これであなたも不老不死
この記事を読むと分かること
- 老化の原因になる「酸化」とは?
- ”4種類”の「活性酸素」
- 活性酸素ごとの「抗酸化物質」
- 酸化だけが老化の原因ではない
筋トレ歴6年、2019年JBBFメンズフィジーク”県2位”
栄養の学校NNCやセミナー、書籍、論文などで「栄養学」を学んでいる、栄養オタクトレーニーです。
「酸化」
「活性酸素」
「抗酸化作用」
これらの言葉を「なんか健康に良さそう」くらいにしか理解していない人は、この記事を読む価値があると思います。
この記事では、「そもそも酸化ってなに?」から「活性酸素ができるまで」「活性酸素を除去・分解(抗酸化)の方法まで」を詳しく解説しています。
分かりやすく解説しますので、ぜひ最後まで読んでみてください!
■そもそも「酸化」ってなに?
酸化を一言で説明すると、「物質に酸素が化合する反応のこと」です。
たとえば、「食べかけのリンゴ」を机の上に置いて、しばらくすると茶色くなりますよね?
これは、物質から水素が奪われて「酸化」したため、茶色く変化したのです。
このような『酸化』は、人間の体内でも起こっています。
◎「酸化」と「還元」が繰り返されている
人間は、呼吸をして酸素を体内に取り入れなければ、生きていくことはできません。
しかし、酸素を取り込むということは「体内で酸化が起こる」ということです。
酸化は、ガンや動脈硬化、シワ・シミなどの原因になります。
体内で酸化が起こるのは、体にとって良くないことです。
なので、人間には「酸化したものを元に戻す『還元』という機能」が備わっています。
「酸化」と「還元」は体内で絶えず行われており、拮抗関係にあるのが正常です。
この拮抗関係が崩れて、酸化のほうが強くなると、体の調子が悪くなるという仕組みになっています。
◎「活性酸素」とは?
「酸化と還元の拮抗関係」が崩れる原因になるのが「活性酸素」になります。
活性酸素とは、大気中に含まれる酸素より活性化された、反応性の高い化合物の総称です。
反応性が高いので体内に取り込むと、体に悪影響を与える物質に変化しやすい特徴があります。
運動、精神的ストレス、喫煙などがトリガーとなり、体内で酸素から活性酸素に変化し、この「活性酸素」が体内でいろんな悪さをするのです。
一言で活性酸素といっても、大きく4種類に分けられます。
4種類の活性酸素については、のちほど詳しく解説します。
◎「抗酸化」とは?
抗酸化という言葉は、2つのパターンで使われます。
- 酸化そのものの働きを抑える
- 酸化の原因になる活性酸素を分解して取り除く
「抗酸化作用」「抗酸化物質」と言われるものは、上記のどちらかの効果があるものです。
■4種類の「活性酸素」ができるメカニズムと「抗酸化物質」
活性酸素は大きく”4種類”に分けることができます。
1. スーパーオキシド
2. 過酸化水素
3. ヒドロキシラジカル
4. 一重項酸素
スーパーオキシド → 過酸化水素 → ヒドロキシラジカル
酸素分子が不対分子を確保することによって、このような順で変化していきます。
また、一重項酸素はUV(紫外線)によって皮膚上で生成されるものです。
「老化」を防止するためには、いかに活性酸素を減らせるかがカギとなります。
それでは、活性酸素ごと「生成されるメカニズム」と「抗酸化物質」を解説していきます。
◎(1)スーパーオキシド
スーパーオキシドは、体内に一番多く存在する活性酸素ですが、酸化力がそこまで強くありません。
なので、ある程度は”ほっといても大丈夫”です。
しかし、いずれは悪影響のある「過酸化水素」になってしまうので、早めに潰しておくほうがいいでしょう。
また、スーパーオキシドが増えることにより、活性酸素を分解する酵素の「SOD(Super Oxide Dismutase)」も増えます。
SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)は活性酸素を分解してくれるので、体に良いものです。
