健康 栄養学

代謝異常⁉「甲状腺疾患」へのアプローチ方法

 

トレーニーは要注意

 

この記事を読むと分かること

  • 甲状腺の働き
  • 2種類の「甲状腺疾患」
  • 甲状腺疾患へのアプローチ方法
  • 甲状腺疾患チェックリスト

 

趣味筋肉
栄養の学校NNCやセミナー・書籍・論文などで「栄養学」を学んでいる、栄養オタクトレーニー、趣味筋肉(しゅみきん)です。

筋トレ歴6年、2019年JBBFメンズフィジーク”県2位”

 

ハードにトレーニングをしている人

常に体脂肪率が低い人

 

こんな人が代謝に異常を感じたら「甲状腺疾患」を疑いましょう。

 

この記事では、「甲状腺疾患の特徴・兆候・アプローチ方法」を紹介しています。

 

「最近やたら体重の変化が激しいな」と感じる人は、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

■甲状腺とは?

 

甲状腺は、喉仏のやや下のところにあります。

 

甲状腺に異常があると喉が腫れたり、眼球が前に飛び出す「バセドウ病」などを発症します。

 

◎甲状腺の「役割」

 

甲状腺は主に「ヨウ素」を原料として、甲状腺ホルモンを血液中に分泌する役割があります。

 

  • 体温の調整
  • 新陳代謝の促進(代謝を高める)
  • 脳の活性化
  • 心臓・胃腸の働きを促進

 

甲状腺ホルモンの働きは、弱くなりすぎても、強くなりすぎても体に良くありません。

 

◎甲状腺刺激ホルモン(TSH)とは

 

甲状腺刺激ホルモン(TSH)が、甲状腺ホルモン」の分泌量をコントロールしています。

 

つまり、TSHが極端にブレることで、甲状腺ホルモンにも急激なブレが生じて、甲状腺疾患が起こるということです。

 

■2種類の甲状腺疾患

 

甲状腺疾患は、活動代謝が高く、常に体脂肪率の低い女性アスリートに多く見られる症状です。

 

また、甲状腺疾患は「甲状腺機能低下症」「甲状腺機能亢進症」の2種類に分けることができます。

 

◎甲状腺機能低下症

 

甲状腺機能低下症とは、甲状腺の機能が低下にすることにより、過度に代謝量が低下してしまう症状です。

別名「橋本病」とも言います。

 

甲状腺機能低下症を発症する原因は「甲状腺の材料が少ないこと」です。

 

☆甲状腺機能低下症の症状

  • 甲状腺機能の低下
  • 基礎代謝の低下

 

甲状腺機能低下症を発症すると、外から摂取した栄養素が消費されず、体に蓄積されやすくなります。

そのため、太りやすくなったり、コレステロール値が高くなったりします。

 

◎甲状腺機能亢進症

 

甲状腺機能亢進症とは、甲状腺の機能が亢進することにより、過度に代謝量が上昇してしまう症状です。

女性の18〜20人に1人が発症するとも言われています。

 

☆甲状腺機能亢進症の症状

  • 疲れやすい
  • 動悸
  • 手足の震え
  • 発汗
  • 体重の減少

 

また、甲状腺機能亢進症には3種類あります。

  1. バセドウ病
  2. TSH産生腫瘍
  3. 薬剤性

 

①バセドウ病

 

甲状腺を促進する自己抗体が体内で多く産生されてしまった結果、常に甲状腺ホルモンを分泌する刺激が入り、甲状腺ホルモンの分泌が過剰になることがあります。

 

これを「バセドウ病」と言います。

 

甲状腺に直接の原因があることが多いです。

 

治療法としては、症状が軽い場合は内服薬、重い場合は手術・ラジオアイソトープ治療をする措置が施されます。

 

②TSH産生腫瘍

 

甲状腺ホルモンの分泌量をコントロールしているTSH(甲状腺刺激ホルモン)が、バグってしまうと、過剰に甲状腺ホルモンを分泌してしまいます。

 

その結果、腫瘍が体内にできてしまうというパターンが「TSH産生腫瘍」です。

 

③薬剤性

 

薬剤性は、かなり希少な症状です。

 

甲状腺ホルモンを含む薬剤を、誤って過剰に摂取することが原因で起こります。

 

一時的な基礎代謝アップだけで、中長期的な症状はほとんどありません。

 

■甲状腺疾患のアプローチ方法

 

ここからは、甲状腺疾患のアプローチ方法を解説していきます。

 

まずは「甲状腺機能低下症」からです。

 

◎「甲状腺機能低下症」へのアプローチ方法

 

甲状腺機能低下症は、栄養学的なアプローチが可能です。

「ヨウ素」と「鉄」を摂りましょう。

 

