世界三大欠乏栄養素の一つ「鉄」
この記事を読むと分かること
- 「貧血関連」の血液検査で見るべき数値
- 「貧血」「冷え性」の改善策
女性の方の多くが悩んでいる「貧血」
これは”鉄不足”が原因のことが多いです。
また、「冷え性」などの症状も鉄関連の栄養素が足りていないことが原因です。
この記事では、健康診断の数値から、貧血・冷え性などの原因を解説しています。
貧血・冷え性でお困りの人は、ぜひ自分の血液データと見比べてみてください。
【貧血関連】血液検査で見るべき”10個”の数値
血液検査の「貧血関連」で見るべき数値は”10個”です。
- Fe
- TIBC
- UIBC
- フェリチン
- WBC
- RBC
- He
- Hb
- MCV
- MCH
普通の血液検査では”表記のない項目”もあるかもしれませんが、表記のある項目は参考になると思います。
①Fe
Fe:鉄
基準値:50〜180μg/dl(男性)40〜170μg/dl(女性)
ヘモグロビンの合成に利用される。
また、鉄代謝、貧血などの主要指標になる。
②TIBC
TIBC:トランスフェリンと結合できる総量
トランスフェリン:鉄と結合するタンパク質
基準値:230〜390μg/dl(男性)250〜400μg/dl(女性)
③UIBC
UIBC:トランスフェリンと”未結合の量”
基準値:110〜260μg/dl(男性)135〜325μg/dl(女性)
④フェリチン
フェリチン:鉄と結合できるタンパク質(トランスフェリンとは別もの)
基準値:13〜277ng/ml(男性)5〜152ng/mL(女性)
鉄は、輸送鉄・貯蔵鉄に分けられる。
フェリチンは、貯蔵鉄。
体内の鉄の”3分の2”が赤血球の中の輸送鉄である「ヘモグロビン」
残りの”3分の1”は、フェリチン + UIBC の「TIBC」
フェリチンは、鉄を貯蔵できるタンパク質。
なので、「フェリチンが少ない」=「鉄不足とは限らない」となる。
ただ単に、”タンパク質不足”の可能性もある。
⑤WBC
WBC:白血球数
基準値:4〜9 10^3/μl
炎症反応を示す値。
切り傷などで出血すると白血球がよってきて”かさぶた”をつくる。
この白血球の数値。
⑥RBC
RBC:赤血球数
基準値:4〜5.39 10^6/μl(男性)3.6〜4.89 10^6/μl(女性)
赤血球のヘモグロビン:赤い色素
赤血球:酸素を運搬する役割
赤血球が少ないと酸素を運搬できなくなり、脂質の代謝がしにくくなる。
脂質の代謝が悪くなると、糖を優先的に使うことになるので、”低血糖の症状”が出ることもある。
また「血小板PLT」が多い場合は、ほぼ間違いなく”炎症反応”が起きている。
臓器、血管なのか原因を特定して、アプローチが必要になる。
⑦He
He:ヘマトクリット値
ヘマトクリット値:赤血球/血液
要するに、血液中の赤血球成分量を示す値。
基準値:39〜49%(男性)36〜44%(女性)
「ヘマトクリット値が高い」=「血液の量が少ない」とも言える。
なので、脱水症状、生理出血によって水分が抜けてしまっている可能性がある。
特に、日頃から水分摂取が少ない人は、脱水を感じにくい体質になってしまう。
こういった人は、気づかないうちに生理学的バロメータの変化が起きるので注意が必要。
最低でも、1日に1.5〜2Lは水分を摂取する。
→ 関連記事「1日に必要な”水”の摂取量」
⑧Hb
Hb:ヘモグロビン
基準値:13.1〜16.6g/dl(男性)12.1〜14.6g/dl
ヘモグロビンが少ない:鉄欠乏症の貧血
ヘモグロビンが少ないと、酸素を運べないので”貧血”の症状が出やすい。
鉄の摂取:10.5mg/日(女性)
⑨MCV
HCV:平均赤血球容積
HCV:赤血球の”大きさを示す”指標
基準値:82.7〜101.6fl(男性)90〜100.0fl
血管は、体の末端にいくほど細くなる。
赤血球の容積が大きくて末端まで血液がいかず、貧血になることを「巨赤芽球性貧血」と言う。
HCVの数値が高い人は「冷え性」の人が多い。
ビタミンB12・葉酸は赤血球を細かくする役割がある。
なので、MCVの数値が高い場合、ビタミンB12・葉酸を摂取すると改善することがある。
鉄を摂っても貧血症状が出る場合、ビタミンB12・葉酸で改善することがある。
また、MCVが低い場合は赤血球が少ないので、Fe・フェリチンの値も見て、これらも少ない場合は「鉄欠乏性貧血」になる。
鉄の摂取は、動物性の「ヘム鉄」がオススメ。
- 植物性の「非ヘム鉄」は吸収率が5〜10%
- 動物性の「ヘム鉄」は吸収率が30〜50%
→ 関連記事「ヘム鉄と非ヘム鉄の違いとは?」
⑩MCH
MCH:赤血球内のヘモグロビン量
基準値:28〜34.6pg(男性)26.3〜34.3pg(女性)
数値が低いと、酸素運搬能力が落ち、脂質代謝が落ちる。
つまり、エネルギー切れを感じやすくなる。
エネルギー産生が、”糖質代謝に依存”することになり低血糖状態になる。
低血糖状態になると、アドレナリン・グルカゴンが分泌する。
そうすると、カフェイン・糖を摂りたい欲求が出てくる。
MCHの数値が低い場合、鉄欠乏・吸収阻害を疑うべき。
応急処置として、GI値が低い糖質を摂って、エネルギーを維持する。
しかし、根本的な原因解決にはならないので、鉄の摂取をする。
→ 関連記事「鉄の摂取量と摂取方法」
■まとめ【ほとんどの女性が鉄不足】
今回は、血液データから読み取れる、貧血関連の指標を解説しました。
”藤川徳美”医師の書籍「うつ消しごはん」によると”日本人女性の8割は鉄不足である”と書かれています。
女性の場合は「鉄」を大量に排出してしまう月経、妊娠、出産があります。
ですので、日頃から「鉄」を積極的に摂取しましょう。
血液検査で異常値が出た人は特に、鉄の摂取を心がけてください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事があなたのお役に立つことができたのなら幸いです。