高がん治療の点滴にSODが含まれるものあります。
✓スーパーオキシドに効果的な「抗酸化物質」
「ビタミンC」を摂取することにより、SODを増やすことができます。
摂取量として、2,000mg〜3,000mgで効果があるという文献が多いです。
ちなみにSODを一番多く含む食べ物は「メロン」です。
◎(2)過酸化水素
過酸化水素は、とても不安定で、過酸化水素の形を長時間維持するのが難しい物質です。
過酸化水素ができるとすぐに酸素、水、ヒドロキシラジカルに変化します。
この「ヒドロキシラジカル」が体に最も悪い、凶悪な物質なのです。
ですので、過酸化脂質はなるべく作らない、早めに除去するのが大事になります。
✓過酸化水素に効果的な「抗酸化物質」
カタラーゼという分解酵素、グルタチオンペルオキシダーゼには抗酸化作用があります。
これらは、体内で合成可能な物質です。
外部から摂取すると効果的なのは「ポリフェノール」です。
具体的にいうと
- ブドウなどに含まれる「アントシアニン」
- ワインになど含まれる「タンニン」
- 大豆に含まれる「イソフラボン」
この3つは、特に強力な抗酸化作用を持っています。
◎(3)ヒドロキシラジカル
ヒドロキシラジカルは、体に最も悪い凶悪な活性酸素です。
生活習慣病やガン、動脈硬化、シワ・シミなど、ほとんどの病気の原因になっています。
ちなみに、「ヒドロキシラジカル」と「スーパーオキシド」の2つのことを「フリーラジカル」といいます。
フリーラジカル = 活性酸素ではありません。
このことは、覚えておいて損はないと思います。
✓ヒドロキシラジカルに効果的な「抗酸化物質」
ポリフェノール全般
その中でも、オリーブに多く含まれる「オレウロペイン」
他にも、シナモンやパセリに含まれる「クマリン」なんかも効果的です。
ヒドロキシラジカルには、ビタミンE・ビタミンCも効果的になります。
特にビタミンEですね。
抗酸化を狙うなら、ビタミンEを1日に200mg〜800mgの範囲内で摂ると良いでしょう。
「βカロテン」なんかも効果的です。
◎(4)一重項酸素
UV(紫外線)によって皮膚上で作られる、4種類の活性酸素の中で唯一、体内の酵素で分解できない物質です。
ですので、分解する抗酸化物質を体外から摂取する必要があります。
✓一重項酸素に効果的な「抗酸化物質」
「カロテノイド(βカロテン、ビタミンA)」
→ 普通の人は、意識的に摂取する必要はない。
「ポリフェノール(ルチン、カテキン)」
→ 緑茶に含まれるEGCG(エピガロカテキンガレート)が特に抗酸化力が高い。
「ビタミンB2」
→ グルタチオンペルオキシダーゼを作るときの補因子として働く。
「コエンザイムQ10」
→ ATPの合成に使われていいるが、一重項酸素を消す効果もある。
■まとめ【酸化が老化の全てではない】
今回は、酸化のメカニズムと、抗酸化物質について解説しました。
「酸化は老化の原因になる」
このように記事の初めに書きましたが、酸化が老化の原因の全てではありません。
「抗酸化物質を摂れば老化しないということではない」
このことは覚えておいてください。
✓最後にワンポイントアドバイス
老化を防ぎたいなら、「抗酸化物質を摂取」のほかに「オートファジーを活性化させる」ということも意識すると良いでしょう。
→ 関連記事「生命の維持に重要なオートファジーとは」
◎要点まとめ
最後に簡単にまとめておきます。
要点まとめ
- 人間の体内では絶えず「酸化」と「還元」が行われている
- 「活性酸素」は老化や病気の原因になる
- 活性酸素の働きを抑える、除去するために「抗酸化物質」が必要
- 酸化が老化の全てではない
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事があなたのお役に立つことができたのなら幸いです。