この記事を読むと分かること
・婦人科系疾患とは
・生理痛を引き起こす主な原因
・生理痛を緩和する栄養学的アプローチの方法
「毎月の生理痛がひどすぎる…」
もしかしたら、このような方は「婦人科系疾患」の可能性があるかもしれません。
ほとんどの人の場合、重い生理痛は、炎症物質の「プロスタグランジン」の過剰分泌が原因です。
しかし、少数の方は”子宮に異常”がある場合があります。
この記事を読むことで、婦人科系疾患について理解でき、症状に対する栄養学的アプローチが可能になります。
■婦人科系疾患とは?
婦人科系疾患とは、1つの症状のことではなく、複数の症状・病気を総称した疾患のことです。
・子宮筋腫
・子宮内膜症
・性器脱(子宮脱、膣脱)
・子宮頸がん
・子宮体がん
・卵巣がん など
上記のように、たくさんの症状・病気をまとめて「婦人科系疾患」といいます。
この記事では、多くの方が似た原因で発症する『子宮筋腫・子宮内膜症』に関して『生理痛』の緩和に絡めてお伝えします。
◎子宮筋腫とは?
子宮を構成している平滑筋に、良性の腫瘍が発生している状態です。
”若い方から閉経後”の女性まで、幅広く見られる症状です。
軽い症状の場合は気づきにくく、健康診断で初めて発症が判明することも多いと報告されています。
◎子宮内膜症とは?
子宮内膜とは、子宮内膜に類似する組織が、子宮内腔以外の部位で発生・発育する症状のことです。
”20〜40代の月経のある女性”の7〜10%に見られます。
症状としては、月経困難症、下腹部痛、重い生理痛、不妊症状、不正出血などが挙げられます。
また、年齢が高い場合や症状が進んでいる場合は、卵巣がんになる確率が高くなるため注意が必要です。
◎子宮筋腫・子宮内膜症の「原因」
子宮筋腫・子宮内膜症の原因は『エストロゲンの過剰分泌』です。
本来、エストロゲンとプロゲステロンのバランスは、月経周期に合わせて上がったり下がったりします。
しかし、食事や生活習慣の乱れにより、どちらか一方が過剰分泌してしまうことがあります。
その結果、子宮筋腫や子宮内膜症を引き起こしてしまうのです。
食事・生活習慣の乱れ
↓
エストロゲンの過剰分泌
↓
子宮筋腫・子宮内膜症を引き起こす
■子宮筋腫・子宮内膜症に対する栄養学的アプローチ
参考文献:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8224039/
子宮筋腫・子宮内膜症の方のNGな食事は、エストロゲンを多く作ってしまう食事です。
エストロゲンを作ってしまう食事は、ホルモンバランスの乱れに繋がるので控えるようにしましょう。
◎エストロゲンを作ってしまう食事はNG
エストロゲンの材料は、『動物性のコレステロール』です。
そのため、肉類・卵などで、脂質が多いものは控えるべきです。
しかし、脂質はエストロゲン以外にも大事なホルモンを作ったり、エネルギーとして使われたりする重要な栄養素です。
厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」でも、脂質は1日の”総摂取カロリーの20%は必要”と定めています。
◎何から脂質を摂るべきか?
・「魚」に含まれる脂質
・「植物性」の脂質(大豆がオススメ)
特に大豆は、植物性の脂質だけでなく、「バイオフラボノイド」というエストロゲンに近い物質を含んでいます。
バイオフラボノイドは、エストロゲン受容体と結びつくことができるので、その分エストロゲン自体の生理活性が弱まります。
バイオフラボノイドは、エストロゲンよりも体への作用が弱いです。
そのため、体への悪影響は小さくなります。
大豆を摂取
↓
バイオフラボノイドがエストロゲン受容体と結合
↓
エストロゲンの活性を抑制
■子宮筋腫・重い生理痛の原因
子宮筋腫・重い生理痛の原因は「プロスタグランジン」という炎症性の物質です。
プロスタグランジンには種類がありますが、特に『プロスタグランジンF2α』が、子宮筋腫に伴う生理痛の原因になります。
プロスタグランジンF2αは、筋肉を収縮させる働きを持ち、過剰になると痛みの原因になります。
◎プロスタグランジンF2αを生成する食事
プロスタグランジンF2αを生成する食事が、肉類・乳製品です。
ですので、1日の食事で、”肉類・乳製品”の摂りすぎには注意しましょう。
その他にも、”アルコール・カフェイン等”の刺激性の物質も控えるようにしましょう。
刺激性の物質には、炎暑性のサイトカイン(プロスタグランジンなど)を活発にしてしまう作用があるからです。
アルコールを摂取
↓
肝臓でアルコールを分解
↓
肝臓がエストロゲンの分解に働きにくくなる
※エストロゲンの一部は肝臓で代謝をされる
◎子宮内膜症に伴う重い生理痛の原因
重い生理痛をお持ちの方は、
・子宮内膜内の”細胞の数”が少ない
・子宮内膜内の”細胞分裂”が少ない
このような可能性があります。
細胞がたくさんあると、エストロゲンやプロスタグランジンを代謝することが可能です。
しかし、細胞の数が少ないと上手く代謝できないため、エストロゲンやプロスタグランジンが過剰になってしまいます。
すると、痛みが発生してしまう、となるのです。
◎細胞の数を増やす栄養素
・亜鉛
→ 1日に「8mg」
・タンパク質
→1日に「体重×1g」
◎プロスタグランジンを抑える栄養素
・EGCg
→ 1日に「500mg」
・EPA
→ EPA+DHAとして1日に「1,000〜2,000mg」
■まとめ
生理痛の原因・改善方法には個人差があります。
そのため、自分にあった改善方法を見つけることが大事です。
下記の記事でも、生理痛について解説していますので、参考にしてみてください。
◎要点まとめ
要点まとめ
✓控えるべき物質
・脂の多い肉類
・乳製品
・アルコール
・カフェイン
✓摂るべき物質
・植物性の脂質
・タンパク質
・亜鉛
・EGCg
・EPA
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事が、あなたのお役に立つことができたのなら幸いです。