カカオ95%は、ほとんど「砂」
この記事を読むと分かること
- ダイエット中にチョコレートって食べてもいいの?
- チョコレートが「ダイエットに良い」と言われる理由
- チョコレートの恩恵を受けられる人とは?
筋トレ歴6年、2019年JBBFメンズフィジーク”県2位”
栄養の学校NNCやセミナー、書籍、論文などで「栄養学」を学んでいる、栄養オタクトレーニーです。
昨今、カカオ90%を超えるような「高カカオポリフェノールのチョコレート」が、手軽に買えるようになってきました。
「カカオ〇%以上のチョコレートはダイエットに効果的⁉」
「高カカオのチョコレートは太らない!」
このようなこと聞いたことないでしょうか?
商品のパッケージにも「美と健康を考えた」など書かれていますが、本当に健康&ダイエットに効果があるのでしょうか?
この記事を読めば、「チョコレートは本当に健康&ダイエットに効果があるのか?」を正しく理解することができます。
■チョコレートは健康&ダイエットに効果的ってホント?
チョコレートは健康&ダイエットに効果があるのか?
結論から言うと、健康には効果的だけど、ダイエットには効果的ではありません。
チョコレートに含まれる「カカオポリフェノール」は健康には効果的です。
しかし、PFCバランスを見ると、ダイエット中は控えたほうがいいということが分かります。
◎チョコレート(60gあたり)のPFCバランス
☆「ミルクチョコレート」
カロリー:335kcal(60gあたり)
P:4g(16kcal)
F:20g(184kcal)
C:33g(133kcal)
☆「高カカオチョコレート」
カロリー:336kcal(60gあたり)
P:6g(24kcal)
F:24g(216kcal)
C:26g(104kcal)
カカオポリフェノール(1,524g)
◎チョコレートはダイエット向きではない
チョコレートのカロリーの違いは、「ミルク」が多く含まれているか「カカオマス」が多く含まれているかです。
市販のミルクチョコレートには「砂糖」が多く添加されています。
パッケージの裏の成分表示は、一番手前に書かれているほど含有量が多いです。
また、ビターチョコレート(高カカオ)ほど脂質が高く、糖質が低くなっています。
上記のPFCバランスをみても分かるように、チョコレートはどう考えてもダイエットに向いてるとは言えません。
◎カカオポリフェノールはダイエットに効果的なのか?
チョコレートのポリフェノールは「ダイエット効果があるのでは?」ということで、ある研究が行われました。
☆チョコレート摂取による健康効果に関する研究
市民347名(45~69歳の男性123名、女性224名)
1日に5gの「カカオ72 %チョコレート」を5枚(150 kcal)を4週間摂取
4週間後、体重や体組成、BMIに変化がなかった
また、他の研究でも「チョコレートはダイエットに効果的ではない」と結論づけています。
◎ダイエットに効果的と言われた理由
チョコレートがダイエットに効果的と言われるのには理由があります。
カカオポリフェノールは、LDL(悪玉)コレステロールを下げることが明確だからです。
コレステロールが下がる → 体重が落ちる → ダイエットに効果的
知識のない人がこのように”勘違いしている”のです。
◎コレステロールと体脂肪は別もの
コレステロールは”敵扱い”されることが多いですが、ホルモンの生成など体に必要不可欠なものです。
例えば、テストステロンなどの性ホルモンは、コレステロールから作られます。
体脂肪は、体を動かすためのエネルギーとして使われます。
コレステロールとは、全くの別ものです。
つまり、コレステロールが減ったからといって、体脂肪が減るわけではないのです。
LDLコレステロール(悪玉)は多すぎないほうがよくて、HDLコレステロール(善玉)はある程度の量が必要、ということですね。
■「カカオポリフェノール」を摂ったほうがいい人3選
上記で、「チョコレートはダイエットには効果がない」と解説しました。
ここからは、カカオポリフェノールを摂ったほうがいい人3選を解説します。
◎「高血圧」の人
カカオポリフェノールには、血管内の炎症を抑えて、血圧を下げる効果があります。
血管の内側の腫れを抑制し、血圧を正常の値に戻すことができるのです。
ただし、高カカオポリフェノールのもの(カカオ72%以上)に限ります。
600 mg程度のカカオポリフェノール(日本の公定法)を摂取した試験で血圧に良い結果が出たとの報告があります。
上が140、下が90以上の、高血圧気味の人は、高カカオのチョコレートを摂るとよいでしょう。
◎「抗酸化作用」を求めてる人
LDL(悪玉)コレステロールが酸化すると、免疫システムにある細胞のマクロファージが食べるということが起きてしまいます。
コレ自体はいいことですが、このとき血管の内皮に付着するゴミみたいなものを発生させます。
このゴミが、血管内皮に付着することで血管をせまくして、実質的に血圧を上げてしまうということが起きるのです。
全てのポリフェノールに言えるのですが、LDL(悪玉)コレステロールの酸化を防ぐ効果があります。
カカオポリフェノールも例外ではありません。
老化、疲労、さまざまな病気の原因になる、過酸化脂質の増加を防ぎます。
抗酸化作用を求める人は、カカオポリフェノールが効果的です。
→ 関連記事「老化の原因にもなる酸化のメカニズム」
◎「脳機能」を向上させたい人
40歳以上の人の「脳機能を向上させた」という報告があります。
これは、含有成分の「テオブロミン」が交感神経・副交感神経の波を安定化させるからです。
また、カカオポリフェノールは、BDNF(脳由来神経栄養因子)を増やします。
「BDNF(脳由来神経栄養因子)」は、”脳の栄養”になって、脳細胞を増やします。
「脳」を”植物”だとすると「BDNF」は”肥料”のようなものだと思ってください。
「BDFF(脳由来神経栄養因子)」が分泌すると、記憶力や集中力の向上、アイデアが出るなど、脳に活力を与えてくれます。
また、同時に分泌される「ドーパミン」にも、記憶力や集中力を向上させる効果があります。
脳機能を向上させたい人は、高カカオのチョコレートを食べるようするといいでしょう。
■まとめ【なんでも適量が大事】
今回は「チョコレートは健康&ダイエットに効果的ってホント?」
これについて解説しました。
結論は、チョコレートの摂取は「健康には効果的だけど、ダイエットには全く向いていない」でした。
高血圧の人や抗酸化作用を求めてる人は、高カカオのチョコレートを1日に4〜5枚くらいを目安に摂取するとよいでしょう。
ダイエットをしている人は、チョコレートはしばらく我慢ですね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事があなたのお役に立つことができたのなら幸いです。