このような疑問を解決します。
✔︎ この記事を読むと分かること
・『EAA』はプロテインの代わりにはならない理由
・『EAAパラドックス』とは
・『EAA』の正しい摂取方法
『EAA』はプロテインの代わりにはならない?!
人間の身体に必要なアミノ酸は”20種類”あります。
体内で”合成できない”9種類のアミノ酸『必須アミノ酸(EAA)』と
体内で”合成できる”11種類のアミノ酸『非必須アミノ酸』の合計で20種類です。
『プロテイン』は、20種類全てのアミノ酸を含んだ”タンパク質”です。
これを見ると、「体内で合成できる非必須アミノ酸は必要ない」となりそうですが、そうではありません。
「高タンパク・低糖質食」を中心とした食事療法で目覚ましい実績をあげていて、多数書籍も執筆している
『”藤川徳美(ふじかわとくみ)”医師』はこのように言っています。
ポイント
「プロテインをやめて”EAAのみ”しかも大量に摂取すると、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンのアンバランスを引き起こす。その結果”うつ状態”や”軽躁状態(気分が上がったり下がったりする症状)”を引き起こす」
ではなぜ、EAAの大量摂取でこのような不調が起こるのか?
『EAA』の大量摂取で不調が起こる理由
人間の身体で合成できない『EAA(必須アミノ酸)』を大量に摂取すると
『EAAパラドックス』が起こるからです。
『EAAパラドックス』を知るために、アミノ酸の基礎知識を説明していきます。
『EAA(必須アミノ酸)』9種類
『EAA(必須アミノ酸)』は、体内で合成できないので、
”食事から摂取する必要”があります。
- フェニルアラニン
- ロイシン
- バリン
- イソロイシン
- スレオニン
- ヒスチジン
- トリプトファン
- リジン
- メチオニン
『非必須アミノ酸』11種類
『非必須アミノ酸』は、
『EAA(必須アミノ酸)』を原料に、体内で合成することができます。
- アルギニン
- グリシン
- アラニン
- セリン
- チロシン
- システイン
- アスパラギン
- グルタミン
- プロリン
- アスパラギン酸
- グルタミン酸
『アミノ酸の桶の理論』
『アミノ酸の桶の理論』というものがあります。
”桶”は複数の板がつながって、水がこぼれないようになってます。
1枚でも板が低くなっていると、そこから水がこぼれてしまいます。
『EAA(必須アミノ酸)』も、これと同じ理論です。
1種類でも不足したアミノ酸があると、”不足したアミノ酸に合わせたレベル”でしかタンパク質を合成することができません。
『アミノ酸スコア』というものが存在するのは、この『アミノ酸の桶の理論』があるためです。
「だから大量に必須アミノ酸を取ったほうが良い」ということになりそうです。
ですが、その前提条件として『非必須アミノ酸』があることを忘れてはいけません。
『EAAパラドックス』とは
『非必須アミノ酸』は体内で合成できますが、「摂取しなくてもよい」ということではありません。
なぜなら、体内で合成される非必須アミノ酸は、”必須アミノ酸を原料”にしているからです。
『非必須アミノ酸』を『EAA』から合成するより、食事やプロテインから『非必須アミノ酸』を摂取するのが1番効率的です。
『アミノ酸の桶の理論』は、体内に非必須アミノ酸が十分にあることを前提としています。
プロテインをまったく摂らずに”EAAのみ”を大量に摂取した場合、
EAAが”非必須アミノ酸の合成に浪費”され、体内のEAAが足りなくなってしまいます。
つまり、EAAの大量摂取は、EAA不足を引き起こすという『EAAパラドックス』が起きてしまうのです。
『非必須アミノ酸』は「体に必要のないアミノ酸」ではなく、「体に必要だが、必須アミノ酸から合成できるアミノ酸である」ということは覚えておきましょう!
『EAA』の正しく安全な摂取方法
「高タンパク・低糖質食」を中心とした食事療法で目覚ましい実績をあげていて、多数書籍も執筆している”藤川徳美(ふじかわとくみ)”医師によると
・EAAを1日10g以下 → 食事で十分に非必須アミノ酸を補えるので安全
・EAAを1日10g以上 → EAAの”5〜10倍のプロテイン”が必要
このくらいが、”安全にEAAを摂取する方法”です。
プロテイン初心者、健康維持が目的の人は、無理してEAAを摂る必要はありません。
「タンパク質摂取の基本はプロテインである」ということは忘れないでください。
まとめ
まとめ
・EAAの大量摂取は『EAAパラドックス』を引き起こす
・『EAA』はプロテインの代わりにはならない
・『EAA』を、1日10g以上摂る場合、EAAの5〜10倍のプロテインが必要
・タンパク質摂取の基本はプロテインである