消化・分解して、吸収されるまでが栄養摂取
この記事を読むと分かること
- タンパク質分解酵素ってなに?
- タンパク質の消化・分解・吸収を活性させる方法
- おすすめの「消化酵素のサプリメント」
筋トレ6年目、2019年JBBFメンズフィジークでは”県2位” オンラインサロンやセミナー、書籍、論文などで「栄養学」を学んでいる、栄養オタクトレーニーです。
トレーニーの人は、筋肉をつけるために「タンパク質」を大量に摂っていると思います。
最低でも1日に体重×2g、多い人は体重×3〜4gくらい摂っている人もいるでしょう。
「そのタンパク質、本当に体内に吸収されていますか?」
消化・分解されて、吸収されるまでが栄養摂取です。
この記事を読めば、消化・分解・吸収を活性させる方法を知ることができ、適切な栄養摂取をすることができるようになります!
「タンパク質分解酵素」とは
タンパク質分解酵素を一言で説明すると、「タンパク質を吸収できる形にまで切っていく役割を持つもの」です。
タンパク質は、鎖状につながった「アミノ酸」で出来ています。
また、アミノ酸の"鎖の数"で呼び方が変わってきます。
1個なもの:「アミノ酸」
2個のもの:「ジペプチド」
3個のもの:「トリペプチド」
2〜50個のもの:「ペプチド」
タンパク質分解酵素は、タンパク質をこれらの形にするときに使われるものです。
◎タンパク質が「筋肉」になるまで
タンパク質を摂取しても、そのまま筋肉になるわけではありません。
まず、摂取したタンパク質に「タンパク質消化酵素」が働いて、アミノ酸やペプチドにまで分解されます。
分解されたアミノ酸やペプチドは、「小腸」から吸収され、「肝臓」で代謝します。
そして、「血液」に乗っかって、最終的に「筋肉」に運ばれるのです。
そこで、アミノ酸から「筋タンパク」が合成されます。
これを見ると、「タンパク質を摂ればそのまま筋肉がつく」というのは、間違いだということが分かると思います。
✓「タンパク質が筋肉になるまで」
タンパク質を摂取 →タンパク質消化酵素が働く →「アミノ酸」「ペプチド」になる → 小腸から吸収→ 肝臓で代謝 → 血液に乗っかって筋肉に運ばれる → 「筋タンパク」を合成
◎「酵素」の種類
タンパク質から作られる「酵素」には、いくつか種類があります。
- 「消化」酵素
- 「分解」酵素
- 「代謝」酵素
その中でも、タンパク質を切っていく酵素をまとめて「プロテアーゼ」といいます。
✓主な「プロテアーゼ」
・「ペプシン」
→ 最初に「胃」で働く消化酵素
・「トリプシン/キモトリプシン」
→ 膵液に乗っかってはたらく分解酵素
ここまでで、鎖の数が50個未満の、ペプチドやアミノ酸になります。
・「アミノペプチダーゼ」
→ 腸内で吸収できる形の「ペプチド」や「アミノ酸」にまで切っていく分解酵素
「タンパク質の消化・分解・吸収」を活性させる”7つ”の方法
上記で、タンパク質を摂取しても、そのまま筋肉になるわけではない。
「消化、分解、吸収が必要」だと解説しました。
ここからは「消化・分解・吸収」を活性させるための、具体的な方法を解説していきます。
◎至適温度を考える
それぞれの「酵素」には、活性化しやすい温度というものがあります。
酵素の種類によって多少違いますが、「タンパク質消化酵素の至適温度は”37度前後”」です。
高熱のときに、ご飯を食べても「気持ち悪くなって吐いてしまう」ということがあると思います。
これは、消化酵素が高熱により変性して、酵素としての機能を失ってしまうことが原因です。
ですので、食後に体を急に温めたり、逆に急に冷やしたりすることは、消化酵素を活性させる上ではあまり良くありません。
食後すぐの、温泉、サウナ、アイスバスなどはNG!!
◎至適pHを考える
pHとは、体内が「アルカリ性」に傾いているのか、「酸性」に傾いているのかを表す指標のことです。
- 数字が小さい:「酸性」
- 数字が大きい「アルカリ性」
消化酵素の「ペプシン」は胃で働くので、“酸性より“の「pH1.5」が最適です。
しかし、ほとんどの消化酵素は「pH7前後」で活性が最大化されます。
たとえば、腸内で働く分解酵素の「アミノペプチダーゼ」なんかは、活性が最大になるのは、pH7前後のときです。
また、腸内環境が悪い人は、腸内のpHが"アルカリ性より"になっていることが多い傾向にあります。
善玉菌が活性するのは、pHが5.4〜5.6の”酸性より”のときです。
ですので、腸内環境が悪い人は、「食物繊維」や「プロバイオティクス」などを摂り、腸内環境を整え「消化酵素が働ける環境をつくる」ことも意識しましょう。
↓ 関連記事
・「世界で一番売れているサプリメント『プロバイオティクス』」
◎タンパク質を充足させる
そもそも「酵素」は、タンパク質から作られています。
体内のタンパク質が足りないと、「酵素の合成量が少なくなり、消化・分解・吸収もされなくなる」という、負のループに陥ってしまいます。
ですので、トレーニングをしていない一般の人でも、1日に体重×1.2gはタンパク質を摂るようにしましょう。
→ 関連記事「1回のタンパク質のベストな摂取量は?」
◎しっかり咀嚼すること
言わずもがなですが、「よく噛んで食べること」は消化・分解・吸収においてとても大事なことです。
タンパク質は、特に消化・分解・吸収の負担が大きい栄養素になります。
ですので、「咀嚼をしてゆっくり食べること」を、普段から心がけましょう。
◎消化酵素を補填する
お肉+舞茸、お肉+パイナップル、お肉+ヨーグルトなど「お肉につけると柔らかくなる」という食材が存在します。
これは、食材に含まれる「消化酵素」が反応しているためです。
✓ 有名な「消化酵素の種類」
- パパイン(フルーツ)
- ブロメライン(パイナップル)
- アクチニジン(キウイ)
- フィカイン(いちじく)
- ジンギバイン(生姜)
消化酵素は「食材」から摂ることがベストではあるものの、毎回は無理でしょう。
ですので「サプリメント」を活用するのも一つの手段です。
※ 下記でオススメのサプリメントを紹介してます。
◎腸を活性化させる
摂取したタンパク質がしっかりアミノ酸まで分解されていても「そもそも腸の動きが悪い」と吸収されません。
小腸で栄養が吸収されて「初めて栄養摂取ができた」といえます。
口から栄養を入れることが「栄養摂取」ではありません。
ですので、腸を活性化させるために、腸の唯一のエネルギー源である「グルタミン」を、日頃から意識的に摂るようにしましょう。
→ 関連記事「iHerbで買えるコスパのいいグルタミン10選」
◎トレーニング直後に食事をしない
トレーニング直後は、筋肉に血液がいっている状態です。
その状態で栄養を摂取しても、胃腸の血液が少なくなっているため「消化不良」を起こす可能性があります。
特に、大筋群をトレーニングしたときは、胃腸に血液が戻るまで時間がかかるので注意しましょう。
トレーニングから1時間くらい空けるのが理想です。
おすすめの「消化酵素」のサプリ
毎回、消化酵素を含む食材を摂るのは、むずかしいと思います。
ですので「サプリメント」を活用しましょう!
下記の2つは、タンパク質の分解酵素を含んだオススメの「酵素サプリメント」です。
◎「ドクターズベスト」の消化酵素
◎「ライフエクステンション」の消化酵素
まとめ【消化・分解・吸収されるまでが栄養摂取】
今回は、タンパク質の消化・分解・吸収を活性させる方法を紹介しました。
栄養摂取において、一番伝えたいことは「口から栄養を入れることが栄養摂取ではない」ということです。
口から栄養を入れて、消化・分解され「小腸で吸収されて初めて栄養摂取ができた」と言えます。
なかなか、タンパク質を大量に摂っている人や体重が増えないという人は、「栄養摂取は小腸で吸収されるまで」を意識すると良いでしょう。
◎要点まとめ
最後に、簡単にまとめておきます。
要点まとめ
- タンパク質分解酵素とは、タンパク質を吸収できる形にまで切っていく役割を持つもの
- 口から栄養を入れることが「栄養摂取」ではない
- 小腸で栄養が吸収されて「初めて栄養摂取ができた」といえる
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
この記事があなたのお役に立つことができたのなら幸いです。