栄養学 栄養素解説

『カルシウム不足』は筋力を低下させる!?カルシウムが筋トレに必要不可欠な理由

✔︎ この記事で解決できるお悩み

•カルシウムが筋トレに必要な理由が知りたい!

•カルシウムにはどんな効果があるの?

• 摂取方法と過剰摂取について知りたい!

趣味筋肉
こんな悩みを解決できる記事を書きました。

今回の記事は、筋肉博士”山本義徳”先生の書籍『アスリートのための最新栄養学(下)』を参考にしています。

 

「カルシウムなんて、骨や歯をつくるだけで、筋トレとは関係ない」

と、思っている人、そんなことありません。

 

「カルシウム」と「筋トレ」は、大きく関係しています。

この記事を読むことで、『カルシウムは、骨や歯をつくる以外にも大事な働きがある』ということが分かりますよ。

 

『カルシウム不足』は筋力を低下させる!?

「カルシウム不足」になると、筋力が低下します。

なぜなら、『筋肉の収縮の“シグナル“となっているのは、カルシウムイオン』だからです。

 

カルシウム不足になると、「カルシウムイオン」も不足して、筋力の低下が起きるのです。

※「カルシウムイオン」については、のちほど解説します。

 

まずは、『カルシウム』について、詳しく解説していきます。

 

カルシウムとは?

「カルシウム」は、”16種類の必須ミネラル”の中のひとつです。

『必須ミネラル』

  • カルシウム
  • ナトリウム
  • カリウム
  • 亜鉛
  • マグネシウム
  • マンガン
  • セレニウム
  • ヨウ素
  • モリブデン
  • リン
  • クロミウム
  • 硫黄
  • 塩素
  • コバルト

 

カルシウムは、体内に最も多く存在するミネラル(無機で、「体重の1〜2%」を占めています。

そのうち、「99%は”骨”と”歯”」です。

「残りの1%は、血液や細胞外液」にあり、さまざまな生体機能を担っています。

 

カルシウムといえば、「骨」や「歯」をつくることで知られています。

ですがそのほかにも、筋収縮や神経伝達、体液のpHの調整、血液凝固など重要な働きがあります。

そのためカルシウムは、簡単に不足しないように『骨に蓄えられている』のです。

 

カルシウムを多く含む食材:乳製品、小魚、海藻類、切り干し大根など

 

カルシウムの「効果」

•(1)カルシウムイオンが筋肉を収縮させる

•(2)神経伝達に使われる

•(3)血液を固める

•(4)を強くして、骨粗しょう症を予防する

それでは、ひとつずつ解説していきますね。

 

(1)カルシウムイオンが筋肉を収縮させる

筋肉が収縮するときは、まず脳から「筋肉を収縮せよ」という指令が筋肉に出されます。

 

そうすると、筋肉の「筋小胞体」というところから”カルシウムイオンが放出"され筋肉が収縮します。

ですので、カルシウムが不足すると、“筋力の低下“や、“筋肉の痙攣“が起きたりします。

 

ちなみに「カフェイン」には、"カルシウムイオンの放出を増やす作用"があるので、それに伴い筋力も向上するのです。

 

(2)神経伝達に使われる

カルシウムは、たくさんの「代謝」に関係しています。

炎症、筋収縮、記憶、免疫反応、アポトーシス、などのさまざま代謝で、伝達物質として働きます。

 

(3)血液を固める

出血をすると、まず「血小板」が傷の修復をします。

次に「フィブリン」という物質が、血小板と結びついて血液が固まります。

カルシウムイオンは、この「フィブリン」を作るときに必要になります。

 

ですので、カルシウムが不足すると、血液を固めることができなくなります。

 

(4)骨を強くして、骨粗しょう症を予防する

血液中の"カルシウム濃度"は、「2.5mM」という数値に厳正に保たれています。

 

血液中のカルシウムが不足すると、『パラソルモン(副甲状腺ホルモン)』という物質が分泌されます。

そうすると、「骨からカルシウムを取り出して血液中のカルシウム濃度を高めよう」とします。

 

つまり、血液中のカルシウム濃度を高めておけば、骨の強度を維持することができ、骨粗しょう症の予防になるということです。

 

『カルシウム・パラドックス』とは

繰り返しになりますが、カルシウム不足になると「パラソルモン」が分泌され、骨からカルシウムを取り出してしまいます。

このとき、“足りない分だけのカルシウム“を取り出せば良いのですが、保険として「必要な量より多くのカルシウムを骨から取り出してしまう」のです。

そうすると、骨は脆くなり、余ったカルシウムは血管に付着し、動脈硬化の原因になります。

 

