「目」って大事ですよね。
この記事を読むと分かること
- 夜盲症とは?
- 夜盲症への栄養学的アプローチ
急に暗いところに行くと目が見えなくなりますが、時間とともに目が慣れてきて徐々に見えるようになってきます。
しかし、順応せず、暗いところで視力を失う人がいます。
これを「夜盲症」と言います。
この記事を読めば「夜盲症に対する栄養学的アプローチ」を知ることができます。
■夜盲症とは?
夜盲症を簡単に説明すると、明るいところから暗いところに行った際、視力が顕著に低下する症状です。
本来は、明るいところから暗いところに行くと、数分で目が慣れてきます。
これを「暗順応」といいます。
そして、この「暗順応が起こらない」のが、夜盲症の特徴です。
また、視細胞の変性・減少が顕著になっていくと、暗いところだけでなく明るいところでも視力が落ちてきます。
■夜盲症に対する栄養学的アプローチ
結論から言うと、夜盲症に対する治療法はありません。
しかし、”ある栄養素”を摂ると、夜盲症が改善すると言われています。
◎夜盲症に対する”3つ”の治療方法
夜盲症に対する治療法は、下記の3つです。
- 栄養が体に行き渡るような、循環改善薬を処方する
- 光の刺激を抑えるために、明るいところでも「遮光メガネ」をつけて、暗いところとの落差を無くす方法
- ビタミンAの摂取(特に欠乏してる人)
◎夜盲症の改善に関与する「消化液」
「胆汁の分泌」が不足すると、ビタミンAの吸収が悪化し、夜盲症リスクが高まります。
胆汁は、摂取した脂質を消化し、体に上手く蓄積するように働きかけてくれる役目があるのです。
ビタミンAは脂溶性なので、胆汁が働くことにより上手く吸収してくれます。
これが正常な流れですが、胆汁が働かないとビタミンAが吸収しにくくなるということです。
☆胆汁の分泌が少ない人の特徴
- 便が白っぽい
- 白目が黄色っぽい
- 皮膚の痒みを感じやすい
- 食欲不振
■夜盲症に効果的な「ビタミンA」
ビタミンAは、レチノール、レチナール、レチノイン酸という種類に分けられます。
1930年代にビタミンAは、視覚に関わるビタミンということで、レチナ(網膜)にちなんでつけられました。
特に、視細胞に働きやすいのが「レチナール」
そして、ガン細胞に働きやすいのが「レチノイン酸」です。
レチノイン酸が体内で増えると、奇形児が生まれるリスクが上がるので、妊娠中の方は過剰摂取に注意が必要です。
ビタミンAを多く含む食品:レバー、うなぎ、にんじん
→ 関連記事「粘膜を強化し、免疫力を上げるビタミンA」
◎ビタミンAには耐用上限量がある
ビタミンは、耐用上限量が決まっていないものが多いですが、ビタミンAに関しては、耐用上限量が決まっています。
☆ビタミンAの耐用上限量
耐用上限量:2,700μgRAE
※推奨摂取量:850μgRAE
ニンジン100gで、760μgRAE摂取できるので、普通に食事をしていればビタミンAが足りなくなることはありません。
しかし、夜盲症の人に限っては、ビタミンA推奨摂取量の2〜3倍摂ってもいいという研究が多くあります。
◎脂質とタンパク質が重要
ビタミンAを摂取 → 胃で消化し小腸で吸収される → レチノールが結合タンパク質と結びつき血液で体中に運ばれる
ビタミンAは脂溶性ですので、摂取するときは、「脂質」も一緒に摂取すると吸収率が上がります。
また、ビタミンAを吸収するときに「タンパク質」も必要です。
体重×0.8〜1.2g程度のタンパク質を継続的に摂取しておくと良いでしょう。
■まとめ【重要なのはビタミンA】
今回は、「夜盲症」について簡単に説明しました。
夜盲症の症状が出たら、ビタミンAを摂取するようにしましょう。
そのとき、「脂質」と「タンパク質」を一緒に摂取すると吸収効率が上がります。
ビタミンAを摂取するときは、ぜひ「脂質+タンパク質」で摂ってください。
◎要点まとめ
最後に簡単にまとめておきます。
要点まとめ
- 暗順応が起こらないのが「夜盲症」
- 夜盲症に対する明確な治療法はない
- 強いて言うなら「ビタミンA」の摂取
- 「脂質」と「タンパク質」を同時に摂取する
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事があなたのお役に立つことができたのなら幸いです。