塵も積もれば山となる
この記事を読むと分かること
- タンパク質の吸収効率を下げる”4つ”の食品
- 吸収効率を下げる理由
筋トレ6年目、2019年JBBFメンズフィジークでは”県2位”
オンラインサロンやセミナー、書籍、論文などで「栄養学」を学んでいる、栄養オタクトレーニーです。
あなたが摂取しているそのタンパク質、無駄になっていませんか?
タンパク質には、一緒に摂ると吸収効率を下げてしまう食品が存在します。
せっかく摂取したタンパク質を無駄にしたくないですよね?
この記事では、タンパク質の吸収効率を下げる”4つ”の食品を紹介しています。
摂取したタンパク質を無駄にしないためにも、ぜひ最後まで読んでみてください!
吸収効率を下げる”4つ”の食品
タンパク質は「摂取すればそのまま筋肉になる」というものではありません。
✓「タンパク質から筋肉になるまで」の流れ
タンパク質を摂取すると、さまざまな消化酵素が働き、アミノ酸にまで分解される。
分解されたアミノ酸は小腸で吸収され、血中アミノ酸濃度に反映。
そして、インスリンが働いて、血中のアミノ酸を筋肉や細胞内に送り込み、筋タンパク合成を行う。
この流れの中で「この食品を摂ると吸収効率を下げる」というものが存在します。
それでは、吸収効率を下げる食品4つを「なぜ吸収効率が下がるのか」ということも含め解説していきます。
→ 関連記事「タンパク質の消化・分解・吸収を活性させる”7つ”の方法」
◎「冷たい飲み物」
「冷たい飲み物」が、タンパク質の吸収効率を下げる理由は「胃酸の分泌が減る+酵素の働きが弱まる」からです。
タンパク質を消化・分解・吸収する過程で”3つ”の「酵素が働きます。
- 胃で働く「ペプシン」
- 膵液に乗って働く「トリプシン・キモトリプシン」
- 小腸で働く「アミノペプチダーゼ」
冷たい飲み物を飲むと、胃酸の分泌が抑制されてしまい「ペプシン」の働きが弱まります。
ペプシンの働きが弱まると、消化・分解がしずらくなり、結果的に小腸での吸収効率が下がるということです。
また、タンパク質を分解する「酵素」には、活性化しやすい温度(至適温度)があります。
タンパク質分解酵素の至適温度は”37度前後”です。
冷たい飲み物を飲むと体温が下がり、酵素の働きが弱まって吸収効率を下げてしまいます。
「胃酸の分泌が減る」
「酵素の働きが弱まる」
この2つの観点から、冷たい飲み物を飲むとタンパク質の吸収効率が下がると言えます。
◎「大豆製品」
「大豆製品」が、タンパク質の吸収効率を下げる理由は「大豆がトリプシンインヒビターを含む食品」だからです。
トリプシンインヒビターを摂ると、分解酵素である「トリプシン」の活性を抑えてしまいます。
そのため、タンパク質がうまく分解されず、吸収効率が下がってしまうのです。
ですので、大豆の摂りすぎには注意が必要になります。
ただし、トリプシンインヒビターは高温に弱いので、加熱処理を加えた食品なら気にしなくても大丈夫です。
ちなみに「大豆プロテインは吸収効率が悪い」と言われているのは、大豆にはこの「トリプシンインヒビター」を含んでいるからですね。
◎「アルコール」
「アルコール」が、タンパク質の吸収効率を下げる理由は「習慣的にアルコールを摂取しているとインスリンの感受性を下げてしまう」からです。
「インスリン」には、血中のアミノ酸やエネルギーを筋肉や必要な組織に運んでくれる役割があります。
このとき、どれだけたくさんのアミノ酸やエネルギーを取り込めるかは「インスリン感受性によって決まっている」のです。
アルコールを摂取すると、この「インスリン感受性」が弱まるので、結果的にタンパク質の吸収効率を下げるといえます。
ちなみに、1,371人の男性を対象に行われた研究では、週に4回以上お酒を飲む人は、全く飲まない人と比べて「インスリンの分泌能力が23%減少した」という結果になりました。
「アルコールを飲むと筋タンパク合成が低下する」という研究もあるので、筋肉を増やしたい人はアルコールは避けるのが無難でしょう。
→ 関連記事「百害あって一理なし『アルコール』が筋肉に与える悪影響」
◎「果物」
「果物」が、タンパク質の吸収効率を下げる理由は「インスリン抵抗性を高める」からです。
インスリンの働きが悪くなることを「インスリン抵抗性」といいます。
1,371人の男性を対象に行われた研究では、週に4回以上果物を食べている人は、そうでない人と比べて「インスリン抵抗性が13%高くなった」という結果になりました。
ですので、果物を習慣的に食べている人は注意が必要です。
しかし、このような実験はあるものの、1回の摂取で悪影響が出るということではありません。
「長期間、習慣的に摂取していると影響が出るかも」くらいです。
果物にはタンパク質分解酵素を含むような、むしろプラスに働くものもあります。
理論上、果物はタンパク質の吸収効率を下げると言えますが、そこまで気にする必要はないんじゃないかなと、個人的には思っています。
まとめ【あくまでも習慣的に摂取した場合に限る】
今回は、タンパク質の吸収効率を下げる”4つ”の食品を紹介しました。
1日のタンパク質の摂取が少ない人は、これら4つの食品は避けたほうがいいでしょう。
しかし、タンパク質を体重×2g〜3gくらい摂っている人は、気にする必要はありません。
今回の内容はあくまでも、「習慣的に摂取した場合に悪影響が出るかも」程度のものです。
今回の知識は、豆知識として覚えておくくらいが丁度いいでしょう。
◎要点まとめ
最後に簡単にまとめておきます。
要点まとめ
- タンパク質の吸収効率を下げる食品「冷たい飲み物」「大豆製品」「アルコール」「果物」
- 消化・分解・吸収を妨げる、またはインスリン感受性に影響すると、タンパク質の吸収効率が下がる
- 長期間、習慣的に摂取している人以外は心配する必要はない
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事があなたのお役に立つことができたのなら幸いです。