思ってるより厄介
この記事を読むと分かること
- 関節リウマチとは?
- 関節リウマチを発症しやすい人
- 関節リウマチの栄養学的アプローチ
「関節リウマチ」という言葉を聞いたことがあると思います。
この「関節リウマチ」は、思っているより厄介なのです。
症状が悪化すると、オペをしたり、人工関節へ入れ替えたり、セルフケアをしても痛みが継続するなど、とてもツライものです。
この記事では、関節リウマチに対して『栄養介入が可能なのか、痛みの軽減、進行の遅延、予防は可能なのか』を解説していきます。
■関節リウマチとは?
関節リウマチとは、免疫機能の異常(自己免疫疾患)により、手足の関節に腫れや痛みが出る症状のことです。
特徴として、「関節炎」という症状があります。
そのため、痛みだけでなく、炎症が起きて熱を持ち、だるさや熱っぽさが出ることもあります。
また、最悪の場合、関節だけでなく体の至るところ(目や肺など)まで症状が悪化することもあります。
◎関節リウマチは予防が可能なのか?
結論から言うと、関節リウマチの予防は「難しい」です。
多くのお医者様も、「関節リウマチの予防は”ほぼ不可能”」と言っています。
予防が難しい一番の理由は、「関節リウマチの原因が未だ判明していないため」です。
体質的に自己免疫疾患にかかりやすい方が、「”何らかが引き金”となり自己免疫異常を引き起こす」ということまでは分かっています。
しかし、”何らかの引き金”が、未だに判明していないのです。
◎関節リウマチは遺伝する?!
関節リウマチは、家庭内で引き継がれることが多い症状です。
しかし、強い遺伝があるというわけではありません。
ですので、家庭内に関節リウマチの方がいても、必ず遺伝するわけではありません。
◎関節リウマチはどんな人が発症しやすいのか?
参考:https://www.ayumi-pharma.com/ja/healthcare/rheumatism/library/about/
上記のグラフを見て分かる通り、30〜50代の女性が最も関節リウマチを発症しやすいと言えます。
人口1,000人に対して、発症比率は女性で5.4人/1,000人、男性で1.1人/1,000人です。
男性と女性で、”5倍”もの差があります。
◎関節リウマチの症状
・朝のこわばり
・関節炎
・腱鞘炎
・関節水腫
・滑液包炎
・関節変形 など
■関節リウマチの栄養学的アプローチ
関節リウマチが発症する原因が未だ判明していないので、栄養介入で予防することは難しいです。
ですので、関節リウマチに対してできる栄養学的アプローチは「症状を悪化させない」「併発する症状悪化の抑制」の2つです。
◎関節リウマチの治療方法
関節リウマチの治療方法として以下のものが挙げられます。
・薬剤治療
・手術
・リハビリテーション
・セルフケア(栄養介入)
◎関節リウマチが悪化する原因
関節リウマチが悪化する一番の原因は、「炎症性サイトカインの増加」です。
炎症性サイトカインとは、炎症を引き起こす引き金となるもの(IL-1、TNF α、IL-6、中性プロテアーゼなど)のことです。
この炎症性サイトカインが増えることを抑えることで、理論的には関節リウマチの悪化を防ぐことができると言えます。
◎炎症性サイトカインが増えると起こる症状
炎症性サイトカインが増えすぎると、破骨細胞(骨を壊す細胞)が活性化し、壊れる骨の量を増やします。
40代以降の女性は、骨粗鬆症のリスクもあるので、炎症性サイトカインの増殖はなるべく抑えたいところです。
◎炎症性サイトカインの活性を抑える栄養素
・EPA:1,200mg/日
→ 炎症性サイトカインの活性が約28〜30%抑制できる
・シリマリン:400mg/日
→ EPAと同じく、炎症性サイトカインの活性を抑制できる
・CLA(共役リノール酸):3,000mg/日
→ TNF αなどの炎症性サイトカインを抑制する
・ポリフェノール
→ 果実エキスなど抗酸化作用がある
上記のような、炎症性サイトカインを抑制できる栄養素を毎日摂取することで、理論上の症状の進行は抑えることが可能です。
◎併発症状を抑える栄養素
・ビタミンD
・ビタミンK
・オメガ3
・カルシウム
・マグネシウム
・鉄
上記の栄養素を摂取することにより、慢性関節リウマチの併発症状として出てくる「骨粗鬆症」のリスクを抑えることができます。
しかし、これらの栄養摂取は、関節リウマチを根本的に解決するものではありません。
あくまでも、関連症状をサポートするための栄養摂取です。
◎その他の注意点
関節リウマチの症状を悪化させないための栄養介入も大事ですが、もう一つ大事なことがあります。
それは”適正な体重の維持”です。
過体重は、関節への負荷が増えるため、関節同士が擦れて炎症反応が活発化します。
ですので、プラスで栄養を摂取するだけでなく、適正なカロリーコントロールをして、体重を平均にとどめておくことが大事です。
また、ステロイド治療の副作用に対しても、個々人での栄養介入が必要です。
ステロイド治療の副作用として、血圧の上昇・感染症・脂質代謝異常・骨粗鬆症などの症状があります。
■まとめ
今回は、関節リウマチに対する栄養学的アプローチを解説しました。
結論としては、関節リウマチに対する”1つの正解のアプローチ方法”というのはありません。
ですので、個々人の症状に合わせたアプローチが必要になります。
関節リウマチは、100%予防することは難しいものの、症状に合わせての栄養介入は可能ですので、今回の内容をぜひ参考にしてみてください。
◎要点まとめ
要点まとめ
✓関節リウマチへの栄養学的アプローチ
関節リウマチは、100%予防することは難しいものの、症状に合わせての栄養介入は可能
✓働きが期待できる栄養素
- EPA
- シリマリン
- CLA(共役リノール酸)
- ポリフェノール
- ビタミンD
- ビタミンK
- カルシウム
- マグネシウム
- 鉄
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事が、あなたのお役に立つことができたのなら幸いです。