『お肉より、お魚』
この記事を読むと分かること
• 「EPA & DHA」ってどんな栄養素?
• 筋トレをしている人が「EPA & DHA」に求める効果とは?
• オススメの摂取方法と「クリルオイル」について
『筋トレは、人生を豊かにするための1つのツール』をテーマに、筋肉リテラシーを上げるためのブログを毎日更新しています!
この記事は筋肉博士”山本義徳”先生の書籍『アスリートのための最新栄養学(上)』を参考にしています。
EPA & DHAってどんな栄養素?
三大栄養素の一つである「脂肪」は、大きく2種類に分けることができます。
「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」です。
ザックリ説明すると、常温で固体、エネルギーになりやすいのが「飽和脂肪酸」
そして、常温で液体、健康に良いといわれているのが「不飽和脂肪酸」です。
EPA & DHAは「健康に良い」といわれている、不飽和脂肪酸の一つになります。
→ 関連記事【脂肪の基礎知識】「良い脂肪」と「悪い脂肪」の違いってなに?
不飽和脂肪酸の「種類」
「健康に良い」といわれている不飽和脂肪酸にも、いくつかの種類があります。
✔︎ 不飽和脂肪酸の「種類」
• オリーブオイル、アボカドなどに多く含まれる「オメガ9」
• サラダ油、ごま油などに多く含まれる「オメガ6」
• 魚油、アマニ油に多く含まれる「オメガ3」
• 人工的に固形化したショートニング、マーガリンなどの「トランス脂肪酸」
がんの原因になる「トランス脂肪酸」なども不飽和脂肪酸に含まれています。
ですので、「不飽和脂肪酸 = 健康に良い」ということではありません。
「オメガ6」と「オメガ3」は、体内で重要な役割を担っております。
しかし、体内で作ることができないので「必須脂肪酸」といわれています。
健康に良いとされる「EPA & DHA」はオメガ3の一つで、食事からの摂取が必要な必須脂肪酸です。
EPA & DHAの主な「効果」
1970年代にイヌイットの疫学調査が行われ、オメガ3脂肪酸を摂取していると「心臓血管系疾患」が少なくなることが知られました。
その後、エイコサノイドの研究が進み、免疫力の強化、血液の循環をよくするなどの効果があることが分かってきました。
そして、最近になって「抗炎症作用」があることが判明しました。
そのほかにも、血管の病気を防いだり、神経細胞を保護したり、アルツハイマー予防になったりと様々な効果があります。
→ 関連記事 『EPA & DHAでコレステロール値をコントロールせよ』
このように、オメガ3である「EPA & DHA」には、健康において多くのメリットがあるのです。
さらに、『筋肉に対しても有益な効果がある』ということが分かっています。
筋肉に対しても有益な”3つ”の効果
上記で、「EPA & DHA」の健康に対する効果は説明しました。
ここからは、”筋肉に対して有益な効果”について解説していきます。
「筋トレをしている人で、EPA & DHAを摂ってない人いるの?」
というレベルで、筋肉に対してもめちゃめちゃ良い効果があるので解説していきますね。
✔︎ 筋肉に対して有益な”3つ”の効果
•(1)筋肉の”合成”を促進する
•(2)筋肉の”分解”を抑える
•(3)”脂肪の燃焼”に効果的
(1)筋肉の”合成”を促進する
「EPA & DHA」は、いろんな面から筋肉の合成を促進します。
✔︎ 筋肉の合成を促進する”4つ”の効果
• テストステロンが増加する
• インスリンの分泌を増やす
• IGF-1が活性化する
• p70s6kが活性化する
特に、筋肉の合成に効果的なのは「EPA」です。
「DHA」は、脳に良いといわれています。
EPAには、タンパク合成酵素である「p70s6k」を活性化させます。
EPAの摂取により、タンパク合成が「25%増加」し、タンパク分解は「22%低下」したという研究もあります。
さらに、飢餓状態のマウスを使った研究では、「EPA単体」ではタンパク合成は起こらず、「EPA+ロイシン+アルギニン+メチオニン」を摂取することによって、タンパク合成は倍増したとのことです。
(2)筋肉の”分解”を抑える
「EPA & DHA」には、筋肉を合成する効果だけでなく、”分解を抑える効果”もあるのです。
人間の身体には、タンパク質の品質管理をしてくれる「ユビキチン・プロテアソーム系」というものがあります。
これは主に、不良品となったタンパク質の分解を行っています。
