でも、食事習慣が最も深く関わっています。
✓控えるべき習慣
・お酒の飲みすぎ
・喫煙習慣
・脂質の過剰摂取
・偏った食事バランス
・睡眠不足
・カフェインなどの刺激物の摂取
これらは、IBSの疑いのある人が、初めにやるべきアプローチ方法です。
◎IBSの症状と改善方法
・下痢:セロトニン3受容体拮抗薬
・腹痛:抗コリン薬
・便秘:酸化マグネシウム(下剤)
3つに共通するものが、腸内環境を整える「プロバイオティクス」「食物繊維」も共通して有用になります。
◎栄養介入で改善しない場合はどうする?
上記で紹介した栄養介入で、症状が改善しない場合はどうすればよいのか?
そんな方は、”心理的な要因”を疑いましょう。
・日常的なストレス
・過度な緊張
・業務内容や進学など環境の変化
・人生がかかる出来事の前(就活や受験など)
これら心理的な要因によるIBSの発症は、”若い女性の方に多い”と言われています。
栄養介入でIBSの症状が改善しない場合は、「心理的な要因を解決する必要がある」ということです。
また、栄養介入や心理的な要因を解決しても、症状が良くならない場合は”精密検査”が必要になります。
◎習慣的な運動もIBSの改善に有用⁉
上記では、IBSを改善するためには「栄養介入」と「心理的な要因の解決」が大事だと解説しました。
その他にも『有酸素運動の習慣化』も、IBSを改善するためには有用です。
1日に5〜10分の有酸素運動をすることで、自律神経のバランスを安定させることができ、IBSの改善に効果的になります。
■IBSの関連症状
IBSの症状を発症している人は、何かしらの関連症状も発症していることが多いです。
・胃もたれ
・胸やけ
・胃の痛み
・パニック障害(15〜40%)
・逆流性食道炎(28〜80%)
・軽度なうつ病(30%)
IBSを発症している人は、これら関連症状にも悩まされることが多いでしょう。
■IBSの予防方法は存在しない?!
ここまで、IBSの改善方法を紹介していきました。
では、予防方法はあるのか?
残念ながら今の科学では、IBSが発症する明確な理由は明らかになっていません。
しかし、上記で紹介したようなIBSの改善方法で、ある程度の予防は期待できます。
■まとめ
今回は、IBS(過敏性腸症候群)の予防・改善方法を紹介しました。
10人に1人の日本人は、IBSに悩まされていると言われています。
生活習慣、食事習慣、運動習慣、ストレスをなくすなど、当たり前のことばかりですが、ツライ下痢や便秘症状を改善するためにも、少しずつ改善していきましょう!
◎要点まとめ
要点まとめ
✓IBSの改善方法
・基礎的な生活習慣の改善
・運動習慣をつける
・睡眠時間を確保する
・精神的な負荷(ストレス)の改善
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事が、あなたのお役に立つことができたのなら幸いです。