「AMPK」を活性化して減量を加速せよ
この記事を読むと分かること
・減量の効率を上げる「AKPK」とは?
・AMPKの働き
・AMPKを活性する方法
・AMPKを活性することによるデメリットとは?
「AMPK」と聞くと、「なんだそれ?」となる人がほとんどだと思います。
しかし、AMPKを理解することで、エネルギー生産を最大化でき効率の良いダイエットが可能になります。
「効率良くダイエットしたい」
「減量が停滞気味」
このような人は、ぜひ最後まで読んで「AMPK」を理解してください。
AMPKを理解すれば、あなたの減量を加速させることができるでしょう!
■AMPKとは?
「AMPK」は、AMP活性化プロテインキナーゼという酵素の1つです。
別名「燃料センサー」としても呼ばれています。
体内のエネルギーバランスをコントロールするような役割をしています。
つまり、AMPKを上手く利用することで、効率良くエネルギー(糖質・脂肪)を使うことが可能になるということです。
・AMP(Adenosin triphosphate):アデノシン一リン酸
・ADP(Adenosin dephosphate):アデノシン二リン酸
・ATP(Adenosin monophosphate):アデノシン三リン酸
◎AMPKの具体的な働き
・グルコースの取り込み
→ インスリン抵抗性の改善、インスリン分泌のコントロール
・脂質代謝の向上
→ 分解酵素(リポ蛋白リパーゼなど)を活性、特定の代謝酵素(中性脂肪を合成するときに使われる)を抑制
・ケトン体の生成
→ 脂質代謝が向上することによるもの
・コレステロールの合成を阻害
→ メバロン酸(悪玉コレステロールの材料)の合成を阻害
・糖新生の抑制
→ 糖新生をするために必要な酵素の「PEPCK(ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ)」や「グルコース6ホスファターゼ」の発現を抑制
◎AMPKの”3つ”の活性トリガー
①運動
→ ATPを消費することでAMPKが活性化する
②サイトカインの上昇
→ アディポネクチンやレプチン等の分泌で活性化する
「減量中は細かく食事をしたほうがいい」という理由は、AMPKを活性化する「レプチン」が分泌されるため。
③栄養摂取
→ ATP消費を促したり、アディポネクチンを増やしたりする栄養素の摂取
例)βコングリシニン(2,000mg)、EPA(800mg)、ヘスペリジン(200mg)、マグネシウム(340mg)、EGCg(400mg)
■AMPKのデメリット
AMPKを活性化させると、さまざまな”メリット”があると解説してきました。
しかし、メリットがあればデメリットもあるのが世の常。
AMPKにもデメリットがあります。
◎AMPKの活性で「mTORc1」の働きが抑制される
AMPKの活性が継続すると「mTORc1」の働きが抑制されてしまいます。
「mTORc1」は、筋タンパク合成のスイッチのような働きをするものです。
ですので、トレーニングをしていて、筋肉を増やしたい人はAMPKは活性させすぎない方がいいかもしれません。
◎無酸素運動ではmTORc1は抑制されない?
AMPKの活性が継続すると、mTORc1は抑制されます。
しかし、無酸素運動に関しては、そこまで気にする必要はありません。
なぜなら、無酸素運動では、AMPKよりもmTORc1の活性の方が強く働くからです。
特にオーバーカロリーのときは、mTORc1の働きが強くなるので、AMPKの活性は気にする必要はないでしょう。
■筋肉を減らさずAMPKを活性させる運動
繰り返しになりますが、AMPKを活性させるとエネルギー産生は促進するものの、mTORc1の働きは抑制してしまいます。
AMPKとmTORc1はシーソーのような関係になっているからです。
筋肉を大きくしたい人は、「脂肪は燃焼したいけど、筋肉は減らしたくない」このように思っています。
では、どのような運動をすれば、AMPKとmTORc1両方の恩恵を受けることができるのか?
◎週2〜3回の全身トレーニング
AMPKとmTORc1の両方の恩恵を受けるための運動は、以下の通りです。
・週2〜3回のフルボディワークアウト
・運動時間は30〜60分
・1RMが50%以上の重量を扱う(理想は60〜70%)
・無酸素運動
◎重要なのはATPをたくさん消費すること
AMPKを活性化させつつ、mTORc1を抑制させないために重要なのは、「ATP供給における糖質の比率を上げること」です。
ATPは一度作られると、1分以内になくなってしまいます。
安静時は、80%が脂質、20%が糖質をエネルギーにしています。
このバランスは、運動をすることにより糖質の割合が上がっていきます。
そうすると、ATPがたくさん作られて消費される量も増え、AMPKが活性化するので、よりAMPKの恩恵を受けることができます。
要するに、ATPをたくさん消費する無酸素運動をすることで、AMPKとmTORc1の両方の恩恵を受けることができるということです。
まとめ
今回は、減量を効率良く行うためにも重要な「AMPK」について解説しました。
筋肉を減らさずAMPKの恩恵を受けるトレーニング方法を紹介しましたが、あくまで一例です。
筋肥大が目的の場合は、スプリットルーティンで一部位ずつトレーニングした方が良い場合もあります。
今回紹介したトレーニング方法はあくまでも、ダイエット目的の場合ですので、自分の目的に合った方法でトレーニングをしましょう。
◎要点まとめ
要点まとめ
✓AMPKの具体的な働き
・グルコースの取り込み
・脂質代謝の向上
・ケトン体の生成
・コレステロールの合成を阻害
・糖新生の抑制
✓AMPKの”3つ”の活性トリガー
①運動
②サイトカインの上昇
③栄養摂取
✓AMPK活性化のデメリット
・mTORc1の働きを抑制する
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事が、あなたのお役に立つことができたのなら幸いです。