アンダーカロリーの盲点
この記事を読むと分かること
- アンダーカロリーの計算方法
- 計算通りに体重が落ちない”8つ”の理由
ダイエット・減量の大原則は「消費カロリー」>「摂取カロリー」です。
「アンダーカロリーを継続することで体重が減っていく」
これは、紛れもない事実です。
しかし、アンダーカロリーを徹底しているのに「体重が落ちない」という人がいます。
この記事では、体重が減らない人が『見落としがちな8つポイント』を紹介します。
■アンダーカロリーの計算方法
「アンダーカロリーにしているのに体重が落ちない」
このような悩みを解決するにあたり、まずはアンダーカロリーの計算方法を解説します。
✓ アンダーカロリーの計算方法
- 「基礎代謝」を計算する
- 「維持カロリー」を求める
- 「1日の摂取カロリー」を決める
①「基礎代謝」を計算する
こちらの基礎代謝計算機を使うと、簡単に自分の基礎代謝を計算することができます。
もう一つの方法が「体重」と「体脂肪」から計算する方法です。
・体重 − 体脂肪 = 除脂肪体重
・除脂肪体重 × 28.5 = 「基礎代謝」
②「維持カロリー」を求める
基礎代謝 × 生活活動強度指数=「維持カロリー」
✓「生活活動強度指数」の目安
- 座り仕事で、週に1〜2回の筋トレ → 1.3(低い)
- 座り仕事で、週に3〜4回の筋トレ → 1.5(やや低い)
- 身体をよく動かす仕事で、週に3〜4回の筋トレ → 1.7(適度)
- 身体をよく動かす仕事で、週に5〜6回の筋トレ → 1.9(高い)
※ 厚生労働省 「日本人の栄養所要量について」を参考にしています。
③「アンダーカロリー」を求める
「維持カロリー」 −「〇〇Kcal」=「アンダーカロリー」
「〇〇kcal」の分だけ、アンダーカロリーになります。
オススメは、−500kcalです。
−500Kcalのアンダーカロリーなら、代謝の低下、筋肉量の大幅な減少、過度な空腹感などを抑えることができるからです。
◎3種類の消費カロリーとは?
✓”3種類”の消費カロリー(総消費カロリー)
①基礎代謝:約60〜65%
→ 体温維持、臓器を動かすなど、何もしなくても消費されるカロリー
②活動代謝:約25%
→ 運動によって消費されるカロリー
③DIT(食事誘発性熱産生):約10〜15%
→ 食べたものを消費する過程で生じるカロリー
① + ② + ③ = 『総消費カロリー』
■食事管理を徹底しているのに体重が落ちない”8つ”の原因
ダイエット・減量をしていて、アンダーカロリーを徹底していても「体重が落ちない」ことがあります。
また、最初はスムーズに体重が落ちていたにも関わらず「停滞」してしまうこともあります。
そんな方は、下記のチェックリストを参考にしてみてください。
チェックリスト
- カロリー計算が合っていない
- 肝機能の異常
- 甲状腺機能低下症
- 代謝に必要な補酵素の不足
- インスリン感受性の低下
- 腸内環境の悪化
- カロリー制限による代謝の低下
- 薬剤による体重の増加
①カロリー計算が合っていない
そもそも、「アンダーカロリーの計算が合っていない」という場合があります。
1日の活動量には誤差があります。
また、生活活動強度指数を1段階間違えただけで、”数百kcalもの誤差”が生じます。
各々の代謝環境も違います。
さらに、食品表示のカロリーは”あくまでも推定量”であり、正確なカロリーではありません。
これらのことから、カロリー計算が合っていないという事象が発生してしまうのです。
②肝機能の異常
✓基礎代謝量の内訳
- 肝臓:27%
- 脳:19%
- 筋肉:18%
- 腎臓:10%
- 心臓:7%
- その他:19%
見て分かる通り、基礎代謝の割合が最も高いのは「肝臓」です。
つまり、肝臓の機能が低下していると、必然的に消費カロリーも低下するということです。
③甲状腺機能低下症
✓甲状腺の役割
- 体温の調整
- 新陳代謝の促進(代謝を高める)
- 脳の活性化
- 心臓・胃腸の働きを促進
甲状腺機能低下症を発症すると、甲状腺の機能が低下にすることにより「過度に代謝量が低下」してしまいます。
④代謝に必要な補酵素の不足
摂取した糖質や脂質などの栄養素は、体内で「代謝」され、ATPに変換されます。
このとき、代謝で使われる「酵素」は、体内で作られますが、代謝酵素が働くためには「補酵素」が必要です。
この補酵素になるのが、タンパク質やビタミン・ミネラルなのです。
減量中は食事量が減るため、必然的に補酵素の摂取量も不足してしまいます。
ですので、体重が落ちない人は、補酵素を充足させることで代謝が回復するかもしれません。
⑤インスリン感受性の低下
✓ 栄養が吸収されエネルギーになるまでの流れ
・食事をする
↓
・小腸から栄養を吸収する
↓
・血液中に糖が満たされる
↓
・糖を細胞内に取り込む(インスリンが必要)
↓
・ミトコンドリアでATPを合成
↓
ATPをADP/無機リン酸に分解しエネルギーが生じる
栄養を細胞内に取り込むときに、インスリンが使われます。
ですので、インスリンの働きが悪くなると、栄養が細胞内に入らずエネルギーが作られにくくなります。
その結果、使われなかった栄養素が、体に蓄積されていくということです。
⑥腸内環境の悪化
腸内環境が悪化することにより、「短鎖脂肪酸」が少なくなってしまいます。
短鎖脂肪酸は、食事性の”脂肪分の分解”や”吸収量を調節”する働きがあります。
つまり、短鎖脂肪酸が減ることにより、”体脂肪量が増加する”ということです。
⑦カロリー制限による代謝の低下
人間には「恒常性(ホメオスタシス)」というものがあります。
体温や血圧、心拍数などあらゆるものを一定に保とうとする働きのことです。
人間は、体に栄養が入ってくるときは、たくさんエネルギーとして使うことができます。
しかし、恒常性があることにより、体に栄養があまり入ってこなくなると「なるべく栄養を体に蓄えておこう」とします。
分かりやすく言うと、カロリー制限を長期間継続すると「エコモード」「省エネ」の状態になるのです。
ですので、極度なカロリー制限はせず減量する必要があります。
⑧薬剤による体重の増加
抗うつ剤、抗精神病薬などを服用している人は、副作用で体重増加が起こります。
✓ 副作用の具体例
- 血糖異常(インスリン感受性の悪化)
- 内分泌系に異常に起こる
- 自律神経に異常が起こる
薬を服用している人でダイエット・減量をする方は、予め医者に相談するようにしましょう。
■まとめ【カロリー以外にも注目しよう!】
今回は、『食事管理を徹底している人でも体重が落ちない”8つ”の原因』を紹介しました。
減量するときは「アンダーカロリーだけが注目されがち」ですが、そもそも消費カロリーを正確に計算することは不可能です。
ですので、食事管理を徹底しているにも関わらず体重が落ちない人は、消費カロリー以外に目を向けてみましょう。
今回紹介した、8つの原因をぜひ参考にしてみてください!
◎要点まとめ
要点まとめ
✓ 体重が落ちない”8つ”の原因
- カロリー計算が合っていない
- 肝機能の異常
- 甲状腺機能低下症
- 代謝に必要な補酵素の不足
- インスリン感受性の低下
- 腸内環境の悪化
- カロリー制限による代謝の低下
- 薬剤による体重の増加
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事があなたのお役に立つことができたのなら幸いです。