結局は「カロリー収支」
この記事を読むと分かること
- お酒は「エンプティカロリー」だから太らない?
- お酒の種類と内臓脂肪の関係
- ぽっこりお腹にならないためにどうすればいいのか?
筋トレ歴6年、2019年JBBFメンズフィジーク”県2位”
オンラインサロンやセミナー、書籍、論文などで「栄養学」を学んでいる、栄養オタクトレーニーです。
「お酒はエンプティカロリーだから太らない」
「蒸留酒なら太らない」
この考え方は、完全に間違っています。
なぜなら、人間が太るほとんどの原因は「お酒ではなく”食べ過ぎ”」だからです。
この記事を読めば、お酒の種類とぽっこりお腹の関係性を知ることができ、ぽっこりお腹を予防・改善することができます。
習慣的にお酒を飲む人、現在ぽっこりお腹で悩んでる人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
→ 関連記事「ぽっこりお腹を解消!お腹周りだけ脂肪がつく”原因と対策”」
■お酒は「エンプティカロリー」だから太らない?
「エンプティカロリー」は、その名の通り「空っぽのカロリー」という意味です。
しかし、空っぽのカロリーとは言ったものの「エネルギーとしての価値がない」だけで、カロリー自体は存在します。
アルコール1gあたり = 7kcal
※ 糖質・タンパク質1gあたり = 4kcal
※ 脂質1gあたり = 9kcal
つまり、エンプティカロリーでも「摂りすぎれば普通に太る(ぽっこりお腹になる)」ということです。
◎蒸留酒なら大丈夫と言われる理由
蒸留酒:ウイスキー、ブランデー、焼酎、ウォッカ、ジンなど
「蒸留酒なら飲んでも大丈夫!」
このように言われる理由は、ビールやワインなんかと比べると「糖質の量が少ないから」です。
✓「醸造酒(350ml)」の糖質量
- ビール:13.3g
- 日本酒:12.6g
- 赤ワイン:5.3g
✓「蒸留酒(350ml)」の糖質量
- ハイボール:0g
- 焼酎:0g
- ジン:1.2g
確かに、この糖質量の差を見ると、蒸留酒なら太らなそうですよね。
ですが、上記でも説明したように、アルコール自体にカロリーはあるので、摂りすぎれば普通に太ります。
✓お酒の「カロリー」
- 生ビール(350ml):約140kcal
- ハイボール(350ml):約70kcal
醸造酒のビールと比べて、蒸留酒のハイボールは、糖質が少ない分カロリーは少なくなっています。
しかし、「蒸留酒なら太らない」ということではありません。
蒸留酒にもカロリーがあるので「醸造酒と比べると太りにくい」というのが、正しい言い方になります。
◎食べたものがそのまま「体脂肪」になる
✓ アルコールの「代謝経路」
アルコール → アセトアルデヒド → 酢酸 → 水と二酸化炭素 →熱エネルギーとして放出
摂取したお酒は、体内でいろんな反応を起こし、最終的には「水」と「二酸化炭素」にまで分解され「熱エネルギー」として体外に放出されます。
また、アルコールに含むエンプティカロリーは、エネルギーとしての価値がありません。
ですので、アルコールは、摂取すると優先的に「代謝」されます。
そのため、お酒を飲むと、体脂肪がうまく使われず「そのとき食べているものがそのまま体脂肪になる」ということです。
ちなみに、お酒を飲むと体が熱くなるのは、この熱エネルギーが関係しています。
◎ぽっこりお腹の原因はお酒ではなく「食べ過ぎ」
ぽっこりお腹の原因は、お酒ではなく、ほとんどの場合が「食べ過ぎ」にあります。
お酒を飲む → おつまみを食べる →オーバーカロリーになる → 体脂肪が増える → 必然的にぽっこりお腹になる
お酒を飲むと、おつまみを食べたくなりますよね?
その「おつまみとして食べている物に含まれるカロリー」が太る原因になっています。
結局のところ、摂取カロリーが消費カロリーを上回って、体脂肪が増えるため、ぽっこりお腹になるということです。
ですので、おつまみを低カロリーのものにするなど、摂取カロリーを抑える工夫をすれば太ることはない、ということになります。
ですが、たまにお酒に含まれるカロリーだけで太れるくらい、大量に飲める”外れ値の人”もいますよね。
そのような人が、ぽっこりお腹を解消したいなら、単純にお酒の量を減らすしか方法はありません。
■お酒の種類とぽっこりお腹は関係ない
ここまで、ぽっこりお腹の原因は「食べ過ぎ」ということを解説してきました。
ですので、お酒の種類より、どれだけの量を飲むのか「お酒の”絶対量”が大事」ということは理解できたと思います。
また、「お酒の種類と糖尿病は関係ない」
このような研究があるので、参考までに紹介しておきます。
◎お酒の種類と「糖尿病」の関係性の研究
2017年の研究「お酒の種類と糖尿病の発生率」
→ 参考論文はこちら
飲酒の習慣がある62,458人を対象に、「お酒の種類と糖尿病のリスクに相関関係があるのか」を調査しました。
結果は、お酒の種類と糖尿病には「相関関係はない」としています。
糖尿病のリスクは、内臓脂肪が多い人ほど上がります。
今回の研究は、お酒の種類と糖尿病は関係ないというものでした。
つまり、「お酒の種類によって、内臓脂肪が増えることはない」
「お酒の種類とぽっこりお腹も関係ない」ということになります。
■まとめ【結局はカロリー収支】
今回は、「ぽっこりお腹になるたった一つの原因」について解説しました。
「お酒のカロリーはエンプティカロリーだから太らない」
「蒸留酒なら糖質を含んでないから太らない」
世間では、このようなことが言われてますが、そんなことはありません。
ぽっこりお腹や太ってしまう”たった一つの原因”は「食べ過ぎ(オーバーカロリー)」です。
お酒の種類と内臓脂肪は関係ないという研究もありましたね。
もしあなたが、ぽっこりお腹を本気で解消したいと思うのなら、お酒を飲まないことが一番効果的です。
ですが、お酒は簡単にやめることはできないと思います。
なのでまずは、おつまみのカロリーを減らすなど、摂取カロリーを減らすところから始めてみてください。
最後に、痩せるための大原則であり、唯一の方法を教えます。
「摂取カロリー」<「消費カロリー」
これさえ守れば、必ず痩せることができます。
◎要点まとめ
最後に簡単にまとめておきます。
要点まとめ
- 「エンプティカロリー」でも摂りすぎれば普通に太る
- 「蒸留酒」は「醸造酒」よりは太りにくい
- お酒の種類とぽっこりお腹は関係ない
- 結局のところ太る原因は「食べ過ぎ」にある
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事があなたのお役に立つことができたのなら幸いです。