「ヨウ素」

世界三大欠乏栄養素の1つ「ヨウ素」
※世界三大欠乏栄養素:ヨウ素・鉄・ビタミンA

しかし、日本は海に面している地域が多いので、魚介類などヨウ素を含む食材が食卓に並びます。

そのため、世界でも珍しく、ヨウ素摂取量を満たしている人が多い国でもあります。

※耐用上限量の3mgを超えた摂取を続けると、逆に機能低下症が生じる場合もある

 

→ 関連記事「16種類の必須ミネラル」

 

「鉄」

特に女性の方が欠乏していることが多いです。

女性は月経があるため、男性よりも多く血液を排出します。

そのため、血液の材料となる鉄が、男性よりも多く必要です。

特に運動している人は、発汗でも体外に排出されるので注意しましょう。

 

→ 関連記事「筋トレしてる人は鉄は必要ない⁉」

 

☆鉄が欠乏するとなぜ甲状腺の機能が低下するのか?

 

鉄が欠乏すると甲状腺の機能が低下する理由は、「甲状腺ペルオキシダーゼ(合成酵素)が活性化するためには”鉄が必要”だから」です。

 

鉄が足りない
   ↓
甲状腺ペルオキシダーゼが活性化しない
   ↓
甲状腺ホルモンが作りにくい環境になる
   ↓
甲状腺の機能が低下する

 

その他にも「セレン」「ビタミンD」も、甲状腺機能低下症に関係あると言われていますが、一般的な食事をしていれば欠乏する心配はありません。

 

◎「甲状腺機能亢進症」へのアプローチ方法

 

甲状腺機能亢進症は、栄養学的アプローチはしづらいです。

ですので、病院に行って、医学的なアプローチをするのが先決になります。

 

しかし、栄養学的にアプローチするなら「エネルギー消費量に合わせて、摂取量も増やす」といいでしょう。

 

甲状腺機能亢進症を発症すると、基礎代謝量が上がってしまうので、栄養が足りなくなり、倦怠感、脱力感が現れます。

 

これまでと同じ摂取カロリーだと、過度なアンダーカロリーが続き、体内が低栄養状態になり、やせ細ってしまいます。

 

ですので、どの栄養を摂るとかではなく「エネルギー消費量に合わせて、摂取量も増やす」ことが重要になります。

 

脂肪分や糖質を積極的に摂取して、摂取カロリーと消費カロリーを合わせるようにしましょう。

 

 

◎「アルコール」と「タバコ」はNG

 

甲状腺疾患になると肝臓に負荷が掛かりやすいです。

 

なので、甲状腺疾患を持っている人は、肝臓の負荷になる「アルコール」や「タバコ」は控えたほうがいいでしょう。

 

■甲状腺疾患チェックリスト

 

下記のチェックリストで4〜5個当てはまる場合は、病院で検査することを推奨します。

 

☆甲状腺機能低下症の特徴

チェックリスト

  • 疲れやすい
  • 発汗が少ない
  • 脈拍数の低下
  • 寒気
  • 顔や全身のむくみ
  • 甲状腺の腫れ
  • 体重の増加
  • 皮膚の乾燥
  • 筋力の低下
  • 眠気
  • 声が枯れる
  • 物忘れ
  • 動作の鈍化
  • 抜け毛
  • 便秘

 

 

☆甲状腺機能亢進症の特徴

チェックリスト

  • 汗が異常に多い
  • 疲れやすさだるさがある
  • 暑がりである
  • 脈拍数が多く動悸がする
  • 手足が震える
  • 甲状腺が腫れる
  • 食欲が旺盛である
  • イライラする
  • かゆみがある
  • 口が渇く
  • 眠れない
  • 微熱が続く
  • 息切れがする
  • 髪の毛が抜ける
  • 排便の回数が増える
  • 眼球が出てくる

 

 

■まとめ【的確なアプローチを】

 

甲状腺疾患には大きく2種類あると解説しました。

 

「甲状腺機能低下症」

「甲状腺機能亢進症」

 

ハードなトレーニングや、食事制限をしているトレーニーは、一般の人より甲状腺疾患を発症する可能性が高くなります。

 

症状を理解することにより、的確なアプローチをすることができるので、ぜひ知識として、甲状腺疾患を知っておいてください。

 

◎要点まとめ

 

最後に簡単にまとめておきます。

 

要点まとめ

  • 甲状腺ホルモンの働きは、弱すぎても強すぎてもダメ
  • 「甲状腺機能低下症」と「甲状腺機能亢進症」の2種類ある
  • 甲状腺機能低下症は、栄養学的アプローチが可能
  • 甲状腺機能亢進症は、医学的なアプローチが必要
  • 甲状腺疾患の人は「お酒」「タバコ」は控えたほうがいい

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

この記事があなたのお役に立つことができたのなら幸いです。

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趣味筋肉(しゅみきん)

筋肉・栄養オタク|2019年JBBFメンズフィジーク県2位|フィットネスライター|筋トレ初心者でも”即実践可能な栄養学”を発信|健康的にバルクアップ・ダイエットしたい人向けの栄養記事を書いてます!|月間5万PV以上

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