日本人の3人に1人は機能異常
この記事を読むと分かること
- 血液検査で見るべき数値(肝臓)
- 異常値が出る原因と改善方法
「肝臓」は、異常値が出やすい臓器だと言われています。
データによると、人間ドックを受けた人の中で、”肝臓に何かしらの異常”を持っている人は約33%とのことです。
日本人の3人に1人は、肝臓に何かしらの機能異常があるということになります。
この記事では、血液検査で見るべき数値を一つずつ解説しています。
血液検査で異常値が出た人は参考にしてください。
そして、少しでも不安だと感じた場合は、すぐにお医者様に診てもらいましょう。
※この記事は、参考程度にお願いします。
■血液検査で見るべき”10個”の数値
血液検査で見るべき”10個”の数値は以下の通りです。
「異常値があります」「改善が必要」と言われた人は参考にしてください!
- 「AST(GOP)」基準値:12〜30U/l
- 「ALT(GPT)」基準値:6〜30U/l
- 「ALP」 基準値:105〜340U/l
- 「LDH」 基準値:110〜230U/l
- 「γ-GTP」 基準値:〜50U/lまでが許容範囲
- 「アンモニア」 基準値:20〜85μg/dl
- 「CHE」 基準値:200〜460U/l
- 「ZTT」 基準値:3〜13Kunkel
- 「TP」 基準値:6.5〜8g/dl
- 「ALB」 基準値:3.7〜4.7g/dl
①AST(GOP)
AST(GOP):アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ
基準値:12〜30U/l
肝臓の細胞が破壊されると血液中に流れ出る酵素。
「心臓・筋肉」など、他の内臓にも点在している。
②ALT(GPT)
ALT(GPT):アラニンアミノトランスフェラーゼ
基準値:6〜30U/l
肝臓の細胞が破壊されると血液中に流れ出る酵素。
「肝臓」を中心に存在している。
☆ALT・AST両方とも低い・ALT<AST
数値が低い=タンパク質が足りていない
「タンパク質+ビタミンB6」を積極的に摂取する。
→ 関連記事「ビタミンBの効果や摂取方法」
③ALP
ALP:アルカリホスファターゼ
基準値:105〜340U/l
平均値:170〜180
肝炎、肝硬変、胆石、肝障害で上昇する。
補酵素である、亜鉛(男性11mg)、マグネシウム(男性340mg)を摂取すると良い。
亜鉛とマグネシウムは、多くの人が不足している栄養素でもある。
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④LDH
LDH:乳酸デヒドロゲナーゼ
基準値:110〜230U/l
平均値:170〜180
「心臓・肝臓」に多く存在する酵素。
不足しているときは「ナイアシン」が欠乏している可能性がある。
ALP、LDHを考える上で、亜鉛・マグネシウム・ナイアシンは重要な栄養素になる。
ALT(GPT))、ALP、LDHが低い人にオススメなのが「ZMA」
ZMA:亜鉛・マグネシウム・ビタミンB6
肝臓の数値を改善するのに有用。
→ 関連記事「ビタミンBの効果や摂取方法」
⑤γ-GTP
γ-GTP:ガンマグルタミルトランスペプチダーゼ
基準値:〜50U/lまでが許容範囲
γ-GTPは、肝臓の解毒酵素。
アルコールの大量摂取、脂肪肝、脱水で上昇。
異常値が出た場合、必ずしも肝臓だけが原因ではない。
低いときは、ALPの「補酵素」が足りていない可能性がある。
※ALPの補酵素;亜鉛、マグネシウム
⑥アンモニア
基準値:20〜85μg/dl
アンモニアの数値は、尿素が上手く処理できないと上昇する。
吸収されなかったタンパク質は「窒素」になる
↓
窒素は「アンモニア」になる
↓
アンモニアは肝臓で「尿素」になる
↓
尿素は腎臓で「尿に」変換されて排出される
つまり、アンモニアの数値が高い=「肝臓が働いていない」となる。
タンパク質の摂取を控える、代謝に必要なビタミンB6を摂取する。
⑦CHE
CHE:コリンエステラーゼ
基準値:200〜460U/l
タンパク質合成能力の指標になる。
肝臓は、アミノ酸が集められる臓器。
BCAAは筋肉で代謝されるが、そのほかのアミノ酸は肝臓で代謝される。
CHEの数値が悪い=「タンパク合成能力が落ちている」
⑧ZTT
ZTT:硫酸亜鉛混濁試験
基準値:3〜13Kunkel
血清アルブミンの減少と、γ-グロブリンの増加を反映する膠質反応をみる検査。
肝炎、肝硬変、肝臓ガン等で上昇する。
ZTTだけの数値が高いからといって、肝臓に問題があるわけではない。
副腎皮質ホルモンが高いと、ZTTは上昇する。
体は健康だけど、心理的ストレスを抱えてる場合に数値が上昇することもある。
ステロイドを打っている人は、肝臓に負担がかかるのでZTTが高い数値になることがある。
⑨TP
TP:血清タンパク
基準値:6.5〜8g/dl
TPとALBが低い時は、低栄養・脂肪肝(血液中の脂肪酸の量が多くなるから)を示している。
ネフローゼ症候群の人も、TP、ALBは低下する。
⑩ALB
ALB:アルブミン
基準値:3.7〜4.7g/dl
健康な人は、アルブミン量は総タンパクの70%くらいになる。
肝臓に障害があると、A/G比(アルブミン・グロブリン比)が「1を切る」
A/G比が1以下の場合は、肝機能の低下を疑う。
→ 関連記事「肝機能改善・肝機能低下の原因と栄養学的アプローチ」
■まとめ【定期的に検査しよう!】
今回は、血液検査で見るべき”10個”の数値(肝臓)を解説しました。
肝臓は臓器の中でも、特に異常値が出やすい臓器になります。
さらに、トレーニングをしている人は、高タンパク食や減量食など偏った食事をしていることが多いので、余計に異常値が出やすいです。
健康診断で「異常値が出た」という人は、早めに原因を特定し改善するようにしましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事があなたのお役に立つことができたのなら幸いです。