栄養摂取の魔術師
この記事を読むと分かること
- 固形物とサプリメントそれぞれの「メリット」
- 固形物とサプリメントどっちから栄養摂取すればいいのか
筋トレ歴6年、2019年JBBFメンズフィジーク”県2位”
栄養の学校NNCやセミナー、書籍、論文などで「栄養学」を学んでいる、栄養オタクトレーニーです。
「固形物」または「サプリメント」
栄養摂取は、どちらから行うべきなのか?
このように聞かれて”パッと答えることができる人”は、この記事は読まなくて大丈夫です。
ですがもし、パッと答えることができないなら、この記事を読む価値はあると思います。
サプリメントで摂るべきか、固形物で摂るべきか「明確な答えを知ることができます」ので、ぜひ最後まで読んでみてください!
■固形物とサプリメントどっちから栄養摂取すればいいの?
固形物とサプリメントどっちから栄養摂取するべきか?
結論からいうと、固形物とサプリメントの「それぞれのメリットを理解して、適材適所で使い分ける」
これが”理想的な栄養摂取”になります。
固形物とサプリメントそれぞれのメリットを理解していなければ、理想的な栄養摂取をすることはできません。
ですので、固形物とサプリメントのメリット5つを分かりやすく解説していきます。
◎固形物のメリット”5選”
固形物から栄養摂取するメリットは以下の5つです。
- 太りにくくなる
- 満腹感を得られる
- 咀嚼による恩恵
- 血中濃度を緩やかに上昇
- 複数の栄養を同時に摂取可能
一つずつ簡単に解説します。
①太りにくくなる
固形物から栄養を摂取することにより、消費カロリーが増え太りにくくなります。
固形物から摂取すると「消化」が必要になるので、食事誘発性熱産生が高くなり、消費カロリーが増え太りにくくなるのです。
消費カロリーには3種類あります。
- 基礎代謝:寝てても消費されるカロリー
- 活動代謝:運動で消費するカロリー
- 食事誘発性熱産生:消化で消費するカロリー
1日の摂取カロリーの15%くらいが、食事誘発性熱産生により消費されています。
ですが、サプリメントで摂ると消化する必要がないので、食事誘発性熱産生が低くなり消費カロリーも低くなるのです。
なので、体脂肪を減らしたいときは、できるだけ固形物から摂取して食事誘発性熱産生を高めることが大事になります。
→ 関連記事「減量を加速させるDIT(食事誘発性熱産生)とは」
②満腹感を得られる
固形物を摂ると、単純に胃袋が満たされるので、満腹感を得ることができます。
ピルやタブレット、粉末などのサプリメントと比べると、その差は歴然です。
また、固形物から摂取すると、視床下部に働きかける「グレリン」という物質を抑制することができます。
グレリンは、食欲を促進する物質です。
グレリンの分泌を抑制することで「食べ過ぎ」を防ぐことができます。
③咀嚼による恩恵
咀嚼をすることにより「唾液」が分泌します。
「唾液」には、pHバランス緩衝作用があるので、口内を中性に保ってくれます。
その結果、ミュータンス菌が増え、虫歯を予防することができるのです。
また、唾液には「アミラーゼ」という消化酵素を含んでいます。
摂取した食物に消化酵素が働くことにより、胃腸の負担を減らすことができるのです。
④血中濃度を緩やかに上昇
固形物を摂取すると
咀嚼 → 胃で消化・分解 → 小腸で消化・分解・吸収
このように、時間をかけて栄養を吸収していきます。
ですので、急激な血糖値の上昇などを防ぐことが出来ます。
⑤複数の栄養を同時に摂取可能
たとえば、タンパク質を摂取するために「お肉」を食べるとします。
お肉には、タンパク質の他にもビタミンB 、脂質、炭水化物なども含まれているので、複数の栄養素を同時に摂取することが可能です。
サプリメントは、単体の栄養素を摂りたい場合は効率が良いですが、複数の栄養素を摂りたい場合は向いていません。
複数の栄養素を同時に摂取したいなら、固形物が一番効率がいいです。
◎サプリメントのメリット”5選”
サプリメントから栄養摂取するメリットは以下の5つです。
- 吸収が速い
- ピンポイントで栄養が摂れる
- コストが安い
- 手軽に摂取できる
- 吸収率が優れている
一つずつ簡単に解説します。
①吸収が速い
サプリメントの一番のメリットは、吸収が速いということです。
体内の栄養レベルが低くなっているときに、サプリメントを活用することで素早く栄養を吸収することができます。
起床直後やトレーニング中には、サプリメントが重宝されますね。
②ピンポイントで栄養が摂れる
サプリメントは「狙った栄養素」を「狙った量」摂取することが可能です。
食事からだと、余分な栄養素がついてきてしまったり、必要な量が摂れなかったりします。
しかし、サプリメントなら含有量の記載もあるので、ピンポイントで栄養を摂ることができるのです。
③コストが安い
特定の栄養素に限っては、サプリメントのほうがコストが安くつきます。
たとえば、外出中にタンパク質を40g摂りたいと思ったら「お肉」だと200g必要です。
外食で200gのお肉は、なかなかのお値段になりますよね。
ですが、「プロテインパウダー」なら、もっと安く済ませることができます。
④手軽に摂取できる
お肉を食べるより、プロテインを飲むほうが、断然手軽で楽チンです。
外食やお弁当でお肉を食べるとなると、10〜20分はかかってしまいます。
しかし、プロテインなら一瞬で済ませることが可能です。
また、昔のサプリメントは、味が悪いものが多かったのですが、最近はどのサプリメントも美味しくいただくことができます。
ですので、誰でも手軽に栄養を摂ることができるようになりました。
⑤吸収率が優れている
固形物だと、消化・分解をしてから吸収されます。
例)白米 → デンプン → ブドウ糖 → 小腸で吸収
これだと、消化・分解の過程で”ロス”が出てしまうことがあるのです。
しかし、サプリメントだと消化・吸収がほとんど必要なく、すぐに吸収されるので、栄養摂取のロスが少なくなります。
例)ブドウ糖 → 小腸で吸収
また、キレート加工など、吸収率を上げるような加工をしてあるサプリメントもあります。
アミノ酸やクエン酸などをコーティングして、小腸まで届きやすくしているのです。
なので、ミネラルなど吸収率の悪い特定の栄養素は、サプリメントで摂取するほうが効率的に栄養摂取ができます。
■まとめ【適材適所で使い分ける】
今回は、固形物とサプリメントどっちから栄養摂取すればいいのかを解説しました。
最初にも言いましたが、どちらか一方という選択肢はありません。
固形物とサプリメントは、適材適所で使い分けることで、効率的な栄養摂取が可能になります。
「固形物をベースに、適材適所でサプリメントを活用する」
これが、理想的な栄養摂取の方法になります。
固形物か、サプリメントかの二元論で語るのではなく、両方のメリットを理解して使い分けるのが何より大事、ということが今回一番伝えたかったことです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事があなたのお役に立つことができたのなら幸いです。