「消化」されなければ「吸収」できない
この記事を読むと分かること
・「タンパク質」の消化・吸収の流れ
・体内の”2種類”のタンパク質とは?
・消化酵素が働くメカニズム
・消化酵素異常の改善方法
「食べているのに体重・筋肉が増えない」
「少食なのに軟便・下痢になってしまう」
このようなお悩みを抱えていませんか?
上記のお悩みは「消化酵素の働きを最大化」することで、改善できるかもしれません。
この記事では、消化不良を起こしやすい「タンパク質」の消化酵素をメインに解説していきます。
■消化酵素の種類と働き
消化酵素は大きく3種類あります。
・タンパク質:「プロテアーゼ」
・炭水化物:「アミラーゼ」
・脂肪:「リパーゼ」
今回は消化不良を起こしやすい、タンパク質の消化酵素「プロテアーゼ」について解説します。
◎プロテアーゼとは?
プロテアーゼとは、タンパク質やペプチド結合を、”加水分解する酵素の総称”です。
胃酸に含まれる消化酵素の「ペプシン」
膵液に含まれる消化酵素の「トリプシン」「キモトリプシン」など
これらをまとめて「エキソペプチダーゼ」と言います。
腸液に含まれる消化酵素の「アミノペプチダーゼ」は、別名「エンドペプチダーゼ」とも言います。
エキソペプチダーゼとエンドペプチダーゼをまとめて「プロテアーゼ」と言います。
つまり、「プロテアーゼという名前の消化酵素があるわけではない」ということです。
◎「構造タンパク質」と「機能タンパク質」
「構造タンパク質」とは、体の構成材料そのものです。
・コラーゲン
・細胞
・DNA、RNA
「機能タンパク質」とは、機能を持っているタンパク質です。
・消化酵素、代謝酵素
・アルブミン
・ホルモン(インスリン、グルカゴンなど)
・ヘモグロビン、ミオグロビン
・ミオシン、アクチン
栄養素を摂取しても「吸収」されないと、体の構成材料にもならず、機能を発揮することもできません。
◎体内のタンパク質が分解されない理由
タンパク質分解酵素が、体内のタンパク質を分解しない理由は″消化酵素のつくり“にあるのです。
体内に貯蔵されているときは、
・ペプシン→「ペプシノーゲン」
・トリプシン→「トリプシノーゲン」
・キモトリプシン→「キモトリプシノーゲン」
このように、保存されているときは、消化酵素の働きを使えないようになっているのです。
◎消化酵素を働かせるために必要なことは?
消化酵素は、体内では働きを使えない状態で保存されています。
ですので、消化酵素を働かせるためには、ここに“何らかのトリガー”が必要です。
・ペプシノーゲン
→「胃酸」が加わることで「ペプシン」として働けるようになる
・キモトリプシノーゲン、トリプシノーゲン
→「膵液」が加わることで「キモトリプシン」「トリプシン」として働けるようになる
このようなつくりになっているので、人間にとって都合のいいタンパク質は分解されないのです。
◎タンパク質の消化・吸収の流れ
✓タンパク質の消化・吸収の流れ
固形物のタンパク質を「口」から摂取
↓
口から摂取したタンパク質は「胃」に運ばれる
↓
胃では、「胃酸」が分泌して「ペプシン」という消化酵素が働く
↓
ペプシンに反応して、タンパク質は荒く分解される
↓
ペプシンが働いた食物は、胃から「十二指腸」に運ばれる
↓
十二指腸では、膵臓から「膵液」が分泌され「トリプシン」「キモトリプシン」という消化酵素が働く
↓
トリプシン・キモトリプシンが反応して、タンパク質をさらに細かくする
↓
細かくなったタンパク質が十二指腸を進む
↓
腸壁から「腸液」が分泌され「アミノペプチターゼ」という消化酵素が働く
↓
アミノペプチターゼにより、吸収できる形の「アミノ酸にまで分解」される
■消化酵素異常の改善方法
消化酵素異常をすぐに改善したい場合は、「体外から経口で消化酵素を摂る」という方法があります。
大抵の場合、ペプシン、トリプシン、キモトリプシンは上手く働きます。
ですので、タンパク質をさらに細かくするときに使われる「アミノペプチターゼ」を経口で摂取すると効果が期待できます。
◎経口摂取できる消化酵素
✓経口摂取できる消化酵素
・ブロメライン:パイナップルに含まれる
・パパイン:パパイヤに含まれる
・アクチニジン:キウイに含まれる
胃液の分泌が弱い人には「ブロメライン」がオススメです。
ただし、“熱に弱い”ので、加熱には向きません。
サプリメントとして摂るなら1回に“1〜1.5g”の摂取が理想です。
「パパイン」は、熱に強く、胃酸でも活性が失われません。
1日に“50〜140mg”の摂取で十分な効果が期待できます。
◎ペプシン異常の改善方法
「ペプシン」の適正pHは1.5〜2です。
ですので、”胃酸を分泌”することで改善可能です。
レモン水・クエン酸系のものを摂取すると、胃酸の分泌量が戻ってくる傾向にあります。
マグネシウム、亜鉛、鉄などのミネラルの摂取も大事です。
また、酵素の材料である「アミノ酸」をタンパク質から摂取するのも大事になります。
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■まとめ
今回は、タンパク質の消化酵素「プロテアーゼ」について解説しました。
「食べてるのに体重・筋肉が増えない」
「少食なのに軟便・下痢になる」
このような人は、口に入れる「食物」を変えるのではなく、消化を促進する「消化酵素」に注目してみてください。
そうすれば、上記のような問題を解決できるかもしれません。
◎要点まとめ
要点まとめ
✔︎3種類の消化酵素
・タンパク質:「プロテアーゼ」
・炭水化物:「アミラーゼ」
・脂肪:「リパーゼ」
✔︎経口摂取できる消化酵素
・ブロメライン:パイナップルに含まれる
・パパイン:パパイヤに含まれる
・アクチニジン:キウイに含まれる
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事が、あなたのお役に立つことができたのなら幸いです。