逆に、カルシウムを多く摂取している地域では、「骨折や骨粗しょう症が多い」というデータがあります。

さらに、カルシウムの摂取により、心臓血管系疾患のリスクが高くなるという報告もあります。

 

このような、いくつかの逆説的な現象を『カルシウム・パラドックス』と呼んでいます。

つまり、カルシウムは「多すぎても、少なすぎてもダメ」ということです。

 

カルシウムの「摂取方法」

厚生労働省が定める推奨摂取量

• 男性:800mg

• 女性:650mg

ちなみに、「牛乳200ml」に含まれるカルシウムの量は「220mg」です。

 

厚生労働省の調査では、「男性で520mg、女性で489mg」が平均の摂取量になっています。

普通の食事だけでは「カルシウムの摂取は足りていない」と言うことです。

ですので、普通の食事にプラスして、サプリメントで、「200〜300mg」を目安に摂取をすると良いでしょう。

→ オススメの「カルシウム+マグネシウム」はこちら

 

サプリメントとして摂取する場合、「炭酸カルシウム」は吸収されにくいです。

吸収されやすい「クエン酸カルシウム」「酢酸カルシウム」を摂りましょう。

 

「カルシウムのサプリメント」で摂取するのも良いですが、「ホエイプロテイン」にもカルシウムは含まれます。

ホエイプロテイン100gあたり、「250〜400mg」くらい含まれます。

ですので、ホエイプロテインを大量に飲む人は、カルシウム不足の心配はありません。

 

 

カルシウムを摂取するときのポイント

カルシウムは、“吸収率が悪い“です。

摂取したカルシウムの、「30%程度」しか吸収されないと言われています。

 

そのため、カルシウムを摂るときのポイントを紹介します。

•(1)ビタミンDを同時に摂取する

•(2)過剰摂取は危険

•(3)マグネシウムとのバランスが大事

•(4)カルシウムの吸収を妨げる食品もある

それでは、ひとつずつ解説していきますね。

 

(1)ビタミンDを同時に摂取する

ビタミンDを摂取することにより、吸収率を上げることができます。

ビタミンDを「1日に1,000〜2,000IU」程度、摂るようにしましょう。

カルシウム単体の摂取より、ビタミンDと併用したほうが、”骨折”や”骨粗しょう症”になりにくくなるといわれています。

→ 『筋トレしてる人にオススメのビタミンD』についてはこちら

 

(2)過剰摂取は危険

上記で解説した、カルシウム・パラドックス』が起こるからです。

 

カルシウムを多く摂っている地域では、骨折や骨粗しょう症が多いというデータがあります。

そして、心臓血管系疾患のリスクが高くなるともいわれています。

繰り返しになりますが、カルシウムは「多すぎても、少なすぎてもダメ」ということです。

 

(3)マグネシウムとのバランスが大事

体内の「カルシウムとマグネシウムの適切なバランス」は、「2:1」です。

 

カルシウム:マグネシウム」=「2:1」のバランスで摂りましょう。

 

カルシウムといえば「牛乳」ですが、マグネシウムとのバランスがめちゃめちゃ悪いです。

「カルシウム 10」:「マグネシウム 1」くらいの割合です。

牛乳を飲む人は、マグネシウムが豊富な「ナッツ類」を食べるようにすると良いでしょう。

 

(4)カルシウムの吸収を妨げる食品もある

玄米などに含まれる「フィチン酸」、ほうれん草などに含まれる「シュウ酸」は、カルシウムの吸収を妨げます。

カフェイン」や「食物繊維」も吸収を妨げます。

 

ですので、カルシウムを摂取するときは、これらと一緒に摂取しないようにしましょう。

 

カルシウムは適切な量を摂取しよう!

5大栄養素の中の「ビタミン」は、基本的に過剰摂取の心配がないので、『メガビタミン』という「大量にビタミンを摂取する方法」が薦められています。

→ 『メガビタミンのやり方』はこちら

 

ですが、『必須ミネラルのカルシウムは、過剰摂取の恐れ』があります。

「カルシウムは、筋トレの効果を上げてくれる」といって、過剰に摂取するのはやめましょう。

 

ここまで、この記事を読んでくれた方は、『カルシウム』について正しい知識が身に付いたと思います。

ですので、正しい知識でカルシウムを摂取して、安全にかつ十分な効果を得てください!

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趣味筋肉(しゅみきん)

筋肉・栄養オタク|2019年JBBFメンズフィジーク県2位|フィットネスライター|筋トレ初心者でも”即実践可能な栄養学”を発信|健康的にバルクアップ・ダイエットしたい人向けの栄養記事を書いてます!|月間5万PV以上

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