このような疑問を解決します。
✔︎ この記事を読むと分かること
・『アルコール』が”筋肉に悪い”と言われている理由
・『アルコール』はどれくらい”筋肉を減らす”のか?
・アルコールを飲んでも良い人
「百害あって一利なし」アルコールが筋肉に与える悪影響
少し前までは、少量のお酒は”健康に良い”と言われていました。
ですが最近では、お酒は少量でも”健康に良くない”と言われています。
特に筋トレしている人には、残念なお知らせがあります。
アルコールの摂取は”筋肉を減らし”、”パフォーマンスも低下”させるという研究があります。
2014年オーストラリアの”REIT大学”の”Parr etal”らの実験
”Parr etal”らは、筋タンパク質の合成を測定する技術を用いて、
「トレーニング後のアルコールの摂取」が、筋タンパク合成にどのような影響を与えるのか調査しました。
対象者
・”週に3回”トレーニングを行なっている、”20代の男性8人”
実験内容
・下記の”3つのグループ”に分け、”トレーニング直後”にアルコールを摂取させた
・トレーニングの”2時間後”と”8時間後”の安静時に”筋タンパク質の合成率”を測った
(1)「プロテイン(タンパク質)」のみを摂取するグループ
(2)「アルコール」+「プロテイン(タンパク質)」を摂取するグループ
(3)「アルコール」+「マルトデキストリン(炭水化物)」を摂取するグループ
実験結果
(1)の「プロテイン(タンパク質)」のみを摂取したグループの筋タンパクの合成力を”100%”とする
・(2)の「プロテイン(タンパク質)」と「アルコール」を摂取したグループ
↓
”24%”筋タンパク質の合成力が低下
・(3)の「アルコール」と「マルトデキストリン(炭水化物)」を摂取したグループ
↓
”37%”筋タンパク質の合成力が低下
結論
トレーニング直後の「アルコール」の摂取は、筋タンパク質の合成力を”2〜3割程度”低下させる
トレーニングの効果を抑制し、”筋肉の回復”と”トレーニング”および”パフォーマンス”に悪影響がある
参考文献
アルコールが筋タンパクの合成力を低下させる”3つの理由”
オーストラリアの”REIT大学”の”Parr etal”らの実験で、
「アルコール」の摂取は、筋タンパクの合成を”2〜3割程度”減少させると結論づけられました。
✔︎「アルコール」が筋タンパクの合成力を低下させる”3つの理由”
・(1)「mTOR(タンパク質キナーゼ)」の活性を抑制してしまう
・(2)「UPP(ユビキチン・プロテアソーム経路)」の働きを活性化させてしまう
・(3)「オートファジー(自食作用)」を促進してしまう
・(1)「mTOR(タンパク質キナーゼ)」の活性を抑制してしまう
「mTOR(タンパク質キナーゼ)」は、筋タンパク質の”合成”や”分解”のシグナル伝達経路を制御しています。
「mTOR」が活性化すると「脳から筋肉を合成せよ」というシグナルを送ります。
「mTOR」が抑制されると、筋肉の合成力も低下するということです。
インスリンや成長ホルモン、テストステロンやIGF-1などにより活性化します。
アルコールを摂取することにより、筋肥大に効果のある「インスリン」「成長ホルモン」「テストステロン」「IGF-1」の分泌を抑制し、mTORの活性も抑制してしまいます。
・(2)「UPP(ユビキチン・プロテアソーム経路)」の働きを活性化させてしまう
「UPP(ユビキチン・プロテアソーム経路)」は体内の”タンパク質の品質管理”をしています。
UPPは”体内で必要のない筋肉”や、不良品の酵素、ホルモンといったタンパク質を分解しています。
アルコールの摂取でUPPが活性化し、体内のタンパク質の分解が促進され、筋分解も促進してしまいます。
・(3)「オートファジー(自食作用)」を促進してしまう
「オートファジー(自食作用)」は、体内のタンパク質(筋肉など)を分解してエネルギーに変換したり、食事で足りなかったアミノ酸に変換したりするものです。
体内に栄養が少ないときは、アドレナリンやコルチゾール、グルカゴンなどの”血糖値を上げるホルモン”が分泌されます。
これらのホルモンは「オートファジー」を促進するため、筋肥大にマイナスになります。
アルコールを摂取することにより、”血糖値を上げるホルモン”の分泌が活性化し、オートファジーを促進してしまいます。
アルコールを飲んでも良い人がいる!?
アルコールは「百害あって一利なし」と言っていますが、
一部の人はアルコールを飲んでも良い人がいます。
・(1)「アルコール」を飲まないと”ストレス”になる人
・(2)「筋トレ」も「アルコール」も”両方楽しみたい”人
・(3)”女性”の人
・(1)「アルコール」を飲まないと”ストレス”になる人
アルコールを飲まないことが”ストレス”になる人は、我慢するくらいなら飲んだ方が良いです。
ストレスを感じると発生する「コルチゾール」は、筋肉を分解し、健康にも悪影響を及ぼします。
・(2)「筋トレ」も「アルコール」も”両方楽しみたい”人
「筋トレ」が人生の全てではありません。
「筋トレは人生を豊かにするための1つのツール」です。
アルコールを飲んでも”7割程度”は筋肥大するので、ポジティブに考えて人生楽しみましょう!
・(3)”女性”の人
女性の人はアルコールを飲んでも、通常通り筋肉の合成が行われるという研究があります。
アルコールで悪影響があるのは”男性に限る”と結論づけられています。
参考文献
まとめ
まとめ
・トレーニング直後の「アルコール」の摂取は、筋タンパク質の合成力を”2〜3割程度”低下させる
・アルコールの悪影響を受けるのは”男性に限る”
・男性にとってアルコールは「百害あって一利なし」である