しかし、品質的に問題がなくても「不使用」の状態が続くと”生命維持に必要ない”と判断され、タンパク質は分解されます。
トレーニングをサボっていると筋肉が落ちていくのは、このせいです。
飢餓状態のマウスを使って行われた研究では、EPAの摂取によりタンパク分解が「88%抑制」されています。
→ 関連記事『ユビキチン・プロテアソーム系』について知りたい方はこちら
(3)”脂肪の燃焼”に効果的
EPA & DHAは、「痩せホルモン」といわれる『アディポネクチン』や細胞内に栄養を取り込む役割をする『GLUT4』を増やしてくれます。
そのため、体脂肪を減少させて、さらに蓄積するのも防ぐ効果があるのです。
また、『PPARα』を活性化して脂肪のエネルギー化を促進させます。
京都大学の研究で、高脂肪食に加えてEPA & DHAを10週間与えたところ、ただの高脂肪食と比較して内臓脂肪が「15〜25%減少」したというのです。
この研究では、「UCP1(脱共役タンパク質)」が増えたことによって、白色脂肪組織が褐色脂肪組織に似たベージュ細胞に変化する現象が示されています。
→ 関連記事 『 1日に100kcalも消費する「褐色脂肪」とは』
「EPA & DHA」の摂取方法
1日の摂取量
サプリメントとして摂取する場合:「EPA+DHA」として『2,000mg〜2,500mg』
※理想のサプリメントは、EPAとDHAの割合が「EPA 2 : DHA 1」
食材から摂取する場合はどうでしょう?
イワシの場合は、100gあたりの「1,400mgのEPA」と「1,200mgのDHA」
サンマの場合は、100gあたりの「800mgのEPA」と「1,300mgのDHA」
サバの場合は、100gあたりの「1,200mgのEPA」と「1,700mgのDHA」が含まれています。
つまり、毎日100g程度の魚を食べていれば、サプリメントは必要ないということです。
→ 「EPA & DHA」のオススメのサプリメントはこちら
「週1回」にまとめて摂るのもアリ
これもラットを使った研究ですが、面白い報告があります。
実は、毎日少しずつ摂取するよりも『週に1回だけまとめて摂取する』ほうが、バイオアベイラビリティ(生物学的利用能)が高かったというものです。
EPA・DHAなどのオメガ3は、”酸化しやすい”という特徴があります。
毎日摂取する場合、その酸化率が高まり「84%」がエネルギーになってしまうようです。
逆に、週に1回まとめて摂取した場合は、酸化率が低く「75%」に抑えられました。
その結果、体内に留まる割合として『毎日摂取する場合は、15%程度』ですが、『1週間に1回だと、23%程度』が留まるという結果になったようです。
もしかしたら、毎日「2,000〜2,500mg」を摂取するよりも、週に1回まとめて「15,000mg」くらい摂ったほうが良い可能性もあります。
人間での研究結果を待ちたいところですね。
EPA & DHAの上位互換「クリルオイル」
EPA & DHAのサプリメントは、大型の魚から摂取しているため、水銀やなまりなど、重金属に汚染されている可能性があります。
そこで、普通のEPA & DHAのサプリメントの上位互換である「クリルオイル」というものがオススメです。
クリルオイルは、環境汚染の少ない南極の「オキアミ」という、小さいエビを原料にしています。
オキアミは食物連鎖の底辺にいるため、汚染の心配がありません。
さらに、オキアミの赤い成分に含まれる「アスタキサンチン」という成分に強力な抗酸化作用があります。
推奨摂取量は、1日に「500〜2,000mg」です。
貴重な原料を使うので、普通のEPA & DHAのサプリメントの倍ほどの金額になります。
お金に余裕があるもしくは、サプリメントが大好きな人は、ぜひ試してみてください
→ 『オススメのクリルオイル』はこちら
まとめ
今回は、EPA & DHAは『筋肉に対しても”有益な効果”をもたらす』という話をしました。
「筋トレや減量を加速させたい」という人は、ぜひ試してみてください!
最後に、簡単にまとめておきます。
まとめ
• EPA & DHAは「オメガ3」の一つで、体内で合成されない「必須脂肪酸」である
• 心臓疾患系疾患、血管の病気を防ぐ、抗炎症作用など健康に良い効果がたくさんある
• 筋肉に対しても”有益な効果”がある
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
この記事が、あなたのお役に立つことができたのなら幸いです。