この記事を読むと分かること
- 便の構成
- 栄養状態を把握する方法
- 色・臭い・形状の具体的な評価方法
栄養・健康状態を確認する場合「血液データ」を見るのが、迅速かつ正確に把握することができます。
しかし、血液検査を定期的に行っている人は少ないと思います。
そこで、身近で簡単に栄養・健康状態を確認する方法が「便の状態の確認」です。
この記事では、便の状態から栄養・健康状態を確認する方法を解説しています。
「血液検査に行っている暇なんてない…」
「だけど自分の栄養・健康状態は気になる…」
このような方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
■便の構成
健全な便の場合、全体の”60〜70%”が水分です。
その他、腸内細菌・セルロース(食物繊維)・不消化物で構成されています。
1回の便が150〜200gだと過程すると、脂質の排泄は2g程度(便の重さの1%ほど)です。
■栄養・健康状態を把握する方法
体の不調を改善するために栄養学的アプローチをする場合、まずは「栄養状態の把握」が必須です。
↓↓栄養状態を確認・把握する方法
・口頭でのヒアリング
・行動分析
・血液検査
・遺伝子検査
・「便」の状態を確認
・「尿」の状態を確認
今回は、上記の中でも「便の状態」に焦点を当てて解説します。
■色・臭い・形状の/具体的な評価方法
便の状態から栄養・健康状態を把握するときは「色」「臭い」「形状」から判断することができます。
どれか1つだけではなく”3つ全て”使うと”より詳細まで”評価することができます。
それぞれ解説していきます。
◎便の「色」の評価
便の「色」の評価ポイント
黄色 ← 茶褐色(正常) ー 茶色 ー 焦げ茶色 → 黒
酸性(最低でも6以上) ← → アルカリ性(最高でも8以下)
✓「酸性」寄りの場合
→オリゴ糖や食物繊維(プレバイオティクス)が多めの食事・腸内環境
✓「アルカリ性」寄りの場合
→ 動物性のタンパク質が過剰気味
→ 腸に滞留してる時間が長い
→ 胃、十二指腸、食道などの出血によるタール便の増加
→ 黒い色素を含む食材の摂取
✓タール便(黒い便)の場合
→ イカ墨など”黒い色素”を摂取したとき
→ 一度に動物性のタンパク質を大量に摂取したとき
→ 胃潰瘍(空腹時の胃の痛みなど)の可能性
→ 十二指腸潰瘍(起床時・夜間・空腹時のみぞおちの痛み・吐血など)の可能性
→ 食道がん・胃がんの可能性
✓健全な色(黄色)になる理由
→消化液である「胆汁」の中の「ビリルビン」の色素が黄色いため
→黒っぽい便(タール便)寄りのときは、胆汁がうまく働いていない可能性がある
※タンパク質の過剰摂取 → 肝臓が働かない → 胆汁の分泌が少ない
胆汁が分泌しないと…
→ コレステロールの排出がうまくできなくなるので、ダイエットにとってもマイナスに働く
→ 胆汁が分泌していない・肝機能がうまく働いていないときは、皮膚に「黄疸」ができやすい
※黄疸がある人は、肝臓障害の疑いがあるのでお医者さんに行くのをオススメします。
◎便の「臭い」の評価
✓タンパク質を分解する過程で発生する臭い(インドール・スカトールの臭い)
→ タンパク質の摂取量の調整(1食あたり50g以下にする)
→ 植物性タンパク質の比率を上げる
✓未消化のタンパク質はアルカリ性の臭い
→色は普通だがアンモニア臭がする→ 肝機能が低下してる可能性がある→基礎代謝が低下
✓脂肪便・未吸収の炭水化物は「酸性臭」
✓肉食が多いときは「腐敗臭」
✓膵疾患・直腸がんの方は特に臭いが強い
✓腸内の便の滞留してる時間が長いと臭いは強くなる
◎便の形状
参考:https://brand.taisho.co.jp/
便の「形状」のポイント
コロコロ便 ← 硬い便 ー 普通の便 ー 泥状の便 → 水状の便
遅い(100時間) ← 消化器官の通過時間 → 速い(10時間)
✓便が硬い(通過時間が長い)
→ マグネシウムの不足(特に酸化マグネシウムが少ない)
→ 交感神経の活性(腸が動くときは副交感神経が優位(リラックスモード)のとき)
→ 大腸の痙攣
→ 水分量の低下
→ 運動不足( 運動は”ぜん動運動”を活発にする)
✓便が水状(通過時間が速い)
→ マグネシウムが過剰
→ 副交感神経が活性
→ ストレスによる影響(便秘になることもある)
→ 水分量の増加
→ 突発的な運動
»【関連記事】下痢・軟便になる3つのパターン「予防・改善方法」
■まとめ
体の栄養・健康状態を手軽に把握したいときは「便の状態」を確認すると良いでしょう。
また、「色・臭い・形状」をまとめて確認すると、栄養状態をより詳細まで把握することができます。
便の「色」だけでも、胆汁・肝臓・腸内環境・自律神経など、いろんなアプローチが可能です。
ぜひ、今回の内容を自分の栄養・健康状態の把握に使ってみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事が、あなたのお役に立つことができたのなら幸いです。