あなたは命を削ってまで「パンケーキ」を食べたいですか?
この記事を読むと分かること
- 老化の原因になる「糖化」とは?
- 糖化が与える「悪影響」
- 糖化が起こる「原因」と「具対策」
筋トレ歴6年、2019年JBBFメンズフィジーク”県2位”
栄養の学校NNCやセミナー、書籍、論文などで「栄養学」を学んでいる、栄養オタクトレーニーです。
人生100年時代の今、「健康」は最も重要な財産といってもいいでしょう。
これを読んでいるあなたも、健康に長生きしたいですよね?
ですが、健康で長生きするためには「老化」という”最大の敵”と戦う必要があります。
そして、老化の主な原因は「酸化」と『糖化』です。
この記事では、みなさんにも大きく関わる『糖化』の基礎的な知識を分かりやすく解説しています。
”知っておいて損はない内容”になっていますので、ぜひ最後まで読んでみてください!
→ 関連記事「老化の原因になる『酸化』とは」
■老化の原因になる「糖化」とは?
「老化」という言葉ほど、怖い言葉はありませんよね?
今回紹介するのは、その老化の原因の一つ『糖化』です。
糖化を一言で説明すると「体内でタンパク質と糖質が”熱を介して結びつく”こと」です。
体内で糖化が起こると、タンパク質が変性して「AGEs(終末糖化産物)」を生み出します。
そして、この「AGEs」が体内でさまざまな悪影響を及ぼすのです。
「AGEs」は、別名「メイラード反応」とも言います。
「パンケーキの表面」や「揚げ物」が”茶色くなっている”のは、このメイラード反応が原因です。
それでは、糖化が与える具体的な悪影響”4つ”を解説していきます。
◎「皮膚」の老化
AGEsの受容体は全身にあるのですが、AGEsが生成されると、この受容体が反応し「炎症反応のトリガー」になります。
炎症反応が起こると、「シワ、くすみ、変色、弾力の損失」が起こる、という仕組みです。
また、レーザー治療や保湿液をしても「効果がない」または「すぐに元に戻る」
このような人は、内部のAGEsが原因の可能性もあります。
AGEsを減らせば”あっさり解決する”こともあるので、心当たりのある人は、のちほど紹介する「AGEsを抑える方法」を実践するのがいいでしょう。
◎「骨・関節」の老化
AGEsは、100種類以上あるのですが、その中でも「ペントシジン」という代表的なモノがあります。
このペントシジンが、体内のコラーゲンやエラスチンという「柔軟性を司るタンパク質を硬化させる」のです。
意外だと思うかもしれませんが、骨の30%はコラーゲンでできています。
また、関節の周りにも軟骨や関節液があり、これらが劣化すると、こすれて炎症が起き、関節の老化につながるのです。
AGEs(ペントシジン)が生成 → タンパク質が硬化 → 変色 → 固まる → 骨・関節の老化
◎「血管」の老化
AGEsが増えると、血管の内皮に蓄積していきます。
そうすると「アテローム」という、ドロドロした物質が溜まって、血管を固くするのです。
これを、アテローム性動脈硬化症といいます。
アテローム性動脈硬化症は、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす原因の一つです。
◎「認知機能」の老化
AGEsと認知機能の老化の関係は、研究の歴史が浅いものの、少しずつ分かってきていることが増えてきました。
アルツハイマーの患者さんの皮膚上のAGEsを調べたところ、一般の人の3倍もあったという研究もあります。
要するに、AGEsによって、認知機能の低下が促進されるということですね。
■糖化が起こる4つの「原因」
AGEsは、一度生成されると「なかなか分解できない物質」です。
糖化が起きてAGEsが増えると、正常なタンパク質の代謝を下げるので、ダイエットも思うように進まなくなります。
とにかく「AGEsは溜めないことが大事」ということです。
ですので、AGEsを溜めないために、糖化の原因を知っておきましょう!
