計算されたチートデイ
この記事を読むと分かること
- リフィードってなに?
- リフィードの「やり方」
- リフィードを行う「タイミング・頻度」
- リフィードを行う際の「注意点」
筋トレ歴6年、2019年JBBFメンズフィジーク”県2位”
栄養の学校NNCやセミナー、書籍、論文などで「栄養学」を学んでいる、栄養オタクトレーニーです。
「チートデイ」
この言葉は、筋トレをしていない人でも知っているような言葉になりました。
「リフィード」
この言葉は、トレーニーでも”聞き馴染みのない言葉”かもしれません。
しかし、「リフィード」を正しく理解することができれば、無駄な脂肪をつけることなく”減量中の停滞を打破”することができるかもしれません。
減量中で体重の落ちが停滞している人は”読んで損はない記事”になってますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
■失敗しないチートデイ?!「リフィード」とは?
リフィードを一言で説明すると、『減量中に低下した代謝を元に戻すため、”糖質のみ”を多く摂取する方法のこと』です。
一般的に行われている「チートデイ」とはまた、別のものになります。
リフィードは「ハイカーボ」なんて呼んだりもしますね。
チートデイは「糖質+脂質」を大量に摂るのに対して、リフィードは「糖質のみ」を大量に摂ることをいいます。
◎リフィードの”4つ”のメリット
リフィードには主に”4つ”のメリットがあります。
①基礎代謝を上げて”停滞を打破”
1日〜2日という短い時間で大量の糖質を摂ることにより、体内のグリコーゲンが満たされ、基礎代謝を元に戻すことができる。
②筋出力、パフォーマンス能力の維持
筋グリコーゲンが満たされることにより、使用重量を維持することが可能。
また、長時間のトレーニングにも集中できるようになる。
③体脂肪の増加を防げる
何でも食べるような「チートデイ」だと、「今日はチートデイだから」と言って食べすぎてしまう恐れがある。
しかし、リフィードなら計算して食べるので食べすぎることはない。
④身体的・精神的ケア
減量中は、知らず知らずのうちに身体的・精神的に疲労している。
リフィードで大量の糖質を摂ることにより、慢性的な疲労の回復、睡眠の質が戻るなどの効果が期待できる。
また、体に良い食べ物(糖質)で摂るので「罪悪感」がない。
■リフィードの具体的な「やり方」
リフィードのやり方は、筋肉量や普段の食事などによって変わっています。
ですので、今回は、”骨格筋量40kgの人”を過程して、リフィードのやり方を紹介します。
◎リフィードのベストな「糖質の量」
リフィードは、体内のグリコーゲンを満たすために行います。
体内のグリコーゲンの貯蔵量は、「肝臓で100g〜150g + 筋グリコーゲン〇〇g」です。
☆筋グリコーゲンの貯蔵量のMAXの目安
筋グリコーゲンの貯蔵量:骨格筋量 1kg × 15g
※ 筋肉量が40kgの人なら、40kg × 15g = 600g
※骨格筋の計算方法:除脂肪体重 ÷ 2
◎骨格筋量40kgの人の「具体例」
☆普段の減量食
- PFCバランス 4:2:4
- 総摂取カロリー:2,000kcal
- カーボの摂取量:800kcal=200g
体内のグリコーゲン貯蔵量のMAXは「600g(筋グリコーゲン)+100g(肝グリコーゲン)」= 700g
筋肉量が60kgの人なら、リフィードは「700g」の糖質を摂取します。
しかし、体内に残ってるグリコーゲンの量を加味して「500g程度」でも十分かもしれません。
リフィードの日は、いつもの2〜4倍(減量中に摂っている糖質量から考える)の糖質を摂取しましょう。
◎タイミング・頻度
タイミング・頻度は、特に決まりはありません。
人によって変わりますので「目安」を紹介します。
☆リフィードを取り入れる目安
- 1週間、10日など日数を決めて
- 体温が0.2〜0.5度落ちたら(基礎代謝の低下)
- 体重の落ちが停滞したら
- 筋力が低下してきたら
- 筋トレ中パンプアップしない など
この中から自分に合った目安で、リフィードを取り入れれば大丈夫です。
減量の進み具合やコンテストまでの期間を考えて取り入れていきましょう!
◎リフィードを行う際の「ポイント」
☆リフィードを行うときの「ポイント」
- 必ずしも1日でグリコーゲン貯蔵量のMAXの糖質を摂る必要はない
※ 2日に分けて摂る場合(1日目350g → 2日目350g)
- グリコーゲン貯蔵量が0ってことはないので体内に残ってる量を加味して糖質を摂る
- 1回で大量に摂らないで小分けにして摂る(1日に5〜6回)
- 「クエン酸」を摂るとグリコーゲンになりやすい
→ 関連記事「カーボアップ」で本当に筋肉は大きくなるのか?糖質と相性の良い”7つ”の栄養素
■リフィードに適した「糖質の種類」
リフィードを行うからといって「むやみやたらに糖質を食べれば良いのか?」というと、そうではありません。
”自分に合った糖質”を摂ることをオススメします。
自分に合った糖質を把握していない人は、とりあえず下記で紹介する糖質から始めましょう。
◎リフィードにベストな糖質は「でんぷん質」の糖
リフィードに適したオススメの糖質は「デキストロース当量低めの糖質」になります。
「デキストロース当量(DE)」とは、どれだけ分子が細かくなっているか示す数値です。
DEが0なら「でんぷん」、100なら「ブドウ糖」になります。
ちなみに「マルトデキストリン」は、DEが10〜20です。
DEは、高ければ高いほど浸透圧は高くなり、体に入ってきたときに吸収しづらくなります。
また、浸透圧が高い場合、吸収するときに一緒に「水分」を引き込みます。
チートデイの翌日に浮腫んでしまう人は、浸透圧の高いものを摂っているのかもしれません。
逆に、DEが低ければ低いほど、浸透圧も低くなって、スムーズに吸収が行われるのです。
要するに、浸透圧が低く吸収がスムーズに行われる「でんぷん質かつ低GIの糖質」が、リフィードにベストな糖質になります。
◎「果物」ってどうなの?
果物は、ビタミン、ミネラルが一緒に摂れるというメリットがあります。
また、デンプンよりも代謝が速いです。
しかし、果物に含まれる「果糖」は、”中性脂肪の合成”に優先的に使われる、”肝グリコーゲンになりやすい”という特徴があります。
肝臓は貯蔵できるグリコーゲンの量が少ないので、果糖は避けるのが無難でしょう。
どうしても果糖から糖質を摂りたいなら、肝グリコーゲンの貯蔵量の100〜150g未満に抑えましょう。
◎「レプチン」で考えたら普通のチートデイもあり
「レプチン」は、空腹感を落ち着かせる作用のあるホルモンです。
また、脂肪を燃焼するような作用もあります。
レプチンは脂肪細胞から作られるので、レプチン単体で考えたら普通のチートデイもありなんじゃないかと思います。
■まとめ【チートデイよりオススメ】
今回は、失敗しないチートデイ?!「リフィード」について解説しました。
リフィードは、計算して食べるので無駄な脂肪が付くこともなく、罪悪感もない。
個人的には、普通のチートデイ(何でも食べる)よりもオススメです。
また、「摂取カロリーに波をつけて、代謝を落とさないようにする”サイクルチート”」という方法もオススメです。
たくさん食べれる日数が増えるので、精神的にも楽な方法になります。
→「サイクルチートのやり方」はこちら
チートデイは、かならず代謝が戻る魔法の方法ではなく、一つの手段・小技に過ぎません。
ですので、基本的にチートデイは、”気分転換”くらいに思いましょう。
◎要点まとめ
最後に簡単にまとめておきます。
- リフィードとは、代謝を元に戻すため”糖質のみ”を多く摂取する方法のこと
- リフィードは計算して食べるので”食べ過ぎ”になることはない
- リフィードするときは「でんぷん質かつ低GIの糖質」で摂る
- チートデイは”気分転換”だと思え
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事があなたのお役に立つことができたのなら幸いです。