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「サルコペニア」を予防・改善する栄養学的アプローチ

 

死ぬまで、自分の脚で歩きたい

 

この記事を読むと分かること

  • サルコペニアの原因とは?
  • 発症理由と栄養状態
  • 予防・改善するための栄養学的アプローチ
  • 改善するために一番大事なこと

 

趣味筋肉
栄養学を学べる日本一の学校NNCやセミナー・書籍・論文などで「栄養学」を学んでいる、栄養オタクトレーニー、趣味筋肉(しゅみきん)です。

筋肉7年目、2019年JBBFメンズフィジーク”県2位”

 

現在、日本は”少子高齢化”が問題視されています。

そして、高齢化が進むと同時に問題となっているのが「サルコペニア」です。

 

どんなものか知らないけど「言葉だけは聞いたことがある」

このような人は、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

この記事では、放っておくと”大変なこと”になるサルコペニアを、栄養学的にアプローチしていきます。

 

■サルコペニアとは?

 

サルコペニアを一言で説明すると、「加齢による筋力の低下筋肉量の減少のこと」です。

 

サルコペニアが進むと、歩く、立ち上がる、階段の上り下りなど、日常動作に影響が生じます。

そのため、継続的な運動が困難になったり、転倒しやすくなったりしてしまうのです。

 

また、症状がひどい場合、介護が必要になることもあります。

 

◎サルコペニアの実態

 

✓病院でサルコペニアと診断される人の割合

  • 60〜69歳:15%
  • 70〜79歳:20%
  • 80歳〜:30%

※東京都健康長寿医療センター研究所

 

この数字は、”病院で診断された数字”になります。

ですので、実際はこの3倍くらいの数字なると言われています。

 

◎サルコペニアの原因

参考:(日本人男性におけるフリーテストステロン値の年齢分布 出典:岩本晃明ほか:日泌会誌 95 : 751, 2004)

 

サルコペニアの一番の原因は、テストステロン(男性ホルモンの一種)の減少です。

 

テストステロンは、”筋肉の合成”に深く関わっているホルモンです。

ですので、テストステロンの低下にともない、筋肉量も落ちていきます。

 

テストステロンは、20〜30代でピークを迎え、徐々に減少していきます。

しかし、筋トレや有酸素運動、亜鉛・ビタミンDなどの栄養摂取で、テストステロンの低下を抑えることは可能です。

 

»【関連記事】テストステロンを増やす食べ物・減らす食べ物

»【関連記事】亜鉛の効果や摂取方法

 

◎サルコペニアの発症と栄養状態の調査

 

「老人入院患者のサルコペニアの現地調査とその栄養、日常生活動作、認知能力との関係」

※こちらの論文を参考にしています。

 

対象者:老人の入院患者の”60人”

内容:サルコペニア群とサルコペニアなし群に分けた

結果:女性46.9%、男性46.4%がサルコペニアの疑いがあった

考察:サルコペニアを発症している人は、総タンパク質の値は正常だが、アルブミンの値が低い傾向があった

 

タンパク質を摂取すると、消化・分解され”アミノ酸”になります。

そして、そのアミノ酸のほとんどは、肝臓で代謝され”アルブミン”が作られます。

 

つまり、サルコペニアを発症する人は「肝臓の機能が低い」とも考えられるのです。

 

■サルコペニアを予防・改善する方法

 

老人入院患者の栄養状態の調査では、”肝臓の機能が低い人”が、サルコペニアを発症しやすいと示されています。

 

これらを踏まえて、栄養学的アプローチを紹介していきます。

 

◎サルコペニアを栄養学的アプローチ

 

✓サルコペニアを栄養学的アプローチ

  • タンパク質の摂取(体重 × 0.8〜1.2g)
  • 肝機能の低下を抑える
  • 血中のロイシン濃度を高める
  • アルコールを控える
  • ビタミンDの摂取(7.4μg/日)
  • EGCgの摂取(400〜600mg/日)
  • クレアチンの摂取(4g/日)
  • オメガ3脂肪酸の摂取

 

サルコペニアを予防・改善するために、

  • 筋力筋肉量の維持
  • 肝臓の機能を高める

これら”2つ”を意識して、栄養摂取を考えると良いでしょう。

 

»【関連記事】肝機能低下の原因と栄養学的アプローチ

 

◎サルコペニアの改善には”運動”も大事

 

「地域在住の高齢日本人サルコペニア女性の体組成と身体機能に対する運動とアミノ酸補給の効果」

※こちらの論文を参考にしています。

 

対象者:75歳以上の日本人女性155人

内容:運動介入(筋力と歩行能力の向上)と栄養介入(アミノ酸濃度を保つ)で、サルコペニアの改善にどのような変化があるのか調査

詳細:「運動+アミノ酸」 「運動」 「アミノ酸」 「何もしない」 これら4つのグループに分けて、3ヶ月間の介入試験を実施

結果:(何もしないグループと比較) 運動+アミノ酸」:5倍、「運動」:2倍、「アミノ酸
:2.6倍、脚の筋肉量と筋力が改善された

 

サルコペニアを改善するためには、「運動介入+栄養介入」が一番効果的です。

 

しかし、運動介入・栄養介入どちらか一方しかできない場合は、栄養介入のほうが効果的になります。

 

■まとめ【運動と栄養どちらも大事】

 

今回は、サルコペニアを予防・改善する方法を紹介しました。

 

サルコペニアに一番効果的なのは、「運動(筋力・歩行能力の向上)」+「栄養(アミノ酸濃度を保つ)」どちらも行うことです。

しかし、どちらか一方しかできない場合は「栄養介入」のほうが期待値は高いです。

 

「運動もしてない、タンパク質も摂っていない」

 

このような人は、今日から軽いウォーキングとタンパク質の摂取を行いましょう。

 

◎要点まとめ

 

要点まとめ

  • 将来的に半数以上の人がサルコペニアに悩まされる
  • 肝臓の機能が低いとサルコペニアを発症しやすい
  • 改善するためには「運動」+「栄養」が一番効果的

✓栄養学的アプローチ

  • タンパク質の摂取
  • 肝機能の低下を抑える
  • 血中のロイシン濃度を高める
  • アルコールを控える
  • ビタミンDの摂取
  • EGCgの摂取
  • クレアチンの摂取
  • オメガ3脂肪酸の摂取

最後まで読んでいただきありがとうございます。

この記事があなたのお役に立つことができたのなら幸いです。

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趣味筋肉(しゅみきん)

筋肉・栄養オタク|2019年JBBFメンズフィジーク県2位|フィットネスライター|筋トレ初心者でも”即実践可能な栄養学”を発信|健康的にバルクアップ・ダイエットしたい人向けの栄養記事を書いてます!|月間1.5万PV以上

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