◎加齢によるもの
AGEsは、加齢とともに作られやすくなります。
これは、単純に年齢が上がるにつれて代謝も悪くなるからです。
◎加温によるもの
体内のタンパク質と糖質が、「熱を介して結びついたとき」にAGEsは生成されます。
ですので、一時的に体温が上がっているときは「AGEsが作られやすくなってる状態」ということです。
◎高糖食&食習慣
糖質の多い食事をすると血糖値が上がり、血糖値を元に戻そうとしてインスリンが分泌されます。
この状態が長く続くと、インスリン感受性が低くなり、血糖値を元に戻す力が弱まるのです。
そうすると、体内に「糖が余ってるよ」という状態になります。
糖が余ってるということは、糖化しやすい、AGEsが生成されやすいということです。
また、AGEsを含む食材を直接摂取してしまうのも、体内のAGEsを増やす原因になります。
◎アルコールの摂取
AGEsは、タンパク質と「アルデヒド基」から作られています。
アルデヒド基の材料は、「糖、脂質(微量)、アルコール」です。
つまり、アルコールを摂ることにより、AGEsが作られやすくなるということになります。
「飲酒の回数とAGEsには相関関係があるのか」という研究があります。
飲酒の回数が「週に3日未満の人」と「週に4日以上の人」の皮膚上のAGEs量を調べました。
結果は、飲酒の回数が週に3日の人より、週に4日以上の人のほうが「10%〜40%もAGEsの量が多かった」という結果になっています。
アルコールは、百害あって一利なしです。
■糖化を抑える3つの「具体策」
糖化は、すでに起きてしまったモノは、なかなか分解できません。
なので「予防する」という形になります。
それでは、糖化を抑える・予防する3つの具体策を紹介していきます。
◎十分な「睡眠」
糖化を抑えるために「睡眠」は重要な要素になります。
なぜなら、十分な睡眠には「インスリン感受性を安定させる効果がある」からです。
インスリン感受性を安定させておけば、体内の「糖」が素早く代謝されるので、糖化を抑えることができます。
他にも、食欲をおさえる「レプチン」の分泌を促進。
食欲を増進する「グレリン」の分泌を抑える、などの効果もあるので、食生活が乱れにくくなる効果も期待できます。
◎適度な「運動」
「適度な運動は健康に良い」
このようなことを聞いたことあると思います。
適度な運動を行うことにより、体内の「糖」をエネルギーとして使うので、体内に糖を溜めにくくし、糖化を抑えることができるのです。
また、運動習慣がある人のほうが、安静時血糖が低いというデータもあります。
運動は「糖化反応」をさせないために重要な要素になるので、ぜひ運動習慣を身につけてください。
◎糖化を抑える「栄養摂取」
糖化を予防する栄養素は数多くあります。
しかし、その中でもエビデンスレベルが高いのが「アルギニン・シトルリン」です。
アルギニン・シトルリンには、インスリン感受性を安定させる効果があります。
アルギニン・シトルリンを摂取 → アディポネクチンが増える → AMPキナーゼが活性 → インスリン感受性が高まる → 糖を細胞に届ける
↑ このようなロジックです。
→ 関連記事「インスリン感受性を高める栄養素」
糖化を抑える栄養素の2つ目は「カルノシン・ベータアラニン」です。
カルノシン・ベータアラニンには、「カルボニル基を減らす効果」があります。
AGEsの材料である「アルデヒド基」は、複数の「カルボニル基」から作られています。
つまり、AGEsの材料の、アルデヒド基の材料の、カルボニル基がなければ「糖化は起きない」ということになります。
摂取量としては、アルギニン・シトルリンは1日に1,000mg〜2,000mg。
カルノシン・ベータアラニンも1日で1,000mg〜2,000mgを摂取することにより、十分な効果を得ることができます。
その他の栄養素として、ビタミンB1、B2、B6、αリポ酸などの、糖質の代謝を促進する栄養素も糖化を抑えるためには重要です。
■まとめ【血液検査でHbA1Cを確認しよう】
今回は老化の原因にもなる「糖化」の基礎知識を解説しました。
「AGEsの数値が気になる。どうやって調べるの?」
このように思った人は、血液検査の「HbA1C」という値で確認することができます。
HbA1Cは「AGEsの一番最初のところ」という感じなので、HbA1Cの数値で、AGEsの数値が正常か知ることができます。
老化の原因は「糖化」だけではありませんが、糖化の知識があれば多少は老化を抑えることができるでしょう。
ぜひ、今回紹介した内容を実践してみてください!
→ 関連記事「老化の原因になる『酸化』とは」
◎要点まとめ
最後に簡単にまとめておきます。
要点まとめ
- 老化の主な原因は「酸化」と『糖化』
- 糖化により皮膚、骨、関節、血管、認知機能が老化する
- AGEs(終末糖化産物)は分解しずらいので「予防」が大事
- 糖化を予防する方法は「十分な睡眠」「適度な運動」「適切な栄養摂取」
- 体内のAGEsは血液検査の「HbA1C」という値で知ることができる
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事があなたのお役に立つことができたのなら幸いです。