体に良いものを食べたいなら、お金が必要
この記事を読むと分かること
- 牛肉の脂って体に良いの?悪いの?
- 牛肉の「脂質構成」
- 理想の「脂質のバランス」とは?
- 牛肉を食べるなら〇〇
筋トレ歴6年、2019年JBBFメンズフィジーク”県2位”
栄養の学校NNCやセミナー、書籍、論文などで「栄養学」を学んでいる、栄養オタクトレーニーです。
「牛肉の脂は体に良くないんじゃないか?」
「いやいや、積極的に動物性の脂は摂ったほうがいい!」
このように「牛肉」に対しての意見は大きく分かれています。
結局、どっちなんだい!!って思いますよね?笑
また、減量中の人にとって「牛肉」ってどうなの?
このような疑問もあると思います。
この記事では、牛肉の脂を徹底解説しているので、「減量のときにどんな食材を選べばよいのか」が分かるようになります。
減量中の方、どんな食材から脂を摂ったら良いのか悩んでる方は、読んで損はない記事になってます!
■牛肉の脂って体に良いの?悪いの?
牛肉の脂は、体に良いのか?悪いのか?
結論から言うと、『体に良い面もあるが、全肯定することはできない』です。
脂質の構成だけで見ると悪くはありません。
しかし、選択肢として、他にも優先順位が高いもの(良いもの)があるというのが答えですね。
まずは、牛肉の部位ごとの「PFCバランス」を見ていきましょう!
◎牛肉の「部位ごとのPFCバランス」
牛肉の中でも、部位、牛の種類、飼育環境によって、脂質の配合バランスは変わってきます。
なので、正確なPFCバランスは把握できませんので、参考程度にするのが良いでしょう。
☆「牛バラ・カルビ」
参考:https://calorie.slism.jp/111074/
カロリー(100gあたり):371kcal
タンパク質:14.4g
脂質:32.9g
炭水化物:0.2g
家庭の食卓、定食屋、ランチなどで手軽に食べられるカルビは、圧倒的に脂質の割合が高くなっています。
☆「牛ヒレ」
カロリー(100gあたり):133kcal
タンパク質:20.5g
脂質:4.8g
炭水化物:0.3g
減量末期でも食べられるくらい、高タンパク低脂質になっています。
☆「牛もも」
カロリー(100gあたり):183kcal
タンパク質:21.2g
脂質:9.6g
炭水化物:0.5g
「牛ヒレ」よりは脂質が多いものの、減量中でも食べられるくらい高タンパク低脂質な食材です。
◎減量中でも脂質は0にしてはいけない
「減量中は脂質なんて摂らないほうがいい」
このようなことを言う人もいますが、脂質を0にするのはオススメできません。
なぜなら、脂質はコレステロールの生成など、体にとって必要不可欠な役割を担っているからです。
コレステロールは、細胞膜の材料、テストステロンの材料、ATPの材料として使われます。
脂質を0にすると、これらが作られなくなり、体に不具合が生じます。
ですので、減量中でも、総摂取カロリーの「20%」は脂質で摂るようにしましょう。
※ ケトジェニックか、ローファットかで割合は変わる
■脂質の構成と理想のバランス
上記では、牛肉のPFCバランスを紹介しました。
PFCバランス的には、部位によっては食べても大丈夫そうです。
ここからは、脂質の中身について深堀りしていきましょう!
◎牛肉の脂質の構成
☆牛肉の「脂質の構成」
- 飽和脂肪酸:13g
- 一価不飽和脂肪酸:16g
- 多価不飽和脂肪酸:「0.5g」しか含まれていない
牛肉の脂で一番多いのは「一価不飽和脂肪酸」、その中でも「オレイン酸」がメイン(オリーブオイルなんかに多く含まれる)です。
オレイン酸には、悪玉コレステロールを下げて、善玉コレステロールを上げる役割があります。
また、酸化しにくいので、エネルギー源になりやすいという特徴もあります。
次に多いのが「飽和脂肪酸」、その中でも「ステアリン酸・パルミチン酸」が多いです。
これらも、オレイン酸と似た働きがあり、コレステロールをコントロールする役割があります。
これだけ見ると、牛肉の脂質はコレステロール値をコントロールして「体に良さそう」となるものの、肝心なことを見落としています。
脂質には『体にとって理想のバランスがある』ということです。
◎脂質を摂る際の「理想のバランス」
☆脂質の「理想的なバランス」
- 飽和脂肪酸:3
- 一価不飽和脂肪酸:4
- 多価不飽和脂肪酸:3
※厚生労働省が発表している
☆「牛肉」の脂質のバランス
- 飽和脂肪酸:4.5
- 一価不飽和脂肪酸:5.5
- 多価不飽和脂肪酸:0
どう見ても、バランスが悪い
牛肉は、体内で生成することできない必須脂肪酸(多価不飽和脂肪酸)をほとんど摂ることができません。
また、この脂質のバランスは「牛ヒレ」など、他の部位でも変わりません。
繰り返しになりますが、『牛肉の脂質は、単体の脂肪酸で見ると体に良い面もあるが、全肯定はできない』となります。
◎牛肉を食べるなら〇〇な部位
牛肉の脂質はバランスが悪い、でも「たまには牛肉も食べたい」ですよね?
そこで、牛肉の中でも優先順位の高い部位を紹介します。
結論から言うと、「牛ヒレ」「牛ロース」を選ぶべきです。
やはり、高タンパクで低脂質な部位の優先順位が上がってしまいます。
牛ヒレのPFCバランスは、カルビと比べると、脂質の量が7分の1、タンパク質の量が1.5倍です。
また、2016年の論文「牛肉の健康への影響」では、飼育の方法、加工肉などの問題もあるが、高タンパクで体にプラスになる脂質を含むことから、体に良い食材の一つとされています。
牛肉を食べるなら、牛ヒレ → 牛ロース → 牛もも といった順番でしょう。
■まとめ【バランスが大事】
今回は、「減量中に牛肉ってどうなの?」について解説しました。
結論は、『牛肉の脂質は、単体の脂肪酸で見ると体に良い面もあるが、全肯定はできない』でした。
また、「魚だけを摂ればいい」このように考える人もいますが、そうでもありません。
牛肉には、ビタミンB12、鉄分、クレアチンが豊富といったメリットもあります。
魚だけでタンパク質を摂取していると、脂質の割合が多くなったり、大型の魚に含まれる水銀の問題があったりなどもあります。
ですので、一つの食材だけを食べるのではなく、バランス良くいろんな食材を摂るようにしましょう。
ただし、「加工肉」は、発がん性の問題や、栄養が欠損されている可能性があるので、避けるのが無難でしょう。
食事というのは、本来楽しいものです。
ですので、そこまで細かく気にしすぎないのが、豊かな生活には重要だと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事があなたのお役に立つことができたのなら幸いです。