✔︎ この記事で解決できるお悩み
• 亜鉛って本当にテストステロンを増やすの?
• 亜鉛はどのタイミングで、どのくらいの量を摂ればいいの?
• 亜鉛を摂るとお腹が痛くなるんだけどどうすればいい?
今回の記事は、筋肉博士”山本義徳”先生の書籍『アスリートのための最新栄養学(下)』を参考にしています。
「亜鉛は、テストステロンを増やすから“筋肥大に効果的“だ」
このようなこと聞いたことあると思います。
この記事では、『本当に亜鉛はテストステロンを増やすのか?』や『亜鉛を摂取するときの注意点』を具体的に解説していきます!
最後まで読んで『亜鉛』についてサクッと理解してください!
『亜鉛』はテストステロンを増やす?!
亜鉛のサプリメントで「ZMA」という有名なサプリメントがあります。
最初にこれを出したメーカーは「ZMAはテストステロンを増やす」と主張していましたが、『実際はそれほど効果はなかった』ようです。
42名のトレーニング経験者が、8週間に渡って指定量の「ZMA」を摂取しても、ホルモンレベルや体組成、筋力、持久力に違いはありませんでした。
14名の被験者が、1日に「11.9〜23.2mg」の亜鉛を摂取した研究でも、テストステロンレベルに変化はありませんでした。
亜鉛を大量に摂取すればテストステロンは増える?!
上記の実験で「ZMA」や「少量の亜鉛」では、テストステロンレベルに変化はありませんでした。
ですが、『”大量に亜鉛を摂取”することで、テストステロンレベルが向上した』という報告もあります。
10名のレスラーに「体重1kgあたり”3mg”の亜鉛」を4週間に渡って摂取させたところ、総テストステロンと遊離テストステロンが顕著に高くなりました。
テストステロンを増やす目的でサプリメントを摂取する場合は、「ZMA」ではなく「大量な亜鉛」を摂取する必要があります。
摂取量については後ほど、詳しく解説します。
「亜鉛」ってなに?
亜鉛は、人間に必要な16種類の「必須ミネラル」のひとつです。
体内には「2,000mg」の亜鉛が存在し、300種類以上の補因子として働きます。
ホルモンの材料になったり、DNAやタンパク質の合成に使われたり、免疫反応の調節をしたりします。
体内の亜鉛の量は「20代後半」でピークになり、加齢により徐々に低下していきます。
そのため「60代の人」の体内の亜鉛の量は、「20代の人」の”10分の1程度”といわれています。
亜鉛を多く含む食品:牡蠣、牛レバー、豚レバー、牛もも、うなぎ、ホタテなど
亜鉛の「効果」
•(1)重要なホルモンの材料になる
•(2)細胞分裂に使われる
•(3)活性酸素を除去する
•(4)免疫力を向上させる
それでは、ひとつずつ解説していきますね。
(1)重要なホルモンの材料になる
亜鉛は、筋肥大に重要なホルモンの「テストステロン」「成長ホルモン」「インスリン」の材料になります。
亜鉛を投与したら、IGF-1が増加した、インスリン抵抗性を改善したという報告もあります。
これらのホルモンの働きを高めたい場合は、亜鉛を摂取するのが効果的です。
特に、亜鉛が不足している人は大きな効果が期待できます。
(2)細胞分裂に使われる
亜鉛は、細胞分裂に重要な「ジンクフィンガー」という、タンパク分子ドメインを安定化させるのに使われます。
ですので、亜鉛が不足していると「ジンクフィンガー」が安定せず、細胞分裂がうまくいかなくなります。
(3)活性酸素を除去する
亜鉛は、血管を傷つけたり、疲労の原因にもなる”活性酸素を除去”してくれる、「SOD(スーパーオキサイド・ディスムターゼ)」の材料になります。
(4)免疫力を向上させる
人間の体には、ウイルスに対抗する「T細胞」というものがあります。
亜鉛が不足すると、この「T細胞」が減少し、免疫が低下します。
さらに、亜鉛にはヘルペスやアフタの改善にも有効です。
欧米では昔から、風邪の治療にも亜鉛が使われています。
1日に「80〜207mg」の亜鉛を摂取したところ、完治までの期間が半分くらい短くなっています。
亜鉛の摂取方法
厚生労働省が定める推奨摂取量
男性:「11mg」
女性:「8mg」
オススメの亜鉛の摂取量:「20〜30mg」
空腹で摂ると気持ち悪くなることがあるので、”食後”に摂るようにしましょう。
朝食後だと、まだ胃が起きてないので、胃が痛くなることがあります。
ですので、”夕食後がオススメ”です。
亜鉛を摂るときは「元素量」で考える
亜鉛の「元素量」
• クエン酸亜鉛「34%」
• 硫化亜鉛「22%」
• グルコン酸亜鉛「13%」
• モノメチオニン亜鉛(Opti Zinc)「21%」
先ほど、オススメの亜鉛の摂取量は「20〜30mg」といいましたが、これは『亜鉛元素としての摂取量』です。
テストステロンレベルが上がるという研究で使われた「体重1kgあたり”3mg”の亜鉛」は、かなり大量に思えますが、亜鉛元素で計算すれば「53mg」程度になります。
一時的にテストステロンを増やしたいときは、これくらいの量なら問題ありません。
毎日摂取する場合は『亜鉛元素として20〜30mg』程度にしましょう。
吸収率の高い「モノメチオニン亜鉛(Opti Zink)」を「150mg」摂取すれば、亜鉛元素として「31.5mg」になります。
亜鉛を摂取するときの「注意点」
亜鉛の”長期間の摂取”や”大量に摂取”するときは「銅」とのバランスが大事です。
「亜鉛:銅」 = 「10:1」で摂取してください。
このバランスで摂らないと、体内の「銅」が足りなくなってしまいます。
サプリメントを選ぶときは、上記のバランスのものを選びましょう。
亜鉛の「過剰摂取」
亜鉛の過剰摂取による、副作用はほとんど心配ありません。
『1日2gを毎日摂り続けた場合』に、下痢や嘔吐、気持ち悪くなるなどの副作用が起こるといわれています。
ですので、ラベルに書かれた量を摂取する分には、副作用の心配はありません。
しかし、亜鉛を摂取すると”胃が痛くなる”という人もいます。
亜鉛は人によって、合う合わないがあるサプリです。
ぜひ、自分の身体に合った亜鉛を見つけてください。
テストステロンを増やしたい人は大量に亜鉛を摂取しよう!
亜鉛を摂取する人の目的は『テストステロンレベルの向上』だと思います。
そのためには、”大量の亜鉛の摂取”が必要です。
亜鉛は、過剰摂取の心配はほとんどないので、安心して大量に摂取してください。
亜鉛の他にも”テストステロンを増やす方法”はあるので、気になる方はぜひ、下記の記事も読んでみてください!
『テストステロン』を増やす”5つ”の方法!【筋トレ】