髪の毛はタンパク質
この記事を読むと分かること
- 「食事と脱毛の関係性」という論文
- 脱毛症(ハゲ)の原因
- 脱毛症(ハゲ)を栄養学的アプローチ
「わかめ、ひじきが髪の毛に良い」
このようなことを聞いたことあると思います。
多くの人が悩んでいる、永遠の課題「脱毛症(ハゲ)」
少し前まで、脱毛は老化現象の一部だと言われていました。
しかし近年、脱毛を改善するためのクリニックが出てくるなど「疾病の一つ」として扱われるようになっています。
この記事では、脱毛症を改善するための栄養学的アプローチを紹介しています。
脱毛症(ハゲ)が気になる人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
■脱毛症とは?
脱毛症とは、読んで字のごとく「髪の毛が抜けてしまう症状のこと」です。
年齢とともに髪の毛が薄くなっていくのは自然の摂理ですが、若い人の脱毛症は”疾病”と呼んでいいでしょう。
今回は、2017年に発表された「食事と脱毛の関係性」という論文を参考にして解説します。
→ 参考論文
◎特定の栄養素で髪の毛を増やすことは可能か?
結論からいうと、髪の毛を増やす特定の栄養素というのは存在しません。
なぜなら、脱毛・薄毛の原因は人それぞれだからです。
脱毛・薄毛で悩んでいる時に、誇大広告に騙されないように注意してください。
■脱毛症(ハゲ)の”4つ”の原因
脱毛症(ハゲ)の原因は主に4つです。
- 頭皮環境の悪化
- 心理的なストレス
- 疾病や投薬の副作用
- 遺伝的要因
一つずつ解説していきます。
①頭皮環境の悪化
脱毛症の原因の中では、改善が比較的に安易な「頭皮環境の悪化」
頭皮環境の悪化は、栄養不足や過剰摂取によって発生します。
特に、脂質やアルコールの過剰摂取は、頭皮環境の悪化に大きく関わります。
他にも、ホルモンの乱れ、脂漏、血液循環不良、血流の圧迫なんかも頭皮環境の悪化の原因です。
②心理的なストレス
職場や家庭内などで心理的なストレスが加わると、自律神経が乱れて脱毛症になる可能性が上がります。
「円形性脱毛症」なんかは、代表的な例ですね。
③疾病や投薬の副作用
脱毛症以外の疾病や薬の投与が原因で、髪の毛が抜けてしまうことがあります。
「抗がん剤」が、代表的な例です。
抗がん剤は、活発な細胞の働きを抑制します。
また、活発な細胞であるほど、細胞の分裂抑制が起こりやすく、部位ごとに症状の差を発生させます。
若い人のほうが副作用を受けやすいとされているのは、このためですね。
抗がん剤は、髪を増やすのに活性が必要な「毛乳頭細胞」の働きも留めてしまう作用があります。
④遺伝的要因
どんなに良い栄養摂取や生活習慣をしていても、遺伝的要因で改善されない場合もあります。
遺伝的要因でハゲちゃった場合は、筋トレしてジェイソン・ステイサムのように「かっこいいハゲ」を目指しましょう。
■脱毛症には種類がある
☆脱毛症の種類
- AGA
- 円形性脱毛症
- 脂漏性脱毛症(脂が詰まる)
- ひこう性脱毛症(フケが詰まる)
- 産後脱毛症
- FAGA(女性男性型脱毛症)
この中でも「AGA」「FAGA」「産後脱毛症」は、栄養不足または過剰摂取によるものが多いです。
◎髪の毛が抜けるサイクル
2〜6年(成長期):髪の毛は伸び続ける
↓
2週間(移行期):髪の毛が退化
↓
3ヶ月(休止期):髪の毛が抜ける(脱毛)
髪の毛が抜けること自体は特別なことではなく、自然の摂理です。
どんなに健康であっても、1日に50〜100本は脱毛します。
ちなみに、脱毛サロンでは毛乳頭細胞を焼くことで、これ以上毛を生えなくさせています。
■脱毛症(ハゲ)を栄養学的アプローチ
脱毛症(ハゲ)に必要な栄養素はたくさんあります。
- タンパク質
- ビタミンC・E
- カプサイシン
- イソフラボン
- NO系
- EPA など
この中でも、比較的重要で汎用性の高い栄養素を”3つ”紹介します。
①鉄分
今回紹介した論文では、「AGA」「FAGA」「産後脱毛症」の人は、鉄分が少ない傾向にあると発表しています。
鉄分は、世界三大欠乏栄養の一つでもあるので、鉄分が少ないと感じる人は摂取するのをオススメします。
→ 関連記事「筋トレしてる人に鉄は必要ない?鉄分の効果や摂取方法」
②メチオニン
メチオニンは、人間の体内では作れない9つの必須アミノ酸の一つです。
「髪の毛はタンパク質からできている」
このように言われています。
髪の毛の材料は「ケラチン」というタンパク質です。
そして、ケラチンはシスチンから作られており、シスチンはメチオニンから作られます。
メチオニン → シスチン → ケラチン → 髪の毛
要するに、髪の毛の材料になるケラチンの大元の「メチオニン」を多く含む、肉や魚を食べましょう。ということです。
③亜鉛
繰り返しになりますが、髪の毛はケラチンというタンパク質からできています。
「亜鉛」は、シスチンからケラチンが作られる時の、代謝酵素、補酵素として使われるのです。
脱毛症を患っている312名の方は、血中の”亜鉛濃度が顕著に低かった”という研究もあります。
→ 関連記事「亜鉛の効果や摂取方法」
◎緊急の人は「育毛剤」
緊急的になんとかしたいという人は、思い切って育毛剤を使いましょう。
- ヒノキチオール
- プリドキシン塩酸塩
- カルプロニウム塩化水和物
これらのものは、ある程度有効性は評価されているので、試してみる価値はあるんじゃないでしょうか。
■まとめ【ワカメとハゲは無関係】
今回は、脱毛症(ハゲ)について解説しました。
「ワカメ、ひじきが髪の毛に良い」
これは、都市伝説だと思ってください。
髪の毛はタンパク質からできているので、ワカメやひじきは関係ありません。
ミネラルを多く含んでいるので、代謝で少し使う程度です。
脱毛症に悩んでる人は、原因をできる限り明確にした上で、その人にあった栄養学的アプローチをするようにしましょう!
◎要点まとめ
最後に簡単にまとめておきます。
要点まとめ
☆脱毛症の原因
- 頭皮環境の悪化
- 心理的ストレス
- 疾病
- 投薬の副作用
- 遺伝
☆改善方法
原因をできる限り明確にした上で、その人にあった栄養学的アプローチをする
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事があなたのお役に立つことができたのなら